誰も教えてくれなかった就活、適職。
JOBRASSのマツダです。
「中田敦彦のYouTube大学」で「科学的な適職」(鈴木祐 著)が紹介されました。就活している方、これからする方にとっては、ぜひ一度見ていただきたい内容でしたので、共有します。そして、就活生にとって、適職を把握するにはどうすべきなのか、一考してみました。少しでも参考になれば…。
1.超要約すると、こういうこと
視聴は前編後編で60分強あるので、要約します。
というか、敦ちゃんの板書が簡潔にまとまっているので、板書を見るだけで内容は理解できるはずです。
① 仕事は「感覚的」ではなく「科学的」に選ぶのだ。
② 従来の選択方法は幻想であり、それは統計的に適職ではない。
③ じゃあどうすればいいの?実は適職は『7つの徳目』で選べる。
徳目=「裁量・進歩・タイプ・明確さ・多様性・仲間・貢献」
2.経済予測は「専門家でも50%」という真実を補足。
専門家だろうが素人だろうが、先を見通すというのは難しいことです。過去のバブル崩壊、山一證券倒産、ライブドア事件、リーマンショック、今回のコロナ影響など、人類には多くの「想定外」があったことは事実です。
ましてや、新卒入社で仮に40年働くとして、40年の間に、経済がどうなるか?会社がどうなるか?自分がどうなるか?・・・なんて分かるわけないじゃないですか(私だって新卒で入社した会社を2年も経たずに辞めるなんて、入社する前は思わなかった…笑)。
じゃあ業界の成長性や企業の将来性を全く考えなくてもよいのか?というと、そういうわけではないと思います。経営状況の悪化したり、先行きに不透明感がある場合、日々の仕事における「裁量」や「進歩」などの徳目にも制限がかかると考えます。つまり、「適職」が「適職」ではなくなる状況・環境下になってしまうという危惧です。
最低限の事業存続性を見通すには、こちらの記事(日経電子版)が参考になります。非上場で企業の財務体質がわからないという場合は、ビジネスモデル{何を(商品)・誰に(客)・どうやって(方法)・どのタイミング(時期)で売っているか?}を考えた上で、上記の記事を読んでみてください。
即ち「伸びる業界に就職する」ことに囚われてはいけませんが、最低限の「将来性・成長性」は調べておきましょう、ということです。
3.「7つの徳目」をどうやって把握するか?
科学的な適職に就くための「7つの徳目」。
企業を選ぶにあたって、どうやって徳目を把握できるか、考えてみました。
実は私、マツダの話になるのですが、マツダの業務に「査閲」というものがあります。査閲とは、ざっくりいうと、求人を募集する企業の求人票(給料や仕事内容などの募集要項)が適切な表記・内容かチェックする仕事です。毎日のように求人票を査閲しているので、事例を交えてお伝えします。
★ 把握が難しい
≀
★★★★★ 簡単に把握できる (※偏見で考察)
3.1 裁量権はあるか?…★★★★★
これは「仕事内容」をしっかりヒヤリングすることで裁量権の有無は見えてくるはずです。例えば、下記の営業職の仕事内容では裁量権はあるように思いますか?
入社後はOJTで先輩社員の商談に同行し、議事録作成からスタート。
定期的に既存顧客を訪問し、導入品のチェックと新たな提案をします。
一方で、最近では「1年目からの裁量権」をPRする企業が、特にベンチャー系に多いと感じます。HPや求人票だとこんな文言が多いです。
1年目から自分の企画~開発まで実行できます。
経営陣との距離が近く、意見を伝えやすい環境です。
1年目から子会社の社長や事業責任者になった方もいます。
個人の感覚値ですが、こういった企業はフレックス制の導入や、オフィスがやたらオシャレでフリーアドレス(自分の席が固定ではない)なのも多いです。一方で、従業員数が数百人を超える企業や設立20年以上経っている企業の場合、事業が確立し業務の効率化を進め、ルーチンワークが多い印象です。ただ、ルーチンワークをとる会社は、部署異動や配置転換などローテーション制をとっているところも多いです。今度、正確に集計してみたいと思います。
もちろん企業規模だけで決めつけはよくありません。「裁量」は、「仕事内容」や「1~3年目の役割」をしっかりヒヤリングすることで知ることができるでしょう。
3.2 進歩している感覚はあるか?…★★★★
職種で考えると、目標数字の付く「営業職」だと、わかりやすいです。そのほかの職種であっても、「どういったスキルが身につくか?」「何ができるようになるか?」というところに着目すれば良いと思います。
注意してほしいのは、
世界で活躍できるビジネスパーソンを目指します。
市場価値の高いビジネススキルが身につきます。
など、抽象的な表現がある場合。日々の業務で「また今日も世界で活躍できるパーソナルスキル身につけたわぁ」とはなりにくいです。「抽象は具体に」「定性は定量に」落とし込むことで、どんな進歩が可視化できるかを考えてみましょう。
もちろん自分にとって「どのような進歩が望ましいか」を考える必要もあります。
3.3 攻撃・防御型のタイプは合っているか?…★★
シンプルだけど、難しい。
攻撃型と防御型。「とりあえずやってみよ!」の攻撃型、「それって本当に必要ですか?」の防御型。これは本当に自分のタイプが合わないと苦労しますが、仕事経験のない学生が見抜くのはなかなか難しいと思います。
例えば、営業職だからといって「攻撃型」が向いているとは限りません。
飛び込みやテレアポで、とにかく行動量を稼ぐ会社。
Webマーケティングやアナリティクスを基に戦略的営業を行う会社。
完全反響型で、相談をしながらニーズを引き出し提案をする会社。
さまざまです。ちなみに、社員全員が攻撃型もしくは防御型ということは、組織として成り立ちにくいので、ほぼありえません。
就活生にとって、タイプを見抜くために「御社は攻撃型ですか?」とは聞けないので、こんな質問をしてみるのはいかがでしょうか。
「御社の●●の仕事をされている社員さんは、『まずは動くタイプの方』が多いですか?『考えたり相談してから動くタイプの方』が多いですか?」
3.4 内容と報酬は明確か?…★★★
「収入・賞与が高い」「評価基準を明確に定めている」企業というのは、その情報を積極的に開示しています。求人票やHPでよく見かけるのは、こんな感じです。
四半期に1回上長との面談を実施し、評価のフィードバックを行います。
結果だけではなくプロセスも定量評価とし、賞与に反映します。
3年目で1000万円プレイヤーもいます! など
曖昧な表現もありますが、情報公開している企業に対しては、
「HPで3年目で1千万稼ぐ方がいらっしゃると拝見したのですが、具体的にはどのような活躍をされているんでしょうか?」
と質問がしやすいかと思います。逆に、「評価基準」や「成果への対価」を積極的に公開していない企業は、ブラックボックスになりがちです。
「早くキャリアアップしたいのですが、差し支えない範囲で評価制度について教えていただけませんか?」
「頑張って早く成果を上げたいのですが、高いインセンティブを貰っている方は、全体でどのくらいいらっしゃいますか?」
など、自分の意欲と意図をアピールしつつ、やんわりと聞いてみると良いでしょう。
3.5 業務はバラエティがあるか?…★★★★★
業務の多様性というのは、「裁量」にも近しいと思うので、割愛します。あくまで私見を述べるなら、業務がバラエティに富んでいない職種は、人間から機械に置き換わる仕事になりやすいものだと思います。
ちなみに今後10年で95%の確率でなくなる仕事と言われているのは、
電話営業、保険事務員、データ入力係、銀行窓口、モデル、飲食業の店員、一般事務員、ネイリスト
とのこと。あくまで参考にしてください。(「雇用の未来」マイケル・A・オズボーン著より)
3.6 自分と似た人が多いか?…★
これは、入社しないとわからない。
現実には「一度あったら友だちで♪毎日あったら兄弟♪」とはなりません。
学生の声でよくあるのは「こんな素敵な人事の方と働きたい」意見。しかし、採用戦略的に「素敵な方」を採用担当に配置している企業が多いです。
また嫌な話ですが、就活の節々で出会う社員の方は、基本的には「いい先輩」を演じますし、ここも「いい先輩」を人事が配置するのです。
最終的には、内定を貰って、同期と会う、配属されるまでは「仲間が自分と似ているか」というのは分からない、というのが結論です。ただし、採用側は「ペルソナ」=求める人物像、を基に採用活動を行います。結果論として、能力・志向性・素養が同等の方が集まるので、仲間になりやすい可能性は少なくないはず。
3.7 他人の生活に影響を与えるか?…★★★★
逆に、存在意義(貢献性)のない仕事を探すのは難しいと思います。
ただ、その度合いは大いに異なります。内容でもなく、給料でもなく、その仕事の存在意義を熱く語れる人ほど、充実度は高いのかもしれません。
昔の友人と集まるたびに「仕事どう?」「やってらんねーよ。顧客がさあ…上司がさあ…残業がさあ…」と毒づくほど幸福度が低いのは目に見えてますよね。
非科学的な話ですが、意義を感じて仕事をしている社員とそうではない社員は、話をしていると結構見抜けます。「仕事のやりがい」「うれしかったこと」「今後の目標」などを聞いて、本人の言葉で熱く話せているかどうかは、貢献性を探る上で見極める質問となり得るでしょう。
番宣(告知)…キミの代わりにボクが聞く
あんまり自社サービスの告知とかはしたくないんですが(笑)、就活生向けのサービスに「就活カウンセリング&企業紹介(無料)」があります。
就活生の悩みや課題を解決しつつ、JOBRASSと取引している求人企業の中から就活生にあった企業を紹介するサービスです。
なぜこのサービスを告知するかというと、適職を知る上で「企業に聞きづらい」ことが多々あると思うのですが、それをエージェント(採用代理人)がしっかりヒヤリング&リサーチしてお伝えできるという特徴があるからです。
そんなわけで、もし適職を見つけたいという方で、手伝ってほしいという方がいれば、ぜひコチラにお越しください。
それでは、また。お読みいただきありがとうございました。