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【歌詞】紺碧の空の街

この胸の内の儚い愁いを記憶の海に沈んだ恋を
忘れさせてよ 紺碧の空に臨むこの街の風に優しく
抱かれたこの刹那に

心地良い日差しと潮の香りに誘われて
足を踏み入れた街
真紅の太陽と琥珀の月に照らされた街路
妖しく咲き乱れる花に緑道を舞う小鳥の歌
絵に描いたような美の世界が燦然と耀う

遠い国の古い戯曲のように激しく身悶える想いは
かくも美しいものに触れようと
干きもせずむしろ満ちていく

黄昏を越え暁を待つこの街の空のように
嵐の前の静けさをただ称えるばかりの心模様を
そっと波に預けて

やがて深い眠りに落ちて摩訶不思議な夢に包まれ
ここにいた「僕」という存在が解離していく

地獄の業火よりも熱くかじかんだ手よりも冷たい
羽のような手触りの海へ堕ちていく
なさがれるがままに

その海の底 光さえ差さぬ漆黒の闇に塞がれて
ただ懸命に君の名を叫び水面を求め喘ぎ嘆いた
悲しみという名の海で

この胸の内の儚い愁いを記憶の海に沈んだ恋を
忘れさせてよ 紺碧の空に臨むこの街の中で
もう二度と出逢うこともないだろう
永遠に愛しき一人の女性
この熱い胸と切ない恋はあの空の深い青に託すよ
朝日を受けて滅入れ

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