見出し画像

彦坐王の血統⑬萱野神社・治田神社・石坐神社(滋賀南部)

 「彦坐王(日子坐王:ひこいます王)」の一族について伝承を調べています。この「彦坐王」は 開化天皇(9代)の皇子ですね。
 
 琵琶湖の南端にも「開化天皇(9代)」の皇子である「彦坐王」にゆかりのある神社がいくつかありますので、ここで紹介します。


<萱野神社>(かやのじんじゃ)

九帝王宮・九帝王社  : 素敵な名前がついています。

所在地:滋賀県大津市
 駅の裏にある きれいに手入れされている 素敵な神社でした。
 駐車場もあります。


御祭神:開化天皇(9代):九帝王大明神

※明治2年以前は開化天皇の子5人の中から3人と彦坐王命の子1人の五柱を奉祀していた。


御由緒:
 彦坐王命の第四世に当る治田連が、淡海の国造としてこの地に居住し、専ら栗太一円の墾田開拓の事に当り、土地の開発と人民の生息の基盤を築き、治田一族の遠祖である第九代開化天皇の神霊をこの地に斎祀して此の里の守護神として仰ぎ奉ったのを始とする。
 時に雄略天皇6年(西暦462年)の事である。古来より九帝王宮・九帝王社としていたが、明治3年萱野神社と改められた。


明治2年以前に祀られていた御祭神の五柱に該当するのは?
境内にある「御由緒」を見ると次のようにある。
 ・開化天皇
 ・彦坐王 (開化天皇の皇子)
 ・観松姫 (開化天皇の皇女)
   ※「古事記」記載の御真津比売?
 ・武豊葦判別 (開化天皇の皇女)
   ※「古事記」記載の建豊波豆羅和気王?
・大筒城真若王命 (彦坐王の皇子)
   ※「古事記」記載の山代之大筒木眞若王?


 

<ちょっと考察です>

【1】この地を治めていた「治田連」が「彦坐王命の第四世」にあたるということは、
開化天皇(9代)(彦坐王の父)
 ー彦坐王
 ー〇〇(彦坐王の子)
 ー〇〇(彦坐王の二世孫)
 ー〇〇(彦坐王の三世孫)
 ー「治田連」(彦坐王の四世孫)
ということになる。

ここ系図の中の(彦坐王の子)は誰か?
当神社では(彦坐王の子)の中でも「山代之大筒木眞若王」だけを祀っていることから、「治田連」は「山代之大筒木眞若王」の子孫と推察する。

 つまり、
開化天皇(9代)(彦坐王の父)
 ー彦坐王
 ー山代之大筒木眞若王(彦坐王の子)
 ー〇〇(彦坐王の二世孫)
 ー〇〇(彦坐王の三世孫)
 ー「治田連」(彦坐王の四世孫)
ということになる。


【2】開化天皇(9代)の子の中から、3人だけが祀られている。
  どういうことでしょうか?

 この3人だけが実在していたということでしょうか?
 それとも、この3人は真若王とゆかりが深いということでしょうか?


<治田神社> (はるたじんじゃ)

所在地:滋賀県草津市
 きれいに手入れされていますが、少しさみしい感じの神社です。

御祭神:
開化天皇(9代)
・彦座命
・饒速日命

御由緒:
 雄略天皇六年、この地方の開拓者治田連彦人が祖神として、「開化天皇」とその皇子「彦座命」の神霊を勧請したのに創ると伝えられる。
 神社の西北にある駒形南笠古墳二基も治田氏に関係のあるものと考えられ、文化年代には二十二丘の古墳があったことが栗太志に記されている。
 明治四十四年村社に列し、同年天神社の祭神饒速日命を合祀した。


<石坐神社>(いわいじんじゃ)

所在地:滋賀県大津市
 きれいに手入れされている素敵な神社でした。
 市街地にあり、神社の前の道路は狭いですが、縦列駐車できるスペースはありました。


八大龍王宮の御祭神:
海神豊玉比古神(神武天皇御祖父神)
彦坐王(開化天皇第3皇子)

正霊天王宮の御祭神:
 天智天皇(天命開別天皇)
 大友皇子(弘文天皇)
 伊賀宅子媛(大友皇子御生母)

奥宮・御霊殿神社の御祭神:
石坐大神  八大龍王神



御由緒:
近江国造である治田連の祖霊神である彦坐王だけを祀ったのが起源とされる。江戸時代には八大龍王社(はちだいりゅうおうしゃ)と呼ばれて水神として広く信仰を集めたといいます。

 WIKIには、「壬申の乱以降は表向きは八大竜王を祀っていたが、ひそかに天智天皇・大友皇子・伊賀采女宅子を祀ってきた」ともある。




彦坐王の石像がありました。

<まとめ>

 ここで紹介した 滋賀県南部の3つの神社 (萱野神社・治田神社・石坐神社)は、いずれも「治田連」が祖神として「彦坐王(日子坐王)」を祀った神社でした。



そして、神社の祭神から以下のようなルーツを推察しました。
開化天皇(9代)(彦坐王の父)
 ー彦坐王
 ー山代之大筒木眞若王(彦坐王の子)
 ー〇〇(彦坐王の二世孫)
 ー〇〇(彦坐王の三世孫)
 ー「治田連」(彦坐王の四世孫)


畿内北部には「彦坐王」にゆかりのある神社が本当に多いです。


いいなと思ったら応援しよう!