見出し画像

映画感想「五億円のじんせい」

幼少期に五億円の募金で心臓手術を行い、命を助けられた主人公・望来(みらい)
周囲の期待に応えるために清廉潔白に生きなければと思うが、自分の人生に五億円の価値があるのかと
SNSで自殺を仄めかすと、「与えられた五億円を稼いでから死ね」とメッセージが届く
ミライは五億円を稼ぎ、死ぬために家を出る

その道中でこれまで大切に育てられてきたミライには想像もしていなかった世界に飛び込んでいく
ホームレス、日雇いの仕事、風俗、裏バイト…
命の危険に直面しながら、多くの人との出会いを重ねる
そうした経験を通して得たものとどう向き合うのか


あらすじとしてはこんなところでしょうか
自分の人生に五億円の価値があるのかと問われ続ける環境はなかなか難しいです

どういった結末を迎えるのかはネタバレになるので控えるとして
印象に残った場面を挙げていきますか

・善意は時として人を苦しめる
ミライの周囲の人々は母親も含め、基本的にミライに肯定的です
まぁ166回もミライ君の会を開いちゃうのは度が過ぎていますが
でも彼ら彼女らの気持ちは基本善意です
その善意に対して期待に応えなければ(裏切る勇気がない)ミライは苦しみ、自殺を考えるに至るわけです
悪意であれば反発も出やすかったかもしれませんが、善意なのがまた難しい


・優しさとは
劇中でミライの命を救った、裏社会の人間がいました
その彼のセリフ
「世の中には優しい奴とそうじゃない奴がいるんじゃない
 優しくしてやりたいと思わせるやつと、そうじゃないやつだ
 お前(ミライ)は優しくしてやりたい奴だよ」
このセリフは印象的でしたね
後にミライもこのフレーズを使っています

ミライはとても裏社会にいるような人間でなく、これまで善意の中で生きてきたこと、自身も清廉潔白に生きようと努めてきたこともあり、純真な青年といえます
その彼の人間性が多くの場面で自分を助けていたので、この言葉も重みも伺えます

助けてくれた人間も裏社会の人間が多く、決して根っからの優しい人とは言い難いかもしれません
その人々に助けられたのは人徳と言えるのではないでしょうか


もうちょっと踏み込んだ感想もいきたいところですが、ネタバレが多くなりそうで本意ではありません
ここで本作を知った方に見てもらいたいので、このくらいにしておきます
ラスト色々綺麗に回収していく流れも個人的に好きでした

ミライは五億円を稼ぎ出せたのか
その道中、結果で何を得たのか
それをもってして、誰かに影響を与えられたのか
そしてミライは自身の人生に五億円のじんせいを見出せたのか

ぜひ本編を見てみてください
自分はAmazonプライムビデオで観ました
他のサブスクでもやっているかもしれません

それでは今回はこの辺りで
読んでいただきありがとうございました

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集