研究室を脱出せよ!〜ポスドク転職物語〜【はじめに】
読者のみなさまは「ポスドク問題」というものをご存じでしょうか?
簡単に言ってしまえば、せっかく大学院の博士課程まで卒業したにも関わらず、就職先となる大学教員の定員はいっこうに増えず、したがって職にあぶれている研究者(=ポスドク)が大量にいる、という問題です。
こうした人々は、頑張って常勤のポストを探すか、任期付きのポスドクのポジションを渡り巡るか、はたまた民間企業への転職を目指すか、と様々な選択肢が考えられます。
これからご紹介するストーリー、「研究室を脱出せよ!ポスドク転職物語」は、そのような中でも民間企業への転職を目指すことにした「僕」が、研究室や転職市場の中でもまれつつ、気づき、吸収していく様子を記した物語を描いています。
現在転職活動を考えていらっしゃるポスドクや特任助教といった方はもとより、就職か進学で悩んでいるバイオ系の学生やアカデミアの環境に疲弊している若手〜中堅の研究者にとっても何かしらの気づきを感じ取っていただけるような内容となっております。また、理系の研究室という普段はあまり見聞きすることのない世界を当事者ならではの視点で折り込みましたので、ご興味のある方は是非一読していただければと思います。
内容はあくまでもフィクションであり、ここに描かれた人は「僕」を含め、すべて架空の人物です。とはいえ、エピソードの多くは私自身が2010年頃に転職活動をした際のできごとをベースにしています。そのような、当事者からみたリアルな「ポスドク問題」を、面白く描いていければいいかなと思っております。
さて、物語は研究発表会がおこなわれている会議室から始まるようです。。。
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