ある と ない の 狭間
ずっと、そこに落ち込んで、もがいていた。
苦しかった。
終わりたかったし、消えたかった。
それでも、いつか終わる、と思って、なんとか生きていた。
とある秋の一日に、ゆるやかに、すとんと、友人と話していたなかで、あらわれてきたもの。
それは、呆気ないほどに今までと変わらず、でも今までとは、何かが確実に違う世界。
表現しようもないけれど、鮮やかに色づいて、生き生きとしたその世界は、まるで台風が過ぎ去ったあとみたいに、苦しみが消えて、ただ、ぽっかりと、穏やかに、晴れていた。
この世界のつくり。
ずっとずっとわかりたかったそれは、ものすごくシンプルで。
ある と ない が 絶妙に重なった、その。