鳥取砂丘と砂の美術館とすなば珈琲に行った話
鳥取市内の観光地を巡る旅行記。前回の島根に引き続き、観光地嫌いの捻くれトラベラーとしては珍しく王道を行く旅行となっている。前回は特急スーパーまつかぜで鳥取駅に着いたところまでを書いたので、今回はその続きからスタート。
鳥取は観光地化されているのか、駅構内にも観光客向けの展示があった。
改札口へ。なんと未だに自動改札機が導入されておらず、駅員さんが1人1人きっぷをチェックするというアナログな光景が見られる。
駅舎自体はそれなりに大きく、人口最下位の鳥取県とはいえ県庁所在地の中心駅としての威厳は保っている感じだ。ただしお店などはあまり充実していない印象を受けた。
駅周辺を散策
まずは宿へ荷物を預けるついでに駅周辺をぶらぶら。駅の北側が古くから開発された繁華街という感じだが、少し歩いただけでだいぶ寂れた商店街になってしまった。地図を広げてみると駅を迂回する形で郊外に国道のバイパスが作られており、地方都市のドーナツ化現象が起きていそうな雰囲気だ。
ラウンドアバウトを発見。個人的にはかなり好きな光景。
道がごちゃごちゃしている駅周辺に対し、川を渡ると城下町らしい碁盤の目に整備された街並みが広がる。さらに歩いていくと山にぶつかったところで鳥取城跡に到着。
入ってすぐ見えるのが仁風閣。ルネッサンス様式の木造建築で国の重要文化財に指定されている。
内部は資料館として公開されており、入館料も 150 円と割安。(※現在は改修工事で 2028 年まで休館しているらしい)
平日ということもあって観光客もほとんどおらず、当時の建築様式をじっくり楽しむことができた。
特に目玉は支柱のない螺旋階段。これが 100 年以上前に作られたというのだから驚きだ。
窓の外には城趾が広がる。石垣と山の木々が調和していて良い景色。
砂の美術館へ
その後バスに乗って砂丘の方へ。バス停を降りると遠くに砂丘が見える。
が、まず向かったのはこちら。砂の美術館。
砂を固めて作った彫刻(砂像)が展示されているという、なかなか面白い美術館だ。
というわけでさっそく入館。
テーマは毎年変わるらしく、この時は「チェコ&スロバキア」がテーマとなっていた。
砂で再現されたプラハの景色は圧巻。プラハ行ってみたいなあ。
天文時計とセドレツ納骨堂。精巧に作られた砂像も翌年にテーマが変われば取り壊されてしまうため、目に焼き付けておきたいところだ。
カフカの「変身」。有名な例のシーンだ。カフカがチェコ出身なのは初耳学だった。
展示会場の全体像としてはこんな感じ。入館料はやや高いが展示品は質・量ともに充実しているため満足度は高かった。
屋外展示もちょこっとだけある。しかし屋根がついているとはいえ雨風に晒されて崩れないのだろうか……。
……といった感じで砂の美術館見学は終了。所要時間は 30 分程度だった。
鳥取砂丘へ
で、いよいよメインディッシュの砂丘へ突入する。
パッと見では入口がどこにあるのかわからなかったが、道路に面していくつかあるため美術館横の道路を歩いていけば問題ない。
柵で囲われた道を進んでいくと……
本格的に砂漠っぽい景色が広がっている!日本ではなかなか見ることのできない光景だ。
奥の方に海が見えるので歩いていく……が、なかなか辿り着かない。目印になるものがないから距離感バグるけど、めちゃくちゃ広いわこの砂丘。
そして砂丘という名の通り高低差もだいぶあったりする。こちらの断崖絶壁は馬の背と呼ばれているらしい。
横に目を向けてもうねうねと起伏している。これを超えないと海の近くまで行くことはできないので、ひとまずゆるい坂から登っていくことにした。
なんと馬の背を元気に登っている集団が。なるほどそういう楽しみ方もあるのか。
で、どうにか海に到達。砂丘があると言っても海の景色は他の海岸と変わらないな。
だいぶ強い海風が吹いており、波も強め。日本海らしい光景だ。
日も傾き始めて肌寒くなってきたため退散。来た道を頑張って戻る。
ちなみに私が歩いたゆるい坂も実は結構な傾斜がある。砂に足を取られて歩きづらいため、靴のチョイスには要注意だ。
あれ……なんか馬の背を登る人が増えている気がするな。人数的にはむしろあちらがメインルートになってしまった。
坂を降りきったあたりで振り返ってみると、みんな無事に登れているようだった。
ちなみに砂丘は日を遮るものがなくゴリゴリ熱せられるため、涼しい季節に行くほうが良いと思われる。……まあ灼熱地獄を体験するのも砂漠っぽくて良いかもしれないが。
再び鳥取城跡へ
で、翌日。仁風閣を訪問した以外は完全にスルーしていた鳥取城跡を再び訪れる。
少し登ったところから仁風閣を見下ろす。後ろに見えるのは鳥取県庁だ。
鳥取城は久松山に築かれた山城でかなりの高低差がある。二の丸あたりですでに展望は良いのだが……
そこからさらに 30 分ほど登山すると天守閣が置かれていた山上の丸に到着。わりとガッツリ登山だったので道中の写真はなし。
おそらくこのあたりが天守閣跡。
めちゃくちゃ景色良いなあ。
遠くにはちょうど山陰本線の普通列車が。朝の時間帯ということもあって4両編成になっている。
鳥取砂丘と日本海も眺めることができる。
山頂まで登るのは時間的・体力的にかなりのコストがかかるが、それを払うだけの価値はある景色だった。
すなば珈琲へ
その後お昼ごろに向かったのがすなば珈琲”新“鳥取駅前店。実はすなば珈琲はチェーン展開しており、鳥取県内で十数店舗ほどある。
ところですなば珈琲の元ネタになった「スタバはないけどスナバはある」だが、なんと現在は鳥取駅の南側にスタバが店を構えていたりする。
ただ、スナバはスタバと違ってカフェというよりも飲食店としての利用シーンが多そうなため、客層はあまり被っていないかも。
もちろんちゃんと本格的なコーヒーも出てくる。……まあ私はカフェオレにしてしまったが。
ちなみに、2024 年に入ってから鳥取駅近くにもう1つ新しい店舗がオープンしたらしい。まさかの勢力拡大中。
鳥取駅へ
そんなこんなで観光を終えそのまま駅へ向かう……つもりだったのだが、すぐ近くで交通系のイベントが開催されておりふらふらと立ち寄った。
ちなみにこの日は駅前の広場でも祭りのようなイベントが開かれており、盛り上がっていた。地方都市のほうがこういったイベントは開催されやすいのだろうか。
その後、列車の発車時刻まで少しだけ余裕があったため南口を軽くぶらついていたところ、大国主命と白ウサギの像を発見。因幡の白兎と言えば出雲だと思っていたが、よく考えたら因幡国は島根ではなく鳥取の方か。
……といったあたりで今回は一旦終わりとしたい。次回は山陰から山陽へ抜け、神戸に到着するまでを執筆予定だ。
鳥取市内の観光スポットは比較的コンパクトにまとまっており(鳥取砂丘と砂の美術館はバス必須だが)、全体的にクオリティも高く楽しむことができた。特に鳥取城跡の景色はあまり事前リサーチしておらず、個人的にはサプライズだった。体力に余裕があれば旅程に組み入れてほしい景色だ。
前回の島根に引き続き交通アクセスはあまり良くない土地だが、機会があればぜひ訪れてみてほしい。
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