三浦半島へ京急で遊びに行った話
関東近郊には都心から日帰り旅行しやすいスポットが多数存在するが、鉄道を使うと交通費が高くついてしまう。
しかしながら京急電鉄では三崎口・横須賀までの往復乗車券(途中下車・バス利用可能)、現地で交換できるお食事券、特定施設の入場券がセットになった切符が発売されている。それが「みさきまぐろきっぷ」、「よこすか満喫きっぷ」である。
今回はそんな「みさきまぐろきっぷ」を使って三浦半島へ日帰り旅行に行ったお話。前述の通り途中下車可能なため、時間があればみさきまぐろきっぷで横須賀に立ち寄ることもできる。
まずは品川へ
朝早くに家を出て品川へ。京急のターミナルと言えば品川だが、東京の西側に住んでいる人からすると品川は山手線のほぼ反対側にあたるため、行く機会が少なくかなり新鮮な感じだ。
ちなみに今回の旅行を企画したのは以前記事にした大阪弾丸旅行でお世話になった友人(159系)だ。ただし、時系列的には大阪旅行の方が後だったりする。さらに名古屋・仙台旅行に一緒に行った友人も加わり、3人での旅行になった。
京急品川は多種多様な列車種別・行き先を実質的に1つのホームで捌いているため、わりとごちゃごちゃしていてカオス。さっそくエアポート急行が入線してくるが、こちらは見送る。
そして次にやってきたのは快特三崎口行きの2100形、この車両は普段は有料のウィング号などにも使用されている。
オールクロスシートというなかなか豪華な設備。前面展望席を占拠しようと企んでいたが、子供連れのご家族がいたため席を譲った。
代わりに車端部のボックス席へ。JRや私鉄の有料特急のように転換クロスシートではないため、3人や4人だとボックス席の方が都合が良い。
京急の快特と言えばやたらスピードを出すことで有名ではなかろうか。品川~横浜で完全に並走するJRに対抗するため、120km/hという豪快なスピードで走り抜けてくれる。車窓を眺めるだけでもかなり面白い。
ちなみに当時はリラックマとのコラボが実施されており、いたるところにリラックマのラッピングが見られた。
道中、ブルースカイトレインの撮影に成功。こちらも2100形の運用となっている。
ちなみに横浜から先は競合するJR横須賀線のやる気が無いこともあり、スピードは控えめになってくる。特に横須賀の先、堀ノ内からは完全に各駅停車になってしまう。
(リラッ久里浜……)
さらに余談だが、実はこの堀ノ内~三崎口間は久里浜線と呼ばれる支線で、堀ノ内から浦賀へ向かう路線が本線となっている。しかしながら路線の長さや直通する優等列車の数的にも久里浜線の方が本線格だ。
(公式サイトよりキャプチャ)
そんなこんなで終点の三崎口に到着。……が、三崎口駅付近には何もないためバスで三崎港まで移動する。
三崎港観光
しばらくバスに揺られ、三崎港に到着。まずはにじいろさかな号という観光船に乗船。
船は地上と地下の2層構造になっており、地下からは三崎港の海中散歩を楽しむことができる。
水族館で魚を眺めるのとはまた違った感覚で楽しむことができた。
また、地上ではカモメの大群と戯れることができる。
魚だけでなく、バードウォッチングもできるとは。
景色もゴツゴツした岩が多く面白い。この様な特徴的な海岸線は地盤隆起によるものだそうだ。
東の方に目を向けると房総半島が広がっていた。
三崎港に戻り、今度はバスに乗って城ヶ島に渡る。
城ヶ島観光
まずはみさきまぐろきっぷで海鮮丼を頂き、腹ごしらえしてから散策開始。
島の西側へ。城ヶ島灯台などがあるエリア。
それにしてもすごい構造の海岸だ。足を滑らせないよう気をつけながら散策する。
地質学にはあまり明るくないのだが、地層マニアなどにはたまらない光景かもしれない。
午前中はそこそこの曇り空だったが、午後になってからは晴れてきてくれた。
城ヶ島ハイキングコースと呼ばれる道を歩いて東へ向かう。
人の背丈以上に草が生い茂っており、ちょっとファンタジーな光景。
たぶん道をそれて草の中へ突っ込むと迷子になる。
道中に見晴らし台があった。ちなみにここ以外では一面草だらけで海は見えない。
その後もしばらくハイキングコースを進み、途中から海岸の方へ降りていく、このあたりはかなり坂がきつかった。
馬の背洞門へ。城ヶ島の駐車場からもアクセスできるためか、そこそこ人が多かった。ゲームや映画の世界にあるような地形が自然に作られたのだから不思議だ。
その後はバス停のある駐車場に向かい、三崎口へ戻る。城ヶ島の東側にもまだまだ見どころはあるのだが、今回の旅程ではスキップ。
道中、ブルーインパルスを発見。防衛大学校の卒業式関連で飛行していたらしい。
三崎口で京急に乗り継ぎ、横須賀まで戻る。
横須賀観光
まずはYOKOSUKA軍港めぐりと呼ばれる遊覧船に乗船。
ちなみに、YOKOSUKA軍港めぐりのアクセスは横須賀中央駅よりも汐留駅の方が良い。JRの横須賀駅も近くにある。
自衛隊と米軍の基地をぐるっと回るコースになっており、巨大な艦船のすぐ近くを次々と通り抜けていく。
途中、ヘリコプターが基地へ着陸していくのを目撃。ガイドさんによると要人輸送用のヘリということで、「誰か偉い人が来ているのかも」とのことだった。
その場で調べてみると、なんと安倍首相が横須賀基地の視察に来ているとの情報をキャッチ。今までの人生で内閣総理大臣に(物理的に)最も近づいた瞬間だった。
その後は米軍基地に沿って歩いていき、三笠公園へ。
三笠公園では日露戦争で活躍した戦艦三笠が保存されている。教科書などにも載っている日本海海戦の絵で描かれているのが戦艦三笠だ。
(公式ホームページより引用)
戦艦の中は資料館になっており見学することができるのだが、この日はもう閉館時間が近かったため諦めた。旅程としては三崎港と城ヶ島がメインのため、横須賀観光の時間は厳しいところだった。
その後も横須賀を軽く散策。夕ご飯は海軍カレーを頂いた。
帰宅
市街地を一通り散策した後、横須賀中央駅へ行き京急で品川へ。
品川では巨大リラックマが吊るされていた。
後日……
そんなこんなで「みさきまぐろきっぷ」を使って三浦半島を満喫したわけだが、やはり三崎港・城ヶ島と横須賀の両方を1日で回るというのは時間的に厳しく、横須賀の方は消化不良間が残ってしまった。
……というわけで2ヶ月後に今度はよこすか満喫きっぷを使って再度横須賀へ遊びに行った。
かなりの快晴。
中では様々な展示品や資料が並べられているほか、戦艦としての造形もしっかり保たれている。こちらは操縦室。
デッキの最上部まで登ると眺めもかなり良い。東側を眺めていると、房総半島へチャリで遊びに行った際に訪れた東京湾観音が見えた。
三浦半島側から見ると、かなり高い場所に立っているのがよくわかる。チャリであそこまで登ったのは冷静に考えなくても頭おかしい。
砲台は隣接する米軍基地を狙う形になっている。
みさきまぐろきっぷと同様に、こちらもお食事券がセットになっている。今回はやたらでかいアメリカンハンバーガーを食べに行ったが、なんと店内に赤木しげるの墓があった。
(ざわ…ざわ…)
ちなみに同行したメンバーはみさきまぐろきっぷの時とは別の友人達になるが、こちらもかなりディープな鉄道オタクということで、なんと横須賀から品川まで各駅停車で帰ることになった。
というのも各駅停車として使われている800形が1ヶ月後に引退するということで、今のうちに乗れるだけ乗っておかなければという思いがあった。
京急800形はその見た目から「だるま電車」と呼ばれており、今となっては珍しく前照灯は1灯のみ。また、ほとんどの車両が3ドアの京急の中では4ドアでしかも片開き仕様という珍しい存在であった。車内にも扇風機が設置されているなどかなりのレトロ仕様だ。
その一方で走行性能はかなり優秀だ。京急と言うと快特ばかりに目が行ってしまうが、快特が120km/hでバリバリ走れるのは、前を走る各停が加減速を繰り返して待避駅まで逃げ切れているからである。京急の各駅停車は縁の下の力持ち的な存在なわけだ。
実際、日中にも関わらず待避線に入ってからすぐに優等列車が追いつくことが多く、かなりシビアなダイヤ設定になっていることがうかがえた。
各駅停車に乗ってみると普段は見過ごしてしまうポイントに気づくことができ、なかなか有益な体験となった。それにしても途中の駅で2本連続で追い抜かれたのはびっくりである。
(動画から切り抜いて加工したら画質の悪さでレトロ写真っぽくなった)
おわりに
そんなわけで、短期間に三浦半島へ2回も行ってしまった。京急沿線には、まだまだ魅力的なスポットが残っているかもしれない。
現在は某ウイルスの関係で今回利用した切符や施設の入場には制限がかかっているため、今後の感染状況次第なところはある。
とはいえ、今回のルートは一人旅でも十分楽しめるものになっている上、ほとんどが屋外になるため密を避けるという点では完璧だろう。今後旅行が可能になってきた際にはぜひおすすめしたい。
……といったところで今回はここまで。
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