達人になる第一歩は? 2021 東京都立小石川中等教育学校
「令和3年度 東京都立小石川中等教育学校の適性検査問題の出題の基本方針等」
というものを発表していますが、ありきたりな書き方で本当の思いが分かりにくいと感じました。素材が非常に良いだけに、このシンプルな書き方ではもったいないと思うのでその辺も勝手に想像して解説したいと思います。
今回は、非常に興味深い文章を採用していると感じたので採り上げました。
下記の2つの文章
村田沙耶香「となりの脳世界」
河合隼雄「『出会い』の不思議」
こんな人の育って欲しい、というメッセージのように感じるのは私だけでしょうか。
「好む」者は、つまり「やる気」をもっているので、積極性がある
構えると打撃面が見えない「小鼓」という楽器。
つまり、自分がどういう動作で、面を打っているのか分からない、ということ。野球では「ボールをよく観れるようになったらそれに比例して打てるようになる」と言われるが、これが通用しないということです。
「小鼓」では、自分で打つ面をイメージし、打つ動作をイメージすることしか出来ない。
日本の伝統芸能、伝統武道、それだけでなく世界で活躍するスポーツ選手に共通しているのが、実は「脱力」なのです。
私自身が専門としてきた分野のため、特にいろいろと考えてしまいます。
「知る」:「好む」に至っていない段階。(これはなんとなく分かるかと思います。)
「好む」:次の「楽しむ」段階にはまだない状態
「楽しむ」:この「楽しむ」は非常に深い意味が込められていると感じています。
だから、「理想像」と書かれています。
伝統芸能の「鼓」ですから、「知る」「好む」「楽しむ」だけではなく、「守」「破」「離」という言葉もが念頭に置かれてもいるでしょう。
なんでもそうですが、「好む」の段階にはいつ入れるでしょうか。この辺も、家族でわいわい言いながら一緒に考えてみると面白いかもしれません。
解答に関して少し触れますと、3つの段階の「定義」をしっかりと読み取った上で、その「定義」から段階を判断する。こういうことが求められています。
「定義」の確認は、仕事をしていく上で、日々本当に大切なことです。
超一流になるための第一歩、達人になるための第一歩とそこまでの道のりを読ませているのが非常に興味深いと感じました。非常に興味深い2つの課題文でした。
(出題者は、この味を塾に解説して欲しいんやろなぁ、と思いました。)