スマホにガラスコーティング剤を塗ってみた話
新しくスマホやタブレットを購入する際に生じる面倒な作業の一つに保護フィルムを貼る作業がある。
風呂場など埃の少ない場所で慎重に作業を進めるものの、うっかり入り込んでしまうことがほとんどだ。
気泡がほとんど目立たないよう工夫しているフィルムも多いが、やはり完全にリスクをゼロにすることは出来ない。また、強度に関しては様々なガラスフィルムが発売されているものの絶対に傷がつかないわけではなく、しかも若干かさばる上に値段も高め。
そんなわけで、フィルムを一切貼らずに過ごしている人も多いのではないか。私もタブレットに関しては「カバー付けているから傷つかないだろう」という楽観的な思考によりノーガード。というか傷が付いても買い換えればいいレベルの安物だというのも影響しているが。
ただし、ノーガード戦術では落としてバッキバキにしてしまうリスクの他に、細かい引っ掻き傷などが付いてしまう恐れがある。特にペンを使う場合はだんだん傷が増えていくのではないかという懸念があった。
そんな不安を解消しつつ、保護フィルムのようにかさばらない素晴らしいアイテムを発見したので、さっそく購入して使ってみたのが今回のお話。
さっそく開封
Amazonのものは高かったため、Aliexpressを利用。毎度の如く注文してから2週間ほどで中国から着弾。内容物もこの上なくシンプル。
小さい瓶に液体が入っており、容量は1つの瓶につき1mlとなっている。
この液体を液晶画面に塗り、乾かすと薄い膜を形成することで保護フィルムを貼った時と同様の保護性能を発揮するとのことだ。一応日本語では「液体保護フィルム」と書かれているが英語だと「Liquid Screen Protector」と記載されていた。フィルムではないため、英語の表現の方がしっくりくる。
日本でも手に入れることはできるが、やはり値段的には中国から輸入するのが最強。で、当然のごとく説明書が付いていないためAliexpressの商品ページで使用方法を確認する……
あ〜……だめだこりゃ。日本語だと意味がわからんので言語を英語に切り替え。
お〜!ちゃんと理解出来る文章になった。最悪中国語に設定してGoogle翻訳という手段を考えたが、英語がわりとしっかりしていたため杞憂だった。
作業開始
説明の手順に従って作業を進めていく。まずはウェットティッシュで画面を拭いて。
乾拭きしてから、液体を塗っていく。
だばあ。
(10インチタブレットだと1mlでは足りなかった)
ヘラで伸ばしていく……が全然伸びない。だめだこりゃ。
手で頑張って伸ばす。
こんなものかな……。ちょっとマダラだけど。
で、しばらく放置。
説明だと30秒で乾くらしいが、さすがにもっと時間をおいた方が良いと思う。……で、時間が経ったら布で拭いていく。
拭き取ると見た目は完全に塗る前の状態と変わらなくなる。
本当に効果はあるのだろうか……。
触り心地は?
見た目の変化はないものの、指で触った感触だと塗る前よりも滑りが良くなった気がする。
なんとも形容しづらいのだが、ガラス感が減ってよりスムーズに操作できるようになった感じだ。元々はツルツルしていたのが、スルスルになった感じ。
ペンを使った際の感触も同様で、こちらもガラス感が減って抵抗なく書けるようになった気がする。
ただのプラシーボ効果と言われてしまうと否定はできないが、とにかく自己満足でも描き心地は向上した。
その一方で汚れについてはあまり違いを感じなかった。指でベタベタ触っていると普通に指紋だらけになってしまうため、汚れ防止目的で買う場合は注意が必要だ。
傷への耐性は?
いちばん肝心なのがここの部分だろう。そもそも傷を防げないのであれば買う意味が無い。
で、実際にタブレットを地面に叩き落として実験してみる……わけにはいかず、恐る恐るカッターで引っ掻いてみることにした。
うおおおおお((((;゜Д゜)))
おや?
傷、全くつかない!スゴイ!
さらに実験
……と、喜んだはいいもののこのままだとコーティング剤のおかげで傷がつかなかったことを証明できないので、もう使っていない古いXperiaで実験してみることにした。まずは保護フィルムをつけた状態で普通にカッターを入れてみる。
あ……だめだこりゃ。貫通して完全に傷が入った。
(写真だと超絶分かりづらいがガッツリ傷が入ってる)
ガラスフィルムでないというのに加え、かなり経年劣化しているのも原因だろう。落下した際の衝撃にも耐えきれないと思う。
で、改めてコーティング剤を塗るものの効果はあまりなかった。
「液晶パネルの経年劣化が激しすぎたのではないか?」と考え、比較的新しいもののすでに使っていないスマホで再度実験することに。
保護フィルムの上からカッターを入れると、フィルムには傷がおもいっきり入るが……
本体は無事。
とはいえかなり力強くひっかくとさすがに傷ついてしまう。
で、コーティング剤を上半分だけに塗る。最初に使っていた青い瓶に入ったものは使い切ってしまったため、大容量のスプレータイプを改めて購入した。
そしてカッターを入れていくが、ちょっとやそっとでは全く傷がつかない。最近の液晶パネルはかなり頑丈に作られていることを思い知った。最終的にかなり力を入れて一本引っ掻いてみたところこんな感じに。
う~ん……上も下も同じくらい傷入ってるなあ……。傷の防止効果については期待しすぎるのはやめたほうが良さそうだ。
その他の効果
個人的に1番「おお!」となったのは撥水性だ。スマートウォッチに塗って軽く水に浸したところ、液晶部分はかなり水を弾いているのが確認できた。
かるく振れば液晶の視認性は全く問題ない。
また、抗菌効果もあるとのことだったが、確認する術がないため実際のところどうなのかはわからない。
余談だが、実験で傷をつけてしまったスマホに対し、以前購入したUVレジン液で傷の修復を試みたところ、撥水性がガンガン働いてレジン液を弾き飛ばすという事件が起きた。
頑張って塗ったものの、やはり完全に修復するわけではないため「最悪割れてもレジン液で修復すればオーケー!」というわけにはいかない。
まとめ
そんなこんなでまとめに入る。
コーティング剤の効果を感じられたのはさわり心地と撥水性、逆に微妙だったのは汚れの防止と傷に対する耐久性だ。正直なところコーティングする1番の目的は傷の防止になるため、ここの部分の性能が怪しいのは残念ポイントだ。
今回のように中国からの輸入ではなく、Amazonでそこそこの値段のものを買えば質も良いのかもしれないが、高いものになると「普通にフィルム貼ればよくない?」となってしまう。
今回の思わぬ収穫としては、最近のスマホの液晶パネルはかなり丈夫というのが確認できたことかもしれない。……の割には画面がバッキバキになったiPhoneをよく見かけるような気がするが、きっと気のせいだろう。私の歴代Xperiaは落下させても1度も割れたことがないため、もしかしたらうまく割る落とし方のコツがあるのかもしれない。
話を戻すと、今回使ったガラスコーティングはそういった画面が割れるような衝撃に耐えるのは難しいと思われるため、「画面保護」の目的で買うのはあまりおすすめできない。普通に保護フィルムを買うのが安牌だろう。
一方で「絶対にフィルムを貼りたくない!」という方々や、湾曲した液晶を保護したい場合には選択肢として有用だと思われる。カメラレンズにも塗ることができるため、気休めレベルではあるものの安心感を得ることができる。
また、タブレットやサブスマホなど、わざわざ保護フィルムを貼る程重要でないデバイスに利用するのもありだろう。コーティング剤は何にでも使えるため、そこそこの容量のものを購入して使い回せばいちいち対応するフィルムを買うよりも経済的だ。
個人的に1番相性が良いと感じたデバイスはスマートウォッチ。液晶が湾曲している上、使い方によっては濡れやすいため撥水性が活きてくる。もしスマートウォッチを持っていて保護フィルムを貼ってない場合は購入してみると良いかもしれない。
……といったところで今回はここまで。
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