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依存との付き合い方

  関係的自立という概念をご存じだろうか。関係的自立とは、人は必ず何かに依存せざるをえない。「依存していない人はいない」という考え方である。「自立」という言葉は、本来親元から離れ、経済的・精神的にも独立する言葉である。しかし人間は必ず何かに依存せずにはいられないという現状の常態がある。例えば、会社に勤めている人は会社に依存しているし、国のインフラがなければ、日常生活を送ることも困難で、国に依存しているといえる。こうした「依存」は、人間の生活における不可欠な要素であり、否定すべきものではない。
 人間には5つの依存先があるとされている。
1つ目は、平行型依存
・同僚・同級生といった対等な関係での「横の関係」に基づく依存
2つ目は、垂直型依存
・上司・先輩といった対等な関係ではない「縦の関係」に基づく依存
3つ目は、物質型依存
・酒・タバコ・グルメ料理などのお金を払えば購入できる依存で、疲れたときの甘いお菓子や、週末のリラックスドリンクも挙げられる
4つ目は、非物質型依存
・SNSでの「いいね数」・「フォロワー数」への執着。
5つ目は、自分依存
・能力・容姿などの自分への依存。他人に頼らず生きるというのも、実は「自分」に依存している
 あなたはどの依存が強いと思いますか?
 私自身は自分が自分依存していることに気が付いた。友人も必要ないという価値観で、わざわざ作りに行くのめんどいし、別にいいかな。それよりも将来のことに対して、もっと努力しよう。10年後・20年後によりよい人生を送りたいと。誰も頼れない、だから一人で生きていくと。ある意味、そういう態度は、自己研鑽へのモチベーションになることは確かだが、同時に、精神的に辛くなる時期が来るのは確かだ。失敗したときに、誰にも頼れない孤独感が襲ってくる可能性があるのも事実だ。
4.「理想的な依存のあり方」への提案
 理想としては、これら5つと上手く付き合うことなのかもしれない。おそらく、多くの人は、下3つの物質型依存・非物質型依存・自分依存はできていると思う。なので、上2つの平行型依存・垂直型依存をできるように最大限努力すべきだ。
 依存は別に悪いことじゃないと思うんだ。だって、依存するものがなかったら、それはそれで寂しい人生だし、強く思うのは、一つのものに執着して、それがなくなったら相半ば心中するとまでなったら、依存は悪いものへと変容する。
 もしかしたら、多くのクラスター(コミュニティ)に参加し、物質的豊かさ・非物質的な満足感などを得る豊かさを確保すべきだ、というのは、さすがに欲張りで、何か犠牲にしてしまうものはあるんじゃないかと思う人もいるかもしれない。確かに、何かを犠牲にして生きているのだから、少しはしょうがないと思う。それでも、できる限り多くの依存先を見つけるという意思を心に秘めておくことは大事なのではないだろうか。全てを失ってしまっても、最後にその考えがあれば、再び立ち上がることができる。依存先を少しでも見つけておくことが、私たちの人生をより豊かにし、人間らしい生き方を実現する「鍵」なのかもしれない。

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