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抑圧と結果にこだわる危険性

先日、帰省に際して大学受験真っ最中の甥っ子と久々に会い、色々話しました。
ちょっと甥っ子自慢も入るかもしれませんが、まぁ聞いてください(笑)

受験生の甥っ子

甥っ子は私の姉の長男で、中二の妹がいます。そして姉は、10年ほど前に離婚していて、シングルマザーとして、仕事をしながら2人を育てていて、尊敬すべき姉です。

甥っ子の高校は、県でもトップクラスの進学校で、頑張って育ててくれている母親のためにも、勉強を頑張って、中学でもトップになり、ピアノもコンクールに参加するほど得意で、ドラムやベースなど、音楽にも精通しています。運動はそれほどですが、芸術肌の秀才じゃないかと思っています。

姉はシングルマザーということもあり、お金に余裕はないので、それを察してか、甥っ子は塾にも行かず、進研ゼミも取らず、自力で中学トップになったこともあり、県でもトップクラスの高校に入学しました。しかし、高校では中学とは違い優秀な生徒が多いため、思うようにはいきませんでした。後から聞くには、思うように成績が伸びず、悩んでいたり不安もあったそうです。
それでも塾にも通わず、勉強を頑張り、教師になる目標を持って、国立大学を目指して頑張っています。

1月にはセンター試験がありましたが、センター前の1ヶ月間、食事時以外はテレビは観ず、スマホも親に預けて勉強に集中していました。その成果もあって、センター試験の結果はまずまずで、希望する大学へも王手と言えるかもしれません。25日にはその試験があり、3月に入れば結果もわかりますが、やはり、ストイックに勉強してきたことで、先日感情が爆発してしまったそうです。私が会った時には、いつもと変わらない甥っ子でしたが、姉とはバチバチにやりあったそうです。

受験生ならわかることかもしれませんが、色んな不安やプレッシャーがありますよね。正直、誰の為に受験しているわけではなく、自分の為ではありますが、学校へ通うのもかなりのお金がかかります。かく言う私も、親からは「うちにはそんなに金はないから国公立を目指せ」と言われ、高校でも底辺だった成績から、かなりのプレッシャーがありました。色々あって、私立に行かせてもらうことになりましたが、親にお金を出して貰う以上、気を使わない訳はありません。

特に甥っ子の場合は、私以上にプレッシャーがあったのでしょう。それでも、頑張って勉強をしています。

私にとっては、もちろん合格して欲しいですが、結果がどうなろうと、それが本人にとって必要な現実になると考えているので、落胆することはありません。自分に養育義務がないから言えることかもしれませんが。それでも、本人がどう思うと、関係はありません。ただ応援し、できることをするまでです。

抑圧の危険性

今現在受験に臨んでいる人や、これから望む人。就職に臨む人もいると思いますが、このプレッシャーという抑圧は、とてつもないエネルギーがあります。人格を歪め、人生を大きくかえるエネルギーがあります。良い方向に働けば、いつも以上の力を発揮したり、ゾーンに入ることもあるでしょう。しかし、大帝の場合は、悪い方向に働きます。ノイローゼになったり、うつ病になったり、人格が破綻して引きこもりになったり、多重人格者になったり、自殺してしまったり。受験ノイローゼで自殺する学生のニュースがあったりしますが、なんて勿体無いんだろうと思ってしまいます。

受験は学生にとっては大きなイベントかもしれませんが、死ぬほどのことではありません。これに関しては長くなりそうなので、別の機会に取り上げたいと思いますが、強いプレッシャー、「抑圧」というものは、死という結果を招くほど、強いエネルギーを持っています。私が好きな『化物語』という作品では、その「抑圧」から、「怪異」と呼ばれるお化けのようなものを生み出し、とんでもないことになって行くのですが、ゴムやバネのように、圧縮することでその反動で大きく伸びたり跳ねたりすることができます。しかし、それが強過ぎると、潰れてしまいます。

学生という経験の浅い若い場合は、その加減がきっと難しいでしょう。もちろん、大人でも難しいですが、純粋で真面目な人ほど、プレッシャーを全て受け止めてしまう傾向があるのではないでしょうか。だからと言って、プレッシャーがないと、人間は基本楽をしようとする生き物なので、必要なことしかしなくなりがちです。心地よいプレッシャーというのも変化もしれませんが、適度なプレッシャーは、自分を大きく成長させます。しかし、過度なプレッシャーは自分を潰してしまいます。

その為に、過度に感じてしまう前に吐き出したり、発散させることが必要です。プレッシャーもストレスもそうですが、それによって潰れてしまうほど、目の前のことは重要ですか?自分を見失うほど苦しくて辛いのであれば、一度立ち止まって、考えてみてください。張り詰めた糸が切れるのは難しいことではありません。自分の限界を知るには、一度くらい切れることも必要なのかもしれませんが、プレッシャーやストレスを感じながらも、自分の力を最大限に生かせるのはどの程度かを知り、上手くガス抜きして、死ぬなんて勿体無いことはやめてほしいです。

結果を求める危険性

特に思春期には、「結果」「答え」を求める気持ちが強くなると思います。結果が出なければ価値はない、答えがなければ意味がない、そんな風に考えがちなのかなと思います。私自身もそうでしたが、甥っ子が苦しんでいたもう一つには、「結果が出ない」ということへの焦りと自責の念があったようです。どれだけ頑張っても、成績が伸びない、他の生徒に勝てない、そのような「結果が出ない」状況が続けば、焦るのは当然だし、どれだけ頑張っていても皆はもっと頑張っている。自分は全然頑張れていない、と自分を責めてしまうのも仕方ありません。ただ、そうやって追い込んでしまうと、余計なプレッシャーも生み、間違いなくキャパシティーオーバーになって、爆発するのは目に見えています。

きっと誰でも経験したことはあると思いますが、私も、社会人一年目の時に、どれだけ頑張っても毎日怒られて認められず、何よりそんな頑張っている自分を認めてあげることもできず、とても苦しんだ時期がありました。辛くて悩んでいた時に、自分と向き合う機会があり、頑張っていることを認め、そんな自分を褒めた時に、とても心が軽くなったことがありました。

仕事においても、結果を出すことは必要なことで、結果を出せる人が、仕事ができる人と言えるかもしれません。しかし、結果を出すことだけにこだわったり、答えだけを求めていたら、大切なものを見過ごしてしまうと思うのです。過程にこそ、本当の価値が眠っているからです。だからと言って、過程だけを重視するのでもありません。結果の伴う過程にこそ、努力が報われて、自信がついたりするものです。しかし、結果が出なければ、誰に見られるわけでもなく、歴史に埋れてしまうでしょう。それでも、努力したことは消えるわけではありません。

『クライマーズ・ハイ』という堤真一主演の映画がありましたが、あの映画は、まさに報われない努力を描いています。それでも、胸が締め付けられるような、歴史の裏に、そんな物語があったんだなと思うと、たとえ結果が出なくても、感動を生むことはできるし、世界に影響を与えることはできるんだなと実感します。

結果が出ないからといって、頑張っている自分を否定してはいけません。結果が出ないうちは、努力を肯定することも難しいかもしれませんが、後になって、どれだけ自分が頑張ったかはたまた手を抜いたかは、自分にしかわかりません。頑張ったと思えるなら、たとえ結果が出なくても、望む結果ではなくても、自分を認めてあげたいものです。

まとめ

抑圧と結果にこだわるのは、思春期だけのものではありませんが、特にその時期には強いものがあるのかもしれません。『化物語』『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメなどは、そういう部分思春期特有の溢れる感情を描いており、人気の高い神アニメです。
抑圧と結果は、自分を認めるということを邪魔する弊害になりえます。自分を抑圧していないか、結果にこだわり過ぎていないか、注意して見て行きたいものです。

最後に、受験生の皆さん、もう終わった方もいるかもしれませんが、最後までラストスパート!もうすぐ終わります。頑張った自分を褒めてあげてくださいね!

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