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南アルプス南部横断+富士山トレイル(平岡駅~笹子駅)2024.11/13~15
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【南アルプスを横断する渋めのライン】
南アルプスに公共交通機関で行くのが大変なのは周知の事実だが、特に南部それも西面に行くのは登山そのものより大変だったりする。
今回の山旅のアクセス駅であるJR飯田線平岡駅へ辿り着くには我が家からは7時間もかかってしまうという有様で、それだけでひとつの旅を終えた感すらあった。
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終電でようやく到着した平岡駅が23時。
早速登山口までの18kmのロードを走り出すが11月中旬とは思えない暖かさですぐに汗だくになる。
途中道の駅遠山郷で水補給したあと本格的に山に分け入っていく。
南アルプス南部という所は広大な山裾の奥深くまで集落がありこんな山奥に人が住んでいるのかと驚かされることが多々あるが、今回もかなり奥に入った場所にポツンと家があったりでどんな人が住んでいるのかと想像力を掻き立てられる。
池口岳までの登山道は落ち葉の堆積もありかなり不明瞭なところもあったが注意深く進めばそれほど難しくはない。
それよりもガスが沸き始め夜露と樹上からの水滴が厄介で早々にレインウェアを着込んだ。
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池口岳に6時到着。
やっと明るくなってきて睡魔から解放された。
相変わらず判然としない道が長々と続き、厳しい急登のあとようやく光岳の山頂につくことができた。
時計を見ると9時過ぎでこの頃になるとかなり強い風が吹き始める。
当然視界はゼロ…うーむ予報では快晴のはずなんだけどな。
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光岳からは高速道路のように明瞭になった登山道を茶臼岳までひたすら進む。
静高平の水場で補給、水たまりでは薄氷が張っていた。
時折視界が開け晴れそうになるのだが結局稜線にいる間はずっとガスが晴れずに終わってしまった。
茶臼に近づくに風は更に強まりなかなかの危険な状態に。
赤石岳など3000m級の稜線を縦走していたらさぞかしひどい目にあっていたことだろう。
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茶臼岳山頂に12時に到着し写真だけ撮ってすぐに下山。
茶臼小屋でも水補給だけしてさっさと降りる。
下山するにつれ風も収まり晴れてきて午後の陽光が紅葉を鮮やかに照らす。
ようやく山を楽しめる余裕が戻ってきた。
稜線は冬のようだったが中腹からはまだしっかりと秋の穏やかな時間が流れていた。
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畑薙ダムには15時過ぎ。
しばらく湖岸道を走って青薙山登山口から次なる笊ヶ岳を目指す。
だが登山口から池ノ平までの最初の登りがかなりの急登ザレ斜面でじわじわと体力を削ってくる。
ちょうど暗くなったころ這う這うの体で池ノ平に到着しこの日の行動を終了。シェルターを張った。
ここは名前の通り山中の小さな平場からこんこんと水が湧いてるという不思議な場所で、あたりの疎林も相まってなんだか神秘的な空間だ。
粗末な食事を済ますとさすがに眠くなりこの夜は泥のように眠ってしまった。
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翌日は少し寝坊して5時出発。
落ち葉で分かりづらい登山道をロストしないように慎重に登る。
赤崩ノ頭で夜が白み始め昨日はガスに覆われていた南アルプスの大パノラマが。
昨日登った茶臼、その横に聖、赤石…やっぱりいいねえ南アルプス。
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美しい原生林の中を青薙山、稲又山と進むが地形も樹相も変化に富んでいて楽しい。
2万5千図には登山道すら書かれていないバリ扱いのルートだが、沼平から茶臼岳に登る大人気ルートに比べてまったく遜色ない。
いやこちらのルートの方が格調すらある。
結局登ったその先にあるのが白根南嶺という地味な山々ということで不遇なんだろうな。もったいないことだ。
しかし所の沢越の手前には造林小屋の残骸などが残っており酒瓶なども転がっていた。
かつてはこんな山奥に人が寝泊まりして働き、酒を酌み交わしていたんだなと思うと少し胸が熱くなる。
白根南嶺はこうしたかつての人々の営みがここかしこに色濃く残る場所だ。
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布引大崩れの崩壊地を右手に見ながらの急登を登り切るとやっと布引山山頂だ。
南アルプス横断というだけならこのまま下山してもよかったが布引山は樹林に囲まれて一切展望ナシ。
この好天でそれは余りにももったいないので笊ヶ岳まで足を伸ばす。
しっかりと360度の大展望を満喫した。
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老平までの下山は山を降りて沢床に降りてからが核心だ。
特に怖いのは何年も前からまったく変わらず半崩壊したままの橋がいくつもあり、これらの通過はもはやロシアンルーレットといってよい。
こんなに入山者が多い山なのに直す気はないようだ。
今回も冷や汗をかきながら渡橋したがこの橋のせいだけで笊ヶ岳には登りたくなくなる。
老平からは下部温泉まで20km弱のロードで早川沿いの県道を走るのだが、谷間の陰鬱さと砂防工事やらリニア工事の大型車がひっきりなしに往来することでかなりの苦行。
下部温泉で食べる晩メシのことだけ考えてひたすら乗り切る。
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ようやく辿り着いた国道沿いのラーメン屋でチャーシュー麺と餃子、コンビニでは行動食などを補給。
JR下部温泉駅を越えて次なる目標の天子山地を目指す。
この日は毛無山の登山口でビバーク。
鹿やらタヌキやらでなかなか騒がしい夜だった。
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3日目は4時出発。毛無山への闇夜の登山道を黙々と登る。
毛無山に着くころ辺りが明るくなってくる。大雲海の広がる快晴のなか富士山が目の前にドーン、後ろには昨日越えてきた南アルプス…とても贅沢な眺めだ。
不思議なことに毛無山から雨ヶ岳に連なる稜線の間だけ笹が生い茂り、夜露のおかげでレインウェアを着込んでもシューズの中がびしょ濡れになってしまった。
この時期は乾燥していて普段なら夜露などないのだがやはり季節がおかしくなっているのだろうか。目の前の富士山も真っ黒だ。
天子山地から御坂山塊にかけてだがとにかく細かいアップダウンが多く岩場・鎖場の連続で体力を削がれる。
おまけに水場が少ないのも厄介で今回は女坂峠下の水場まで30分かけて往復した。
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そうこう難儀している間にいつの間にか富士山が見えなくなりあたり一面曇り空になってしまった。
三方分山に11時、王岳13時半、黒岳が17時と時間が過ぎ稜線はすっかり濃霧に覆われてしまう。
再びレインウェアを着込んでヘッドライトを装着。
目の前に照らされた登山道をガスで見失わないようにすることだけを考えながら注意深く進む。
GPSがなければかなり大変だっただろう。
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清八峠から主稜線を外れ下山を開始してようやく濃霧から解放され安堵。
登山口から真っ暗なロードをひたすら走り20時過ぎに笹子駅に到着した。
今日も16時間行動。長い旅が終わった。
これで今年のアルプスは本当に終わり。
来年戻ってくるまでに更に強くなってまた帰ってこよう。
【装備】ベースウェイト4.45kg
<ギア>
パーゴワークス・ラッシュ30
ヘリテイジ・ストックシェルター
モンベル・ドライ シームレス ダウンハガー900 #1
モンベル・ULフォールディングポール113
エマージェンシーシート
スントコア
<アイテム>
エバニュー・ウォーターキャリー2L
ペツル・スイフトRL
プロテクトJ1
テーピング
Shokz・OpenRun
薬(バファリン・ガシンサン・絆創膏)
歯ブラシ
サングラス
BEFREE
熊鈴
日焼け止め
耳栓
モバイルバッテリー10000A
ダイソースプーン
ペットボトル500ml×2
地図・コンパス
<シューズ>
アシックス・ゲルトラブーコ12
<ウェア>
パタゴニア・ダックビルキャップ
BD・ビーニー
パタゴニア・フーディ二ジャケット
モンベル・クロスランナージャケット
ファイントラック・ドライレイヤーウォームT
TNF・バーブライトランニングパンツ
モンベル・メリノパンツ
インナーファクト・5本指ロングソックス
ファイントラック・ドライレイヤーアームカバー
サロモン・ボナッティウォータープルーフミトン
R×Lマルチグローブ
Buff
ファイントラック・ポリゴンULジャケット
ファイントラック・ポリゴンULパンツ
モンベル・ウェストウォーマー
爪先ソックス
着替え
<食料・補給>
粉末麦茶
Huel
アルファ米
アミノバイタルゴールド
カロリーメイト
ラムネ
塩熱サプリ