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アマプラで人気!!劇団ひとり監督「青天の霹靂」の映画感想

あらすじ

 この映画は、コメディーと感動要素を掛け合わせたほっこりする映画である。売れないマジシャンであった主人公(大泉洋)が、父の死の連絡を機に自分が生まれる前の時代にタイムスリップするところから始まる。そこで、マジシャンとして父とコンビを組むことを通して、逃げたと知らされていた母親の真相、父親の人格について知ることになる。

感想(ネタバレあり)

 序盤は、売れないマジシャンである主人公の父親や母親、業界仲間らへの不満、妬みをいうところから始まる。そんな中、警察から1本の電話がくる。「父親の遺骨が見つかりました。受け取りに来てください。」と。父親は、昔母親に逃げられ、ラブホテルで働いて、ここしばらくは疎遠の関係であった。主人公は、そんな父親の急な死の連絡に、ひどくどうしようない気持ち、自分を責めたい気持ちに打ちひしがれていた。これらから、主人公の人生がうまくいっていないこと、主人公への共感心を醸成する感じが伝わってくる。
 そこから、自分が生まれる少し前の過去にタイムスリップする。その時代では、マジシャンが珍しいとされる時代で、スプーン曲げがひどく受けた。そうこうするうちに、ある女性と出会う。その女性は、売れないマジシャンとして活動する旦那をもつ芯の強そうな方であった。主人公はいつしか、その旦那とコンビを組み、喧嘩を交えたマジックお笑いを芸とし、劇場でも人気になっていた。主人公が所どころ、当時の相方、女性に対して、分かるはずもない現代の愚痴をぶつけていている場面があり、クスッと笑え、考えさせられる場面であった。ここの場面から、主人公はすでにこの人たちが自分の母親と父親であったこと、自分がこの時代に来た意味は気づいていたと感じられた。
 しかし、その後、母親の病気が判明する。その病気は、子供を有むと死んでしまうという病であった。旦那は、子供を産むことに反対したが、母親は有無と言って聞かなかった。そこから、旦那は、コンビの相方として活動していた相方主人公にこのことを話し、子供を一人で養っていくために安定した仕事につきたいからとコンビ解散を持ち掛けた。主人公はその時、思った。話が違うと。自分は、母親が逃げたと父親から聞いていたが、真相は、自分を生むために母親は死んだのであったのだ。逃げたというのは、子供気遣うための父親の嘘であったのだ。主人公は、自分が誰からも愛されていないどうでもいい存在だと思っていたが、そうでは無かったのだ。母親、父親の両方の愛があるうえで生かされた影替えの無い命であったことに気付き、現代の生き方に対し、反省と後悔の気持ちに打ちひしがれられる。ここから、ダメな人間、愛されていない人間などいないと感じさせられた。もし、そう感じるのであったとしたら、それは、その背景を知らないだけではないかと感じた。
 そして、現代に戻ってくる。現代に戻ってくると1本の電話がまた警察からかかってくる。「さきほど、父親の遺骨の電話は間違えでした。息子にもう一度会うためのある男性からの虚言であった」と。その直後、主人公が振り返ると、死んだと思ったはずの父親が自分の名前を呼び、立っていたのだ。主人公は、その時、照れくさそうな顔で父親に返事をするのでした。人生は何度でもやり直しができる、自分のためにできているの感じさせられる結末でした。

あとがき

 比較的、見やすい作品で、芸人さんとは思えない構成力と展開と感じました。誰が見ても、ほんのり笑え、感動し、最後は、ほっこりする面白い作品でした。劇団ひとり監督の別の作品もみたくなる映画でした。みなさんもぜひ、見てみてください。

参考資料:監督:劇団ひとり、配給:東宝

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