中小企業 2代目、3代目経営者のデジタル改革奮闘記:第17~20回 公開
今回は伊香保温泉街にあるホテル松本楼(群馬県渋川市)の代表取締役社長である松本光男さんと女将の松本由起さんに取材を試みた内容を紹介したい。
株式会社ホテル松本楼(まつもとろう)は松本楼や洋風旅館ぴのんなどの旅館業をはじめ、セントラルキッチン・伊香保ベーカリー本店や湯の花パン石段店の企画・運営など経営多角化を進める。ホテル松本楼は、1964年の創業。60年にわたり、多くの観光客に愛されてきた。伊香保温泉に湧く「黄金の湯」「しろがねの湯」を楽しむことができる大浴場、露天風呂がある。2024年6月現在、正社員とパート社員を含めて112人。2023年の売上は、8億7千万円。2030年のビジョンとして「グループ10店舗」を掲げている。
松本光男社長は、3代目。創業者の孫に当たる松本由起さんとの結婚を機に、後継者となるべく2008年に入社した。今回の取材は、2人が同時期に同じ場所で回答する形で進められた。
前編のもくじ
洋食店からホテルの経営へ
創業者である祖母の突然の死
英国留学で旅館経営を学びつつ、事業アイデアを温める
「洋風旅館」にしたいきさつ
帰国後はやる気が空回りし、精神的ストレスに
危機の中、「洋風旅館ぴのん」をスタート
毎日が楽しくなり、がむしゃらに働く
まずは、社員からの信頼を得ることに専念
中編のもくじ
2代目の苦労
改革に反対するベテラン社員
深刻なアクシデント
1人1役から1人3役に
ベテランが10人退職
85人のうち、30人が退職
2代目の父と母から、3代目の夫婦へのバックアップ
人を大切にする経営に
後編のもくじ
正社員の若返りを図る
若い人の採用をするが、新たな問題が生じる
旅館甲子園で、若手の育成に自信を持つ
社員の親からの厳しい一言
社員の家庭を訪問
入社前に保護者とホテル松本楼で宿泊
売上10億円を突破する仕組み
社員が自発的に仕事をしていく仕組みにしたい
完結編のもくじ
2代目から否定をされたことがない
10億円を超え、仕組みが出来上がりつつある
ITデジタル化の本当の目的
自動精算機を導入した大きな理由
セントラルキッチンとECサイトをスタート
社員からの意見や提案を否定しない
フランクな組織をつくるために心がけていること
意識しているのは、常に改善をすること