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【映画感想】ジョン・F・ドノヴァンの死と生

久々のドラン作品。自宅でNetflixで鑑賞しました。

ドラン監督は心の中で血の涙を流している人の描き方が本当に上手いなと思います。

◆あらすじ:ジョン・F・ドノヴァンという人気絶頂の俳優が若くして急死。
11歳の少年ルパートとの文通を通して明らかにされる、スターの光と闇とは…

本編は雑誌記者と大人になったルパートとのインタビューおよび回想シーンの繰り返しで構成され、場面転換が多くて疲れませんでした。
ルパートによる語り部形式だったのでわかりやすく、閑話休題のバランスも良くて、2時間すーっと観ることができました。
幼きルパートの役は『ワンダー君は太陽』のジェイコブくん。
ジェイコブくん、人生何周目なんだろうと思うほど演技がうまい。

人間が本質的に孤独であるということ。
ジョンは誰からも理解されない苦しみを、いつも人間関係の序盤で理解してしまいます。
そこで「理解してもらおう」と思いをぶつけたり打ち明けたりすることはなく、寂しげに微笑み内にこもることを繰り返します。
観ていて思うのは、「それって頭のいい人にしかできないことだよな」ということ。
ジョンがもっと馬鹿だったら、もっと直情的だったら、もっと無鉄砲だったら…
あんなに寂しい表情で人生を終わらせなくてもよかったのかもしれません。

とはいえ、そんな性格になったらジョンがジョンではなくなるし、ましてやルパートと文通を始めるなんて繊細な出来事は起こらないので、そういうさだめのもとに生まれてきた人なんだろうなぁ。
などと、架空のアイドル俳優に想いを馳せずにはいられないほど、終始胸に迫る映画でした。。。

Stand by meの場面だけは唐突にお涙ちょうだい雰囲気ダダ漏れシーンになってしまって、思わず声を出して笑ってしまった。
しかもその後は何事もなかったかのように元の静謐な雰囲気に戻り…ドラン監督、あのシーンの時だけ疲れちゃってたのかしらと思ってしまった。
大きな感情の発露は突然に、みたいな意図?なんだったんだあれ。
冒頭のアデルのシーンは超超かっこよかったです!

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