コーチ型校長の’巻き込み力’
教育関係者向けの講演は、全国から依頼が来て、これまでいろいろなところに行かせていただきました。
講演に行った時は必ずと言っていいほど、校長先生や教頭先生などの管理職の方ともお話をします。
管理職になる方々ですから、流石に話は上手いし、面白い体験談をいろいろと話してくれます。
今日は、2012年に富山県黒部市に行った時の教育センター長さんから聞いたお話です。
その方が教頭先生だった頃、初めて教頭として赴任してから3ヶ月ぐらい経った時に、校長先生がツカツカと寄ってきて、
「~教頭先生、あんたの教育理念ってなんや?」
といきなり問いかけられたそうです。
この教頭先生は何とか答えなきゃと思って、ツラツラと話したそうです。
ひととおり話を聞いた校長先生が、
「そうか。わしの理念言うぞ。わしは一つ目に、この学校を子どもたちが毎日笑顔で通いたくなる学校にしたいんや、二つ目は・・・・」
と話してきたそうです。
そして続けて、
「教頭さん、あんた、この一つ目の子ども達が毎日笑顔で通いたくなるような学校をつくるという理念について何ができる?」
とまた問うてきたそうです。
この教頭先生は、質問されてびっくりしたのですが、それに対しても何とか思っていることを話しました。
そして話した以上、やらないといけないと思って、積極的に自分からいろいろなことを提案し、言ったことをやったそうです。
また、校長先生はそれに対して好きなようにやらせてくれたそうです。
この校長先生の信頼して任せてくれるところがとても尊敬できるところなんですと話してくれました。
リーダーにもいろいろな方が見えますが、自分の意見を一方的に押し付けず、相手の話も聞きながら、対話によって相手を巻き込んでいくリーダーがいます。
私たちは、こういう方をコーチ型リーダーと呼んでいます。
コーチ型リーダーは相手の主体性を引き出すために問うたり、話を聞いたりして対話を重ねていきながら巻き込んでいきます。
スタンスとしては「相手に任せる」「信頼する」「大事なことはズバッと伝える」「責任は自分が取る」というリーダーが多いように思います。
こういう方がいてくれると安心して自分の力を出せますよね。
「あなたはこの件に関してどう思う?」
「私はこう思うんだ」
「やるとしたらどんなことやる?」
簡単な対話で相手の主体性を引き出しながら、相手をプロジェクトに巻き込んで行きましょう。
写真提供者:
「校長室」
https://www.photo-ac.com/profile/2805785
「立山連峰」
https://www.photo-ac.com/profile/1712891
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