東欧グルーヴ 通信(4)
東欧グルーヴ通信、早くも第4弾です。今回から、後半は有料にさせていただきます。少しの課金で全て読めますので、ぜひご支援いただけますと幸いです。
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『東欧グルーヴ・ディスクガイド』未掲載盤を厳選してお届けしますので、
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1)Trash X『Perestroika』
(東ドイツ、88年 Toledo:50-8901)
78年結成のポップ・デュオ、H+NのHolger FleschとNorbert EndlichはGoldene Rathausmann(※)や音楽番組『Bong』の出演で人気を獲得。西ドイツでの演奏を許可する永住ビザも取得したが、当局との衝突で西側への渡航は制限されていった。嫌気が差した彼らは87年に西ドイツへと亡命。そこで西側のミュージシャンと制作したのが本作である。時はペレストロイカの真っ只中。これはそれに対してのアンサーだろう。ロシア民謡をイタロ・ディスコ化したA面、『どこもかしこも硬直化』と題したB面どちらも必聴だ。
※ドレスデン国際歌謡祭の企画として実施された、若手の軽音楽アーティストを奨励するフェスティバル。
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2)The Jazz Trio『For the Future』
(ポーランド、86年 PolJazz:PSJ-150)
恥ずかしながら彼らについては詳しくわからない。音源はこのアルバムのみで、メンバーも他での録音は少ない。私自身、本作を知ったのは最近だ。しかしその音を聴けば、このアルバムがいかに隠れた傑作か瞬時にわかると思う。ミニマルなフレーズが心地よいグルーヴを生み出し、スリリングなフリー・ジャズとなって舞うA-1。美しくリリカルなピアノが徐々に狂気を孕んでいくA-2。スピリチュアルに飛翔するB-1、疾走するジャズ・ロックB-2、そして東欧の伝統舞踊のようなB-3。2024年現在、最も評価されるべきアルバムだと感じる。実験的なのに泣ける…こんな感覚になったのは初めてかもしれない。
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