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【治すためにまず知ろう】アトピー性皮膚炎って体質⁉️元アトピーのマッチョな皮膚科医が誰よりもわかりやすく病態を解説‼️
みなさん、こんにちは!
マッチョな皮膚科医 JOJIO です💪
今日は多くの人が悩むアトピー性皮膚炎について、
できるだけ分かりやすく解説していきます!
実はJOJIOも幼少期から中学生くらいまで
アトピー性皮膚炎に苦しんでいました。
かゆみも辛いし、掻きこわして手に血がつくし、
小学校の時は「ブツブツ」とか言われたりして辛いし、
プールとかも恥ずかしい気持ちでした、、、
幼稚園の頃から
「皮膚科医になってアトピーの患者さんを治すぞ!」
という夢をもち、その気持ちのまま突き進んで
現在、念願の皮膚科医として働いております。
アトピー性皮膚炎を治すために
皮膚科医になったといっても過言ではありません!!
そんなJOJIOが
アトピー性皮膚炎の病態について噛み砕いて
お伝えしていければと思います。
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アトピー性皮膚炎、名前は有名ですが、
意外とそのメカニズムは複雑です!
最近になって、やっと解明されてきたことも多く
皮膚科医でなければ説明できないと思います!
(正直、皮膚科医でも曖昧な人もいるかもです!)
アトピー性皮膚炎は
「増悪と寛解を繰り返すかゆみのある湿疹を呈する疾患」
と定義されています。
噛み砕くと、
「良くなったり悪くなったりを繰り返してしまう
かゆい湿疹ができてしまう病気」です。
そして、アトピー性皮膚炎の症状は
次の 3つの要素が複雑に絡み合って生じます。
✅ かゆみ(神経の異常な興奮)
✅ 炎症(免疫の過剰な働き)
✅ 乾燥(皮膚バリアの弱さ)
これらが悪循環を作り出し、
なかなか治らないのがアトピー性皮膚炎の特徴です。
では、それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう!
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① かゆみの原因は「神経の暴走」!?
アトピー性皮膚炎の人はとにかくかゆい!
このかゆみは、
ただの「肌の乾燥」だけが原因ではありません。
実は、アトピー性皮膚炎では
皮膚の神経が異常に敏感 になっています。
実はかゆみを感じる神経が皮膚の上の方まで
枝を伸ばしているんです😱
そして、この神経を刺激するのが
IL-4 、IL-13 、IL-31 、TSLPという「かゆみ物質」です。
•IL-31 → かゆみ神経を直接刺激!
•IL-4 / IL-13 → かゆみをさらに悪化させる!
•TSLP → かゆみ神経を増やし、敏感にする!
つまり、アトピー性皮膚炎では
かゆみを感じるスイッチがONになりっぱなし
になっているイメージです。
さらに、痒くて掻いてしまい皮膚が傷つき
そこからも炎症が広がり、
もっとかゆくなる という悪循環がおきます。
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② 炎症が止まらないのは「免疫の暴走」!?
本来、私たちの「免疫」は
敵から体を守るために敵を攻撃する
防御システムです!!
しかし、アトピー性皮膚炎の人では
なんも悪いことをしてない「自分の肌」に対して
免疫が過剰に働いてしまうことで
皮膚に慢性的な炎症を引き起こします。
この炎症を引き起こしているのが
先ほどもでてきたIL-4、IL-13、IL-31、
そしてIL-22などがあります。
これらは神経にかゆみを伝えるだけではなく、
「赤くてガサガサ」な湿疹症状を作り出す炎症物質
でもあります。
•IL-4 / IL-13 → 免疫を暴走させ、炎症を長引かせる!
•IL-22 → 皮膚を厚くゴワゴワにしてしまう!(苔癬化)
これらの炎症が続くことで、
皮膚は常にダメージを受けた状態
になってしまいます。
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③ 乾燥するのは「皮膚バリアが壊れている」から!
アトピー性皮膚炎の人の肌は、
普通の肌と比べて 「バリア機能」 が弱いのが特徴です。
健康な皮膚には 「フィラグリン」 という
水分を保持するタンパク質 があります。
しかし、アトピー性皮膚炎の人では
このフィラグリンが少ないため、
皮膚のバリアが壊れやすく、乾燥しやすいことが
知られています。
バリアが壊れると、どうなるでしょう?
•水分がどんどん逃げて、肌がカサカサに乾燥する!
•ホコリや花粉、細菌が入り込み、炎症がさらに悪化する!
•IL-4 / IL-13がバリア機能をさらに低下させる!
アトピー性皮膚炎は
鼻(皮脂が多い)部分には症状は見られないことが
ほとんどです!
これは鼻には脂腺(皮膚のあぶらを出す腺)が
たくさんあり、乾燥することがないからです。
このことからも乾燥(バリア機能低下)が
アトピー性皮膚炎をつくりあげていることが
わかります。
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◎アトピー性皮膚炎の「負のループ」
アトピー性皮膚炎の症状が治りにくいのは、
この 「負のループ」 にハマってしまうからです。
1️⃣ バリアが壊れる(乾燥・フィラグリン不足)
2️⃣ 外部刺激が侵入する(ホコリ、ダニ、雑菌)
3️⃣ 炎症が起こる(IL-4 / IL-13が暴走)
4️⃣ かゆみが悪化する(IL-31、TSLPが神経を刺激)
5️⃣ かくことでさらにバリアが壊れる
➡ 最初に戻る…
この 負のループを断ち切る ことが、
アトピー性皮膚炎治療のポイントになります。
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まとめ:アトピー性皮膚炎は「バリア × 炎症 × かゆみ」の悪循環!
改めて、アトピー性皮膚炎は
「かゆみ」「炎症」「乾燥」 の3つが絡み合い、
どんどん悪化してしまう病気です。
✅ かゆみ
→ IL-31やTSLPが神経を刺激し、どんどん悪化!
✅ 炎症
→ IL-4 、IL-13を中心に皮膚の炎症をひどくし、かゆみを増強!
✅ 乾燥
→ フィラグリン不足でバリアが壊れ、
外からの刺激を受けやすい!
この悪循環を正しい治療で断ち切ることで
症状は良くなっていきます!
治療の基本は保湿と外用薬によるものです。
ここをしっかりやってもなかなか
症状がコントロールできない患者さんには
最近はIL-4 、IL-13、 IL-31などを抑える
いわば免疫を上手くコントロールする
お薬(JAK阻害薬や生物学的製剤)がでてきました。
「なかなか治らない…」と悩んでいる方は、
ぜひ皮膚科医に相談してみましょう!
もちろん僕にも相談してくださいね!!
マッチョな皮膚科医JOJIO
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