ムラサメジョー#3分ショート

文芸、3分で読めるショートショート、掌編小説を書いていきます。更新はできるだけ毎日していきます。sf.日常などなど。 みなさんに読んで欲しいです。 ぜひ、紹介してください。

ムラサメジョー#3分ショート

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最近の記事

今日のひとこと

自分が飽きちゃうとだめ 飽きても休み休み続けよう

    • 掌編小説 ねがい

      あなたは、大きくなったら、何になりたい? 大きくなるのは正直かなしい。 私の元から離れていきそうで。 いつまでもそばにいてほしい。 でも、好きなこと、好きな人と出会い、幸せでいてほしい。 それが私のねがい。

      • 妻の口癖 ショートショート

         ぼくの妻の口癖。頑張れ頑張れ、わたし。負けるな、負けるな、わたし。

        • 掌編小説 京都の夏のはじまり

           7月は、京都は忙しない。祇園祭があるから。町衆はほんとに忙しないが、関係のない京都市民はなんとのう忙しないのだ。 今年も前祭の鉾立が始まった。目抜き通りの四条通りにも鉾が立つ。  一番人気は、大丸前の薙刀鉾。大丸前にピンと立った長い薙刀はとても立派。みな、薙刀を見上げる。    わたしは、薙刀鉾には負けるけれど、月鉾が好き。こちらは薙刀てはなく、鉾の先が三日月なのだ。三日月が雨粒を反射させ、輝いている。  17日は、前祭の巡行。宵山では雨が降るのに、巡行はカンカン照り。

          掌編小説 ミニトマト ショートショート 文芸

           朝。ぼくはベッドから起き上がると、録画しておいた世界を旅する番組を見ながら、ルーティンのストレッチ体操を始める。 首を回し、次に肩を回し、腰を回す。そして、胸筋を広げ、左右に動く有酸素運動。これで、耳に溜まっていたリンパ液が流れる。  ぼくは、リンバが溜まりやすい。梅雨の季節は、特にめまいや偏頭痛が酷かった。  ストレッチと有酸素運動を始めてからは、ずいぶん体調も良くなった。  ぼくは、麦わら帽子をかぶると、玄関から、かごを持って外に出る。  日が昇り、木々が明るく見え

          掌編小説 ミニトマト ショートショート 文芸

          掌編小説「ロシアンティー」 ショートショート 文芸 3分ショート

           むかし、むかしの記憶。昭和の記憶。  おかあさんは、わたしによく、ロシアンティーを入れてくれた。 午後3時、おやつの時間。  トースターで焼いた手作りクッキー。動物や花のかたちにくり抜いた、ほんのり茶色。  おかあさんが座卓の上に、ガラスの容器に出してくれた。  角が少し焦げてたりしたけど、口に入れるとほんのり甘く、カリッとしてるのやしなっとしてしているのがあったり、おいしかった。  おかあさんは、白い花柄のティーカップに、日東紅茶のティーパックを入れると、ちんちんに熱く

          掌編小説「ロシアンティー」 ショートショート 文芸 3分ショート

          掌編小説「キャラメル」 3分 ショートショート 

           僕は迷ったときには、難しい方を選んで生きてきた。勉強は苦手だったけど、その分、直感には優れていたんだと思う。 仕事で、誰もがやりたがらないようなことでも、なんだかできそうな気がして、手を挙げた。  他人の冷ややかな目を感じながら、よく考えた。考えてる時には、頭がくらくらしてくる。  そんなときには、黄色箱のキャラメルを口に放り込む。なんとも言えない、甘さが口に広がる。箱のエンゼルが微笑む。  キャラメルを食べれば、頭が冴えてなんでもできる気がした。  いつも、問題をどう解

          掌編小説「キャラメル」 3分 ショートショート 

          掌編小説「フレンチとーすと」 3分 #ショートショート #文芸

           「おはよー、いつも早いね」彼女が起きてきた。彼女は、日曜日の朝が遅い。僕は、彼女が洗面台に行っている間に、キッチンに向かう。 フライパンを火にかける。  冷蔵庫から、バターとタッパーを取り出す。  バターのアルミホイルを開けると、切り分けておいた、一カケラをフライパンにそうっと、入れる。  熱せられたフライパンに、バターがじわりと溶けていく。バターのいい香りが鼻の中に広がっていく。  フライパンを円を描くように回し、バターをフライパン全体に広げていく。  タッパーから、ひ

          掌編小説「フレンチとーすと」 3分 #ショートショート #文芸

          掌編小説「角砂糖ってすごいんだから」 #ショートショート #文芸

          「最近、角砂糖って見ないよね。カフェではさあ、スティックシュガーだし、角砂糖なんかおいてないよね。昭和レトロの喫茶店なんかに置いてあんのかなあ。でも、まあ、置いてあっても角砂糖なんか使わないよね」 タカシだとかいうこの男の話はつまんない。この男とは、マッチングアプリでマッチングして、このカフェに入ったばかりだ。  男は最近、流行りのマッシュで、細身の黒のジャケットに、グレーのスラックス、皮のパンプスでシックな感じ。顔はまあまあ、悪くない。  男は、ホットのカフェラテ、私は

          掌編小説「角砂糖ってすごいんだから」 #ショートショート #文芸

          右手首が最近、痛い。腱鞘炎かも。とりあえず、アンメルツヨコヨコ塗ってます。

          右手首が最近、痛い。腱鞘炎かも。とりあえず、アンメルツヨコヨコ塗ってます。

          掌編小説「糖分が足りてません。」 ショートショート 文芸

           私は朝から忙しい。昨日、課長にお願いしていた原稿ができていなかった。課長にあさイチで、「課長、すいませーん。昨日お願いした原稿できていますか?」と尋ねる。  課長は、スポーツ新聞を見ながら、返事もしない。  すっとぼけてやがんな、どうせ、忘れてたんだろと思いながら、一呼吸おいて、 「課長、すいませーん。昨日お願いした原稿できていますかー!」  と少し、大き目の声で言ってみる。隣の席の原田くんが、笑いをこらえながら、くっ、くっと悶えている。    課長は、新聞をデスクに置くと

          掌編小説「糖分が足りてません。」 ショートショート 文芸

          掌編小説 いつもハッピーエンド 「会いたいよ」 ショートショート 文芸

           ああ、なんであんなこと言っちゃったんだろ。ソラ、怒ってるかな。  昨日のこと、何度も、思いだしてしまう。放課後、がらんとした教室で、部活終わりに、ソラと机の上に座って喋っていた。  教室は、夕陽が差し込み、ソラのショートカットをオレンジ色に変えていた。風がカーテンを揺らし、心地よ風が私たちを吹き抜ける。  ソラは、ケントの話ばかりしていた。ケントが髪型を変えてかっこいい。ケントの服のセンスがいい。なんて、私は正直、聞きたくなかった。でも、ソラと一緒にいられるだけで幸せだった

          掌編小説 いつもハッピーエンド 「会いたいよ」 ショートショート 文芸

          掌編小説 いつもハッピーエンド「雨」 ショートショート 文芸

           雨の日は嫌いじゃない。外に出たら服は濡れるし、靴に雨が入って靴下はグチョグチョ。だけど、雨の日は何だかテンションがあがる。  傘をさすと、雨粒がバチ、パチと当たる。家を出る時、いつも、迷う。好きな傘が多すぎるんだ。黒地に白の水玉。黄色のスヌーピーだって可愛い。ラメの入った透明傘は、傘越しに空を見上げると、虹がかかったみたい。  今日は、ラメ入りの透明傘にしよう。  家から駅までは、歩いて15分、坂道を降りて行く。今日は、スニーカーを止めて、最近、買ってもらった、水玉のレイン

          掌編小説 いつもハッピーエンド「雨」 ショートショート 文芸

          掌編小説 いつもハッピーエンド「お母さん」 ショートショート 文芸

           わたしが産まれたのは、田舎の病院だった。もちろん、産まれた時の記憶があるわけじゃない。  施設を出る時、職員さんが教えてくれた。わたしを産んだお母さんはわたしを病院で産んで、次の日にはいなくなっていたそうだ。   病院には嘘の住所のアパートと名前を伝えていたらしい。  施設に預けられ、ある時、職員さんはかなり遠方まで嘘の住所のアパートに訪ねてくれた。  家族に連絡しようとしたら、大家さんにそんな人いませんとバケツの水をかけられたらしい。  テレビのニュースで、パパ活で妊

          掌編小説 いつもハッピーエンド「お母さん」 ショートショート 文芸

          掌編小説 たばこの始末は。 星新一風ショートショート ブラック

           ある国では、たばこは健康を害するものとして大統領により禁止された。  ある喫煙所で、男たちがたばこを吸いながら、ぐだぐだ話しをしている。  「たばこを吸うのも肩身が狭くなたなあ」  「家でも、妻や娘に嫌な顔をされるし、ベランダで吸うと、隣人から苦情がくるし、困ったよ」  「昔はどこでも吸えたもんだよ。電車でも映画館でも」  「たばこも、随分、高くなったし、たばこはもう高級品だよ。たばこの値段を上げても止められる訳ないさ」  「しかし、たばこ嫌いの大統領が、たばこを禁

          掌編小説 たばこの始末は。 星新一風ショートショート ブラック

          掌編小説 スペアみんと SF ショートショート 文芸

           「この星には、何もないんだよ。何も」  ジローハチローが言ったことの意味は分からなかった。  僕は今はわかる。僕たちが必要とされていると。   ぼくは、この星に生まれたのは、今から3年前のことだ。ぼくは隣のジローハチローとすぐに仲良しになった。  ハチローは、僕より半年も早く生まれて運動も得意だった。  ぼくは、まわりの誰よりもハチローとたくさんおしゃべりをした。  食事の時も僕はハチローと一緒にしたし、いつも楽しかった。食事は、いつも同じ栄養食で変わらないし、おいしくなか

          掌編小説 スペアみんと SF ショートショート 文芸