なりふり構ってちゃ本気は出ない
なりふり構ってちゃ本気は出ない
意味:格好を気にしていたり、スマートにやろうとしていては本気は出ないということ。
類義:恥も外聞も無い
(例)いやぁ、一生懸命頑張ってるつもりだったけど、どっかで格好良くやろうと思ってたり、こうしなきゃって思いながらやってたけど、「もうどうにでもなれ!」と思ってやったら、思ってた以上の力が出てなんとかできたよ。やっぱり「なりふり構ってちゃ本気は出ない」ってことだね。
仕事とかスポーツとか、本気を出さなきゃいけない時ってありますよね。
本気を出すって、どういう状態でしょうか?
そして、本気を出すにはどうしたらいいのでしょうか?
俺はまだ本気出してないだけ
堤真一さんが主演する映画で『俺はまだ本気出してないだけ』という作品があります。40歳にして会社を辞め、何かにつけて、父親には説教をされたり、友人には心配されたり嘲笑されたりする中で、漫画家を目指すというバツ1中年ニート描いた作品があります。40年生きてきて、「なんか違う」と思い立ち突然会社を辞めてしまいます。それから、とりあえず「漫画家」を目指し出しますが、まぁぐうたらなんです。漫画家を目指すといっても、「漫画家ならできるんじゃね?」程度の理由だったりするので、当然うまく行くはずがありません。漫画家という「夢」を理由に、逃げ道を作っていていただけなのですから。
しかし、本気にならざるを得ない状況になってしまいます。父親には毎日のように小言を言われますが、ある日風俗に行った時に、一人娘が働いていたのです。自分が風俗に行ったことを娘に見られたことと、娘が風俗で働いていた衝撃によって、本気で漫画家を目指していきます。
それ以上は観てください(笑)って感じなんですが、仮初めの夢でも、抱いてしまっては、本気を迫られる出来事か起こるものです。その時に夢に向かうなら、本気にならなければなりません。そして、本気になるにはなりふり構っていては、本気にはなれないものです。
HUNTER×HUNTERにみる本気
『HUNTER×HUNTER』でも、わかりやすい例を取り上げます。序盤のハンター試験で、試験官のサトツに着いて行くという第一試験がありますが、そこでただただ走って行く中で、単純に体力のない者が脱落していきます。主役格のレオリオも、ゴールの見えないマラソンに脱落しかけます。そこでレオリオは、持っていたケースを投げ捨て、スーツを脱ぎさり、奮起して走り続けます。
出典 HUNTER×HUNTER/冨樫義博 集英社
その本気さが、クールなピラピカにも影響を与えますが、「周りの目を気にしているうちは、本気にはなれない」ということなのかもしれません。逆に言えば、なりふり構わずにできている間は、本気になる必要はないのかもしれません。しかし、本気にならないと乗り越えられないのであれば、自分の姿格好や、プライドなんて気にしてはいられません。そのなりふりを捨てたからこそ、レオリオは試験を突破することができたのです。
なりふりとは?
本気になれずに構ってしまう「なりふり」とは、「こうあるべき」という観念の塊でもあります。恥をかきたくなかったり、格好良くありたい、こうするものだという思い込みや観念が、自分の本気を遮るものと言えるかもしれません。格好良くもないのに格好良くありたいと思うのは、偽物の姿です。誰しも格好良くあり、格好良くもありません。「恵まれている人は恵まれていない」というように、格好良い人ほど、本気になれないかもしれません。
そして、本気になるには、なりふり構わなくなるような出来事が起こるものです。
『俺はまだ本気出してないだけ』では、大切な一人娘が風俗で働いていたり、レオリオは、脱落してしまえば「医者になる」という目標を失ってしまうから、なりふり構わずに本気になれたのです。
何も起きなければ「本気」になることはないのかもしれませんが、代償を払って願いを叶えるように、本気と引き換えに捨て去るものが「なりふり」で、その為に起こることが「代償」なのかもしれません。
本気になれない人には、本気を邪魔する観念があるかもしれません。そして、その観念を壊す為に、問題が起こるのかもしれませんね。