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【歌詞】初恋

嫌な夢の終わりは
哀しげな恋のメロディ
君からの着信音だった
それが僕を救い出した

「今すぐ会えないかな?」
君の声は震えていた
きっとまたいつもの恋人に
傷つけられ泣いているんだろう

まだ薄暗い夜更けの街を
自転車で走り抜ける
孤独に膝抱えた君が
待つあの公園まで

汗ばんだTシャツの上に
君の腕の感触をたしかめながら
ペダルをこいでいく  ただひたすら
ほんの少しでも君に触れていたくて
温もりを感じていたくて

高鳴るこの心臓の鼓動が君にも伝わり
僕の気持ちを代弁してくれたらいいのに
なんて願っても無意味だってことは
もうとっくに分かっているけど

くもりガラスのように
ぼんやりと霞んで見える
君の心の中に入り
痛みを取り去ってやれたら…

だけど僕が君に実際
してあげられることは
何も聞かず背中に君を
乗せて走ることだけ

他の誰かの指が君に
触れている瞬間を想像すると
胸に激しい嫉妬がこみ上げ
何もかも手につかなくなり
全てを投げ出したくなる

かといって君を連れ去るほどの
勇気もない臆病者の
僕が言えばすべては戯言になる
どこまでも役立たずな自分に
言葉すら見当たらなくて

あの頃僕には
欲しいものがあった
それはお金では買えないもの
どんな犠牲だって
喜んで背負った
ただ君の愛を手に入れられるのなら

汗ばんだTシャツの上に
君の腕の感触をたしかめながら
ペダルをこいでいく  ただひたすら
ほんの少しでも君のその心に
温もりを感じてほしくて

高鳴るこの心臓の鼓動に乗せて
君に伝えるから
僕の「愛している」という
揺るがない気持ちを
いつの日か歓びのメロディ
二人で奏でていけるように

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