経営は繋がっている
体の中は繋がっている
私達の体の中で腎臓は血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出してくれています。また、体に必要なものを再吸収し体内に留める働きもしています。
では、ご自身で運動をしている際、酸素不足かなと思ったときは、何をするでしょうか。
大きく息をする、酸素カンプセルに入る・・・。
実は、体内に酸素が足りなくなると、それを察知するのは「腎臓」で、EPO(エポ、正式にはエリスロポエチン)という物質をさかんに放出します。この物質は、「酸素がほしい!」という腎臓からのメッセージを全身に伝える、いわば“メッセージ物質”です。EPOは血液の流れに乗って全身に広がり、骨に受け取られます。骨の内部、「骨髄」では、酸素を運ぶ「赤血球」がつくられています。ここにEPOが届くと、赤血球が増産され、体中に効率よく酸素を運べるようになるのです。
腎臓は血液を濾過するだけでなく、他の臓器と繋がり様々な働きをしています。
他にも例はありますが、私達の体の中は繋がって機能しています。
経営も繋がっている
実は、会社も同じだと思っています。
人事制度を変える、研修を行う等は他と連携して考えられているでしょうか?
古い事例ですがわかりやすいので、例えば組織の活性化を図るために人事制度に目標管理制度が遅ればせながら導入されることになったとしましょう。
しかし、そうなりますとまず目標が必要となります。製造なら原価や稼働率つまり原価制度や稼働状況のデータが必要となります。
小売で売上高を上げようとなっても、売上高=来店者数✕購買率✕購買単価ですので、これを調べないと手のうちようがありません。
では、現状がわかればできるのか?
現状が把握できたとしても、目標を設定するのであれば経営計画や部門計画が必要となりますし、何に注力するのかという面では方針が必要となります。
例えば、薄利多売で行くのか利益追求で行くのか?
今までとは異なる利益追求で行こうとなれば、売上高を発表している会議のやり方を変えなければなりませんし、経営計画や個人目標の設定も変えなければなりません。
営業のやり方やマネジメントのやり方、研修も見直す必要があります。
会社で何かを変えようとするのであれば、一つだけ変えるのではなくすべてつながっていることを理解し全体の変革スケジュールを考えなければなりません。
しかし、会社が大きくなると各部門がそれぞれ方針を考えるので、連携した取り組みとはなりません。
コンセプトを創造する
それを打破するために必要になるのはコンセプトです。
コンセプトは、進むべき方向を直感できるサーチライトと言われるようにこれが明確であれば、なにをすべきかが明確になるものです。
例えば、LCC(格安航空会社)の先駆けとなったサウスウエスト空港のコンセプトは「空
飛ぶバス」です。このコンセプトであれば、バスのような利便性と低価格に向かって行動
すれば良いことがわかります。
逆にフェイクコンセプトというものがあります。
これは世の中に溢れています。
例えば、「プレミアムな車」、「顧客が喜ぶ物作り」などは、直感的に進むべき方向がわからないものはコンセプトではありません。
明確なコンセプトを打ち出し、それを基に各部署が連携し具体策が順番に展開されていく・・・そうでなければ縦割りの組織による単発の具体策が意味もなく行われることになります。