映画【推しの子】 The Final Actを観てきた
ミニCDキーホルダーかわいくて買っちゃった。
漫画原作の実写化は賛否で言ったら否のほうが多そうなイメージありますが、ドラマ版推しの子は実写版としてかなり力を入れているなと感じるし、出来もかなり良いと思います。
特にキャストの方々は素晴らしい演技だった。(誰目線)
私は有馬かなちゃんがめちゃくちゃ好きなんですが、有馬かな演じた原菜乃華さんの再現度は素晴らしかった。有馬かなオタクとして大感謝を伝えたい。
前置きが長くなりましたが、本題。
あ、普通にネタバレ注意です。
映画版だけを観ても成り立つような構成
成り立ってた…と、思う。成り立ってたかな…?
原作を読んで→ドラマを見て→映画観にくるという人ももちろんいると思うけど、映画だけを観る人もいると思う。
そういう層への作り方なのかな?というのが1番の感想。俳優目当てで来る人もいるだろうし、特にカミキヒカル役は二宮和也さんですしね。
なんかここら辺は、原作でもあった「映画制作の裏側」を感じざるを得ませんでした。
映画として作るからには莫大なお金がかかるし、借りた金を返す必要があるんだよ、と鏑木Pも言ってた。
そこら辺の事情をすごく感じましたかね…。
アイの描き方の違い
映画版では、原作にないアイの幼少期のシーンやセリフ等が追加されていました。
それが意外と良かったというか、映画としてまとめるためにいい働きをしていたなと思います。
①母親からの虐待のシーンでは、「うるさい!!」と怒鳴られながら食事をひっくり返され、アイは床に落ちたご飯を集めて1人で食べる。
ご飯を噛んだ時に、割れた食器のカケラが入っていたらしく、怪我をする。
この経験から、ララライのワークショップ時にカミキヒカルに「ご飯って好きじゃないんだよね。ご飯って柔らかいから、砂とか違うものが入ってるとすぐわかっちゃうし」と話す。
②実母から怒鳴られたことを、夜間泣き止まないルビーに対して同じことをしてしまうというシーンもありました。
③死ぬ直前、「こんなにも死にたくないと思う日がくるなんて」「全部あいつのせいだ」というセリフの追加。
①、②に関しては、映画版ではアイの「母親」としての側面を強調していると感じていたので、それに一役かったのかなと。
リアルですね。やられたことは自分もやってしまう。
特に印象的だったのは繰り返し出てきたこのセリフ。原作にもある。
「なんにせよさ、元気に育ってください。母の願いとしてはそれだけだよ」
このセリフ、劇中で4回くらい出てきた気がする。たぶん。
母親としてのアイの願い、母親らしさ、そこにけっこうフォーカスされていた気がします。
③に関しては、原作ではアイはカミキヒカルを曲がりなりにも愛していたというか、許していた、という考えにルビーがたどり着くまでにかなりの時間を要したので、映画の尺的にこのセリフを入れてこのセリフの真意をルビーが汲み取るという形でおさめたのかなと。
限られた時間の中でこの話をまとめるのがいかに大変かは想像に難くない…。
カミキヒカルの描き方にはちょっとモヤ
私のカミキヒカルの印象は「アイに固執し、信奉し、執着し、永遠のものにしたい人」です。
振られた腹いせってのもあるけど、それ以上にアイに依存していたのかな。
アイを永遠のものにするために、同じようにアイに執着していた人間を唆したり、アイを超えうる人間を消したり。
自分は手を下さないタイプのサイコパスなんだろうなと。
しかし映画版のカミキヒカルは「自分の命の重みを実感するために、有能で才能ある命を奪う」という、遊び感覚で人殺すタイプのサイコパスに見えました。
この「命の重み」っていうのは上原夫妻の心中から始まった、ひいては上原夫人からの性暴力からと原作では描かれていますか、尺の関係か上原夫妻や姫川大輝の件が入ってなかったため、本当の意味で彼が抱えていた「命の重み」とは質が違うのだろうなと感じました。
あとニノこと新野冬子を出さなかったことも、カミキヒカルの解像度を下げた1つの要因かなと思いました。
個人的にニノの精神性は好きというか、アイが置かれていた状況やアイの精神を理解する上で外せないのかなと思ったので、カットされていて残念でした。
今を生きろというメッセージ
ある意味映画版のテーマはシンプルだったのかなと振り返って思います。
転生したアクアとルビー。
復讐のために生きたアクアと、前世では叶えられなかった夢を叶えるルビー。
でも普通は転生なんかしない。
人生は一度きり。
今を大事に生きてほしい。
そういうメッセージが伝わってきました。
有馬かな卒業ライブでも歌われたshining songにも、「自分自身の人生を 歩いていこう」という歌詞があります。
アイが繰り返し言った「元気に育ってください」と、「自分自身の人生を」という言葉から、映画版推しの子の伝えたいことはシンプルだったなと思います。
もはやそれはそれで良い気もします。
推しの子という作品の、というか作品の解釈は人の数だけあるだろうし、映画版の解釈はこれだったんだな、と思います。
アイドル有馬かな卒業ライブ
もはやこれを見に行ったと言っても過言ではない。ちょっと推しの話なので過激かもだけど許してね。
元々有馬かなオタクなので実写化にかなり不安がありましたが、実写版有馬かなは再現度が高くて、普通にっていうかめちゃくちゃ好きです。もはや有馬かなという概念は揺るぎないのだなと感じた。
原作ではルビーの圧倒的なアイドル力に到底及ばない、嫉妬も妬みもあるし、自分は本当は役者がやりたい、センターなんて無理、とかなり葛藤も描かれていました。
が、実写版有馬かなは全然センター張れるレベルじゃね…?
ドラマ版でも思ったけど、普通にセンターで違和感がなかったです。歌も上手いし、アイドルらしさがよく出てる。
そして卒業ライブ。
これはもう主役が有馬かなだからってのもありますが、有馬かながセンターで間違いないなって思っちゃいました。
むしろ2人になったB小町、やっていけるんか…?まあ原作ではやってけてたんですけど。
B小町が実在していて有馬かな卒業なら、私はB小町ファンを降りますね…。有馬かながいないB小町なんてB小町じゃない!!とかSNSで書きまくって降りるかもしれん。いや、そこまではしないか。
役者さんのことを詳しくは知りませんが、実写化という点において、有馬かな役の原菜乃華さんが圧倒的だったのかなと思います。ファンの色眼鏡かもしれないけど。
だから、かながルビーに本音を暴露するシーンも無かったし、必要なかったのかな。あれを入れるには、ルビーの圧倒的感が足りてないなと思います。
いろいろ複雑な感情も抱きましたが、観に行ってよかったなと思います。
見届けられたって気持ちが大きいですかね。
総じて良質な実写化になって嬉しい。
B小町のMVやライブ映像は5億回くらい見ます。
追記
実写B小町、主に有馬かなちゃんについて書き足りなかった思いの丈を書きました。
続・追記
2回目も観てきた。