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私の52個のエートル トゥルマンテ ◆42個目◆

◇落ち着かない家◇
後輩のまーちゃんが、ある日唐突に「うちの家なんかインテリアがあってなあんですよぉ。どうしたらいいとおもいますか〜」と相談してきた。
私は「相談する人間違ってる。。。」とすぐさま思った。

まーちゃん曰く、購入したラグが北欧テイストで部屋全体のセンスが崩れてるそう。

でも、私に相談されても困る。なんたって私自身が「センス絶対防御型人間」だから。生まれつきセンスの神様にスルーされていると確信しているし、インテリアなんてなおさら無理。でも、すぐに思い浮かんだ救世主がいた。 ラフィネさん だ。

ラフィネさんは、洋服や小物のセンス抜群の友人で、この話をしたところ、なんとインテリアコーディネーターを目指したこともあるそう。
詳しく相談してみたら、「インテリアの基本は『統一感』ですよねぇ」と。そして、なんと彼女の家の壁紙は全て「オフホワイト」の同じく壁紙で統一されているらしい。

私は衝撃を受けた。え、壁紙って全部同じにするのが普通なの?さらに驚いたのは、彼女は将来的な劣化を見越して、壁紙を多めに注文し、それを屋根裏に保管しているということだ。まさにセンスと計画性の塊。

対して、我が家の壁紙はというと、全部バラバラだ。白っぽいのは共通点だけど、よく見ると模様も質感も違うし、昨年リフォームした洗面室の天井なんて紺色だ。思い返せば、「おしゃれにしてみました」と言われたけど、結果は「なんか独特」に仕上がっている。

そこで家族に「ねえ、どうして壁紙統一しなかったの?」と聞いてみた。
「え?不動産屋さんが色んな壁紙を見せてくれて、『全部選んでいいですよ』って言うから、張り切って選んじゃったんだよねぇ」
まさかの壁紙選び放題で選ぶことを楽しんだだけだった。そして統一感に関してはこの家にすむメンバーは20年以上疑問すら抱いたことがない模様。

その瞬間、私は確信した。 「この家で育ったらセンスなんて育つわけがない」 と。
ラフィネさんの「統一感がないと落ち着かない」という言葉が、家中にこだました。そして改めて家中を見回してみると、壁紙だけでなくタオル、食器、寝具、すべてにおいて統一感がゼロ。さらにはどれも年季が入りまくりで、時代を超越した存在感を放っていた。

そうだ、まずは家族会議を開いてみよう。「家を落ち着く場所に変えよう。まずは統一感を目指そう」と提案してみるのだ。きっと「え?また壁紙選べるの?」と張り切るだろうけど、今度は私が指南役になろう。まずは「統一感とは何か」を一から説明するところから始めてみたいと思う。

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