個人目標・成果指標設定の仕方
評価シートには、社員の年間を通じての目標とその評価基準である成果指標を設定します。
ラインマネージャーは新たな評価年度開始までに部下と一緒に、個人目標と成果指標を一緒に作成し合意形成します。
大切なのは、評価シートは会社が社員を評価する為だけでのものではなく部下の成長のためのシートであるという点です。従って、JOB Scopeでは、評価シートを社員の成長を促進するものという位置づけで「キャリアアップシート」と呼んでいます。
上司は、作成した部下のキャリアアップシート内に定義した目標に対して一緒に伴走し、年間を通じて目標達成を支援するだけでなく、期末においては正しく評価しなければなりません。従って、目標設定は部下が成長する上でも非常に重要であることに加え、昇給・昇格につながる評価と連動するので、しっかりと目的を持って作成しなければなりません。
ここで上司は、部下と一緒に以下の点を確認して目標設定する事が望まれます。
目標の「目指すべき方向性」の確認
現状把握からの目標とのギャップ共有(理想と現実のギャップ)
埋めるべき課題の確認
ゴールを達成するためのタスクやアクションなどの「努力の方向性」
目標達成までの年間を通じての「マイルストーン」
当然ですが、⽬標は有意義である事。さらに具体的な⾏動に結びつくものであること。そして部下の目標達成に向けた意欲が感じられるものであることが理想的です。
⽬標を正しく、適切に設定できれば、目標達成にむけた不安、曖昧な思考や判断を防ぐことができます。
さらに個人目標であっても目標達成する為の指針となる明確なビジョンが必要です。
何の計画も立てずに、やみくもに目標設定して後は頑張れではあまりに無責任です。特に社会経験が少ない若手の場合は、目標の意義や成長の必要性を内外環境から説明します。
特に若手の部下に対して重要なのは、
どうすれば目標達成できるのか?
どの達成レベルであれば評価が得られるのか?
を合わせて示してあげる事もポイントです。すなわち、成果指標を明確にすることです。
ベンチャー・キャピタリストのジョン・ドーア氏は、効果的な成果指標は「具体的かつ、期限が設定されており、意欲的・挑戦的なものだけど現実的に達成可能なものである。そして、測定と検証が可能なもの」としています。
ここで、成果指標は定量的に設定しましょう。
例えば、営業企画部門の社員の場合
「目標:マーケットに新規サービスのブランド認知を浸透させる」
とした場合、成果指標の例として、
◎成果指標1:
2022年会計年度末までに、WEBからの申し込みを月間20件以上」
◎成果指標2:
Google検索で5位以内へのランキングを2022年末までに達成する」
などのように、数値目標と期限を設定する事です。
目標は、部下の成長への刺激となります。
「モチベーション3.0」の著者で、ダニエル・ピンク氏は「人は、前に向かって進んでいる時こそモチベーションと積極性を発揮する」と指摘しています。
すなわち、部下が知識を増やし、⾃分を高め続けていくことが出来る事が重要です。上長は、これらを、部下と一緒に年初に作成しますが、これで終わりではありません。
部下が目標に向かってどれだけ進んでるのか?
課題はないのか?
不明な点、やり方が分からない点が無いのか?
不安や心配は無いか?
などの確認も含めて振返りのミーティングを行い、改善ポイントや成長状況を把握することが求められます。
多くの企業は通期や半期、四半期の評価となっていると思いますが、最近欧米では、1on1の振返りミーティングは月次で行う事が良いとされています。特にテレワークが一般的になって働き方も多様化している今日においては、オンライン面談でもよいので従来以上に頻度を多く面談するのが推奨されます。
JOB Scopeの、社員の目標設定と評価の仕組み「キャリアアップシート」では、社員の年間の目標設定、評価期における成果指標、自己評価、上長との振返り面談他、成長支援の仕組みが多数サービスに組み込まれています。
執筆:JOB Scope 編集部