『ストックホルム・ケース』
サスペンスや探偵ものの漫画を見ると度々出くわす「ストックホルム症候群」。その語源ともなる実在の銀行強盗事件を取り扱った本作は緊迫の銀行強盗人質事件と、スウェーデンのお国柄が出ている牧歌的なムードがある独特なクライム・サスペンスである。
大枠は『狼たちの午後』のような銀行強盗人質事件に被害者の女性と主犯のラースとのやりとりによる「ストックホルム症候群」を描いたサスペンス。ラースとビアンカのヒューマンドラマ的な要素が、意外にも銃撃戦もあり、見応え十分。
スウェーデン初の銀行強盗事件だったためか、民間の事件に一国の首相が介入しているが不思議と牧歌的な雰囲気があり、スウェーデンのお国柄が感じられる。劇中のBGMをボブ・ディランの曲で統一し、70年代の雰囲気がより増している。
目新しさはあまりないが、ロン毛のイーサン・ホークやマーク・ストロング、金髪&眼鏡のノオミ・ラパスなどメインキャスト3人がいつもと違う辺りが楽しめる。「ストックホルム症候群」という言葉が気になる人はとりあえず見るべし。
評価:★★★★