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国が雇用システムを大改革し、企業は真の人的資本経営を

一時は4万円台に乗った日経平均株価だが、ここのところ波乱含みの展開を見せている。8月には、驚異的な下落幅を記録した。
「この先も、楽観はできない」と指摘しているのが、立命館大学 経営学部・大学院 経営学研究科 教授の守屋 貴司氏だ。2025年以降には、大きな経済変動があり得ると予測する。アメリカ大統領選やB R I C Sの台頭、中東危機、アメリカ経済の後退などを背景として、大暴落となると日本経済はもちろん、新NISAに浮かれた投資ビギナーにも大きな打撃となる。
だが、守屋氏は日本には「もっと本質的な課題がある」と語る。その危機感に目覚めなければ、日本の存立そのものが危うくなるというのだ。


インタビューの前編では、日本経済の危うさや日本企業の問題点などを聞いた。
【前編はこちらから】

■前編の目次

  • まだまだ日本企業は認識が甘すぎる

  • 日本企業は空手形を打っているだけ

  • 「働かないおじさん」を生み出した人材劣化の日本企業の責任


インタビューの後編では、AIバブル崩壊の可能性や中小企業経営者への期待などを聞いた。
【後編こちらから】

■後編の目次

  • AIバブルの崩壊に次いで、大恐慌が到来する可能性がある

  • 日本は駄目な国として塩漬けにされている

  • AIへの対応には日本企業だけでは限界で、雇用保証の大改革が必要

  • 日本の自主独立を担うのは、中小企業の経営者


守屋 貴司 氏
立命館大学 経営学部・大学院 経営学研究科 教授

1989年、商学修士(関西学院大学)、2004年、博士(社会学 立命館大学)。1992年、奈良産業大学(現・奈良学園大学)専任講師、94年助教授、99年教授、2005年、経営学部長を経て、2006年より立命館大学経営学部教授。2018年より立命館大学事業継承塾副塾長。
京都府最低賃金審議会公益委員、日本労務学会機関誌編集委員長、日本経営学会理事、全国ビジネス系大学教育会議理事、人事実践科学会議共同代表理事などを歴任。2020年より一般財団法人アジア太平洋研究所上席研究員。2022年4月から2024年3月まで京都先端科学大学大学院ビジネススクール特任教授。専門は人的資源管理論、経営学、社会学。
主な著書は『人材危機時代の日本の「グローバル人材」の育成とタレントマネジメント 「見捨てられる日本・日本企業」からの脱却の処方箋』(晃洋書房)、『価値創発(EVP)時代の人的資源管理:Industry4.0の「働き方」と「働かせ方」』(ミネルヴァ書房)など。