お金ってなんだろう
先月の初めから、私は定職についていない。仕事をしなければ、お金は稼げない。上京して間もない頃は、こんな大都会・東京で無職の自分なんて、想像することなど出来なかった。しかし不思議なもので、今の状態に不安は感じていない。これから経済恐慌がやってきて失業者がさらに生まれる…という話もあるが、私の中にはどこかで「無くなるのはお金だけだから…」と居直っているところがある。
気学においてお金とは「人の悦びと引換えるもの」だと捉えられている。今年が七赤金星というお金にまつわる星、ということもあり、この意味を考える時間が増えた。その結果、お金の存在は気学的に、より良く生きるための最優先要素とされていないことに気がついた。人生を便利に、楽しく生きるためには必要なものだけれど、お金そのものがなければ生きられないとは説かれていないのだ。
本来お金というものは、物々交換だった時代に、取引をよりスムーズに、便利にするために生まれ、今に至っている。私たちはお金の便利さゆえにいつしか、これが無くなると困る、生きていけないと思い込んでしまっているのではないだろうか。特に今のような状況では、多く持っている人であればある程、失うことを恐れ、不安に駆られているように思える。大切なのはお金そのものではなく、お金と共にある感情やエネルギーである。それが「悦び」のもとにあるのかどうかが問われている。
私の手持ちは決して多くないけれど、こんな時だからこそ誰かを支えたり、少しでも笑顔や感謝がダイレクトに交換し合えるような商品にお金を使いたい。今年に入ってから世界的に起こっている出来事は、お金=「兌換券」すなわち、人生における悦びとの引換券であるということの意味について、私たちに再考を促すために起こっている、そのように思えてならない。