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のりかなエッセイ241021:ニュースに足りないものとは?白熱教室①

2024年10月21日、23時8分。
ついに3週目だ。
ニュースに足りないものは何かと言う話。
…少し前に、ニュースはそれ自体では不完全なものではないか、
と言うことを書いた気がする。その思いつきについて、今日は考えてみようと思う。
前回は確か、マックのゴミボックスの表記が、燃えるゴミと燃やせないゴミとなっている違和感について考え始めたと思う。燃えるゴミと、燃えないゴミの他に、燃やせないゴミという新カテゴリーが90年代頃にできて、プラやビニールは燃えるゴミだけど燃やせないよ、という区分ルールができた。
燃やせないとは、燃やしてはダメという人間ルールであって、時代や場所によって変わりうるものだ。現に、昭和時代にはプラは燃やしてたのだし、プラを燃やしていいという国は今でもけっこうあるのではないか?ないのかな?知らんけど。
そして今は、プラは燃やしてはいけないだけではなく、理由がない限り使ってはいけないものになろうとしている気がする。
特に理由がない限り、プラのストローやフォークは使えないし、ビニル袋を使うヤカラにはお金を払うというペナルティが課されるようになった。
僕はこのペナルティを払って、今も1枚6円のすぐ破けるビニル袋を使っている。すぐ破けるのもペナルティなのかな?最近値上げしたのも?
僕はどちらかというと保守的な人間で、自分の生活スタイルを極力変えたくないので、ビニル袋を使い続けているだけなのだけど、この先プラやビニルの使用が緩やかに規制されて行ったら、マックのゴミボックスは「燃えるゴミ」一択に戻っていくのだろうか?なんて妄想してみたり。いや、「紙」も貴重な資源だから、容器を使い捨てるということ自体アウトになるかも…。
てゆうか、プラを分けるのってめんどいし、ビニル袋は生ごみを密封したりするのに便利だし、紙のストローはすぐふにゃふにゃになって不快だし、そのときに「なんでこんな我慢しないといけないの⁉」と思うのは当たり前だと思う。戦時中ならこういう時、「欲しがりません勝つまでは」というスローガンを聞いて人々は納得してたのだろう。まあアメリカに勝つためなら多少の我慢はしゃーないな、といって金属供出に協力したりしてたんだろう。でも結局日本はさんざん我慢を強いた挙句に負けたわけで、我慢は無駄になったわけだね…。
なので僕らは、少なくとも僕は、何のためのプラ供出なのか、何と戦っているのか、その戦果、戦況は今どんな感じなのか知りたいと思う。
ところがネットや本で自分で調べると、とたんにわからなくなる。
ダイオキシンはそもそも有害じゃないとか、いやダイオキシンは有害じゃないとか言ってる奴らは陰謀論者だとか、プラは殆どリサイクルされてないとか、いやそんなこと言ってる奴らは陰謀論者だとか、地球温暖化はウソだ、政治利用されてるだけだとか、そんなこと言ってるのは陰謀論者だ、いやいやお前らこそ陰謀論だろ、マジで気候変動は起きている、現に最近の台風ヤバいじゃんとか、いやそれは日本の治水機能が劣化しているせいだとか、実にいろんな議論がある。要するに「どっちの」議論も揃ってるわけだ。
どれでも好きなのをどうぞ、とばかりにバラエティ豊富なわけだけど、僕が欲しいのは正しい奴一択だ。でここれらをいちいち正否を判断している暇はない。だから結局ニュースの言う「事実」を信じるしかないわけだ。
その事実が大本営発表かもしれない、という疑念が湧いても、だからといって広大なネットの海で迷子になるよりマシだろう、と思ってしまう。
疑うよりも信じる方がインスタントだし、というか疑っている余裕は僕にはない。疑うのは贅沢なことなのかもしれない。貧乏暇なし、って言うし。
とはいえ僕は、1日1時間無駄なことを考えてエッセイを書く、というルールを自分に課したので、少し考えてみようと思う。
もう1時間たったけど、もう少し続けよう。

ニュースは中立で、事実のみを提供するものだと一般には言われる。
これに対する反論を考えてみよう。なんかサンデル教授の授業みたいだね。
生徒は僕一人だけど。
生徒のりかなA:「今日、日本で起こった無数の事実の中から、日本人が知っておくべきとTV局が判断した数十個の事実をピックアップして伝えるのがニュースだと思います。視聴者は「TV局の選択・判断」が正しいかを確かめることはできないわけで、ただ信じるしかないという意味で、一種の信仰だと思います。実際、「TV局の判断」を信仰できない人々はネット論客の言うことを鵜呑みにしていて、陰謀論者と笑われているけど、同じではないかな…と。」
サンデルのりかな:「よろしい。よくある意見だね。他には?」
生徒のりかなB:「例えば、次の3つのニュースがあったとします。
①今日からビニル袋の有料化が始まりました。
②地球に優しい、紙ストローの利用が広がっています。
③○○大の教授が、△△小学校で子供達に向けた、地球温暖化に関する授業を開きました。
①~③はいずれも、きちんと裏取りをした事実だと思います。
でもその裏で、プラ規制に従うのは正しいことだという価値判断を暗に伝えていると思います。①は、これは決まったルールだということ、②は紙ストローを利用してない奴はマイノリティで不利になる、③は権威主義による誘導です。あと、教授の言うことを素直に従う子供達をよいこの模範として示すことかな?みたいな感じで、ニュースは事実だけでなく、それに対する価値判断の模範例も提供しているのではないでしょうか?」
サンデルのりかな:「OK。AさんもBさんもシニカルだね。2人はニュースを見ないのかな?」
生徒のりかなB:「いや、私は毎日ニュースも新聞も見ています…。」
生徒のりかなA:「私はたまに。今はピロユキっていうネット論客の番組をおもに観てます。あとポリエモンとか。」
サンデルのりかな:「OK二人とも正直に答えてくれてありがとう。まずBさんに質問だけど、ニュースや新聞をシニカルに疑っている君がニュースを見続けているのは何故だと思う?」
生徒のりかなB:「それは…本当かどうか疑おうとしても、ネットは陰謀論だらけだし、疑うと調べないといけなくなるけどそんな時間は無いから、とりあえず信じてることにしないと生活できないです。ニュースが事実だけじゃなく価値判断も提供しているならむしろありがたいというか。事実だけで、どう判断するかはおまかせ状態だと、明日その話題になったときにどういう表情すればいいかもわかんないし。とりあえず、この話題の時はキャスターが悲しそうな表情してたから、笑ったらサイコパス扱いされるな、間違いだな、ていうのは分かるし。TVのニュースやバラエティで出た話題を話せば、皆見てるから外さないし、リアクションもTVの通りにしとけばやり過ごせる。」
サンデルのりかな:「なるほど、TVは事実だけでなく価値判断の模範解答も提供していると。そしてそれは人々に求められてもいると。では、事実と価値判断の間には、根拠とか理由と言ったものがあるけどそれは?
事実と価値判断には需要があるけど、「理由」には需要が無いのかな?」
生徒のりかなB:「明日話すべき話題と、その話題をふられたときに示すべき態度の正解が分かれば、その結論に至るまでの過程は必要ないのでは?
明日数学のテストに出る問題の一覧と、回答の一覧を丸暗記しておけば、
途中の過程は覚えなくても点数は取れますよね?それと同じです。」
サンデルのりかな:「面白い例えだね。ニュースはアンチョコ集みたいなものか。その例だと、何でその回答になったの?て聞かれたら苦しいけど、どうするのかな?」
生徒のりかなB:「そんな込み入ったこと聞いてくる人ってめったにいないんじゃないかな?みんな表面的に仲良い振りするために問いと答えを発してるだけだし、詳しく詰めてくる奴ってウザがられるよね?適切な話題と、適切な回答を出し合うクイズ番組みたいなものじゃないの?クイズは正解の単語を答えればいいだけだし。何でそれが正解と思ったのか聞かないでしょ?丸暗記しただけなんだから。」
サンデルのりかな:「なるほど、日常会話はクイズみたいなものか。ニュースは明日出る予想問題と、模範解答を短い時間に効率よく提供してくれるから皆見るんだね。そして、別の模範解答を考えたんだけどどう思う?と聞いてきたり、予想とは違うマイナーな出題をしてくる奴は迷惑がられ、浮いてしまう。それが嫌だから、出題と回答を間違わないよう、忙しくても毎日ニュースをチェックするんだね。どうせ一週間もすればその話題自体風化するんだし、「考える」なんて無駄だし「覚える」のに必死でそんな余裕はない。しかしなんだってそんな、クイズを出し合っているのかな?」
生徒のりかなB:「お互いが普通かどうか、チェックしあってるんじゃないかな?集団内に敵というか異常者がいると危険だし。私は異常者扱いされないために毎日ニュースを見てます。Aさんはピロユキが話してた話題を大学の友達に話したりするの?」
生徒のりかなA:「前に、TVの話題についてピロユキはこう言っていたよ、て話したらピロユキってなんかネットの人でしょ?って笑われたので、以来そいつらとは話してません。てゆうか誰とも話さないけど。話すだけ時間の無駄だし。」
サンデルのりかな:「なるほど面白いね。Bさんは普通の人のふりをするゲーム、クイズの出し合いを続けるためにニュースを観続けているけど、Aさんはクイズの出し合いをやめたからニュースを観なくなったのか。しかしそう、Bさんにも質問しようと思ってたんだけど。
TV局もピロユキもそれぞれの独断と偏見で伝えるべきニュースや話題を選んでる。多くの人は前者の価値判断を「正しい」と信じているのに対し、Bさんは後者の価値判断を「正しい」と信じている。その違いは何だろう?」
「といったところで、ついに4,000字超えてしまったので流石に終わろうと思う。サンデルのりかなの素人ひとり白熱教室は次回も続きます!
ではまた♪」





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