競争力のある組織や個人について考える
※この記事は約2000文字です。約4分で読めます。
先日以下のTED動画を見ました。
これからビジネスで必要なのはIQ( Intelligence Quotient)やEQ(Emotional Quotient)ではなく、AQ(Adaptability Quotient)である、という内容です。
そして、AQを測るには3つの以下の方法があるという事。
1)未来に対し「もしも」を尋ねる事で、多くの可能性を描く事が出来るか
2)積極的に知識のアップデートを行う姿勢を持っているか
3)成功体験に縛られず、探究心を常に持ち合わせているか
この内容を見た時に、ふと以下書籍の内容が頭に浮かびました。
これらを合わせて、競争力のある組織や個人について考えてみたいと思います。
1.競争力のある組織や個人を作る上での阻害要因
山口氏はこの書籍で、以下の様に「オッサン」を定義しています。
ここでいう「オッサン」とは、競争力のある組織や個人を作る上での阻害要因の代表として挙げられています。
オッサンとは:
・古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
・過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
・階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
・よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
※劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか
(著)山口周から抜粋
そして、彼ら(現在の五十代、六十代に代表される様な会社の上層部の人間)は連続的に成長し続ける社会システムに乗れば、幸せな人生が待っているであろうという幻想の中で、二十代の一番多感な時期を生きてきてしまった、と指摘しています。
対して現在、グローバル資本主義(バブル崩壊前の護送船団方式中心とは逆の、中心とその他を作り出す事により経済を回す世界)でかつVUCAに代表される不確実性が高い状況になっています。であるが故に、それを前提にした社会で生活しながらも、上記の旧来型システムで生きる方法で、現行システムに適用した人間を指示する事が発生してしまう。
これが競争力のある組織や個人を作る上での阻害要因の一つとして考えられます。
2.組織は劣化する
上記では個人にスポットを当てていますが、組織構造としても競争力のある組織や個人を作る上での阻害要因があります。
それは、二流が自己の保身目的で一流を忌避し、三流で周りを固めてしまうし、例え一流を選ぼうとしても二流以下は一流を見抜く目が無い為、一流を選べないという事です。一流のステークホルダーがキーマンを選んで適材適所に置ければ良いのですが、従来の中央集権型の組織だとそれは難しく、どうしても階層型で人選をしていくと上記の様な問題が発生します。そして、会社は「大きく長く」を目指すので、結果それに対応した組織構造になる、それは従来の中央集権型の組織なのですが、それでは現行システム化では生存出来ないというジレンマがあります。
また、二流以下で固まってしまった組織の場合、一流のポテンシャルがある人財があったとしても、二流チームでは良質な経験は出来ないので、結果として一流は生まれない事も組織が劣化する一因になります。
3.組織を変える方法
では、その様な競争力のある組織や個人を作る上での阻害要因にハマった会社にいる三十代、四十代はどうすれば良いのかという部分について、以下の様な解決策を山口氏は提示しています。
まず個人としては、オピニオンとエグジットをする事により、会社に対してプレッシャーをかける。とはいえ、これを行う為には自身の市場価値が高く無いとプレッシャーにならない訳です。自身の市場価値を上げる為には、人的資本(スキル)+社会資本(実績)でモビリティをつける事が大切です。加えて、オピニオンとエグジットの判断基準として「自分なりの選択指針(美意識)」を磨く事が必要と指摘しています。
また組織としては、パラダイムシフトを起こすのは若い人か新参者である事実を鑑み、その人間に決定権を移譲する、その為にはリーダーもサーバントリーダーシップを取り入れるべき、そして、組織が学び続けるにはAQと質の高い経験が必要という事です。
4.まとめ
競争力のある組織や個人を獲得する為にはどうすれば良いか?の問いに関し、以下の様に私は考えています。
【個人として】
1)AQを高める。具体的には以下の姿勢を持ち続ける
・未来に対し「もしも」を尋ねる事で、多くの可能性を描く事が出来るか
・積極的に知識のアップデートを行う姿勢を持っているか
・成功体験に縛られず、探究心を常に持ち合わせているか
2)オピニオンとエグジットを実行する
・人的資本(スキル)+社会資本(実績)でモビリティをつける
・自分なりの選択指針(美意識、スタンスをとる)を磨く
・良質な経験と変化を得られる環境を求める
【組織として】
1)AQを高める。具体的には以下の姿勢を持ち続ける
・既存概念に囚われない人間に決定権を移譲する
・リーダーはサーバントリーダーシップを取り入れる
2)自立分散型の組織体型(ティール組織)を目指す
・組織毎に決定権を持たせ、人員を固定化させない
・良質な経験と変化を得られる粒度に組織を分解する
先が見通せない世の中である今、どう生き抜くかを考える上で、上記の考えは必要では無いかなと思います。
ここまで読んで頂き、有難う御座いました!