
45. 乾燥、いろいろ。
午前中、切干しを作ろうと思い、大根を短冊に切ってざるに並べ、
外に干しておいた。
午後、いつのまにか風が出てきて、気がつくとざるがひっくり返っていた。
うわあ。大根散乱。
仕方なく散らばった大根を集め、小さなゴミを洗い流し、もう一度干すことに。
やれやれと思いつつ集めながらも、自然の乾き具合は手にいい感じ。
でももう風はごめん。今度は室内干しに。
乾燥して保存するという知恵はなかなかで、栄養価も増すらしい。
栄養のことはよくわからないが、少なくとも食感や味などは生の時とは変わって、別の食べ物のように楽しめる。
採れた食材を大切に使う、ということを超えて、付加価値を追求していく乾燥ジャンル。
さまざまな乾燥モノにチャレンジして、意外なものまで干していく、そういう人間の探究心、好きですね。
昔、古文で「かれいい」というものを知った。
炊いた米を乾燥させて旅に仕事に持って行く。
それを水やお湯で戻して食べたらしい。
おいしいイメージは全くないし、それでお腹が満たされるとも思えない。
昔の人だってそこは同じだろう。
しかし、乾燥という技術によって行動範囲が飛躍的に広がったことについては、相当ワクワクしたのではないだろうか。
さて、その室内干しでしんなりした切干し大根と油揚げとにんじん少し。
軽く煮て、めんつゆでお手軽に味をつける。
こんな短時間しか干してないのに、やっぱり食感が変わっていい感じ。
いつも切干し大根を作ると、保存食を作ったという満足感でいっぱいになるが。
でも、結局しまったままで使わずに終わったことの何と多かったことか。
今回、保存食を保存しようなんて思わず、たまたますぐ使ったら結構おいしいことを発見。
まあ、その世界ではこういうことは当たり前のことなのかもしれない。
でも、何かで知ったのでなく、自分でそれに気づいたことが自分としてはすごくいいわけよ。小さなことながら。