【マネジメント】推論のはしご
ある本を読んでいて、この言葉が出てきたので興味を持ちました。
細かい内容については以下の説明に譲りますが…
「推論のはしご」とは、思考のプロセス
推論のはしご、とは、
現実の世界を、
選択的に観察し、
解釈し、
仮説を立てて、
結論を出す、思考プロセス
のことだそうです。
人間はこの思考プロセスを数多く経験することにより、「○○なら、△△になるものだ」というメンタルモデルを頭の中に創り出し、それに従い瞬時に判断して行動をする習慣を持っているそうです。
瞬時にこの「はしご」を登りたがる人達
会社の中で、特に自分の優位性や立場を見せつけたい人は、いかに早く状況を把握し判断し、イニシアチブを取ろうとします。
その場合、この推論のはしごを一気に登ろうとします。
つまり、現実で見ているものに対して瞬時に結論を出し、行動に移します。
しかしこの推論のはしごのプロセス、起きている現実と、結論・判断・行動の間に大事なプロセスがあります。それが観察、解釈、仮説です。
この観察、解釈、仮説が無いとどのようなことが起きてしまうかというと、例えばマネジャーが部下にあたるメンバーが何か失敗したり、進捗がおもわしくない場合に、「またか」「おまえはそういうやつだ」「使えないから配置転換を人事と相談しないとな」と、間の事情や状況を踏まえず、駄目な奴と決めつけてしまうということがおきます。
そのマネジャーが現実を見て即判断したことは本当に正しいのでしょうか?
これが推論のはしごを瞬時に登ろうとする状況です。
もしかすると、失敗の原因は上司の指示が曖昧だったかもしれません。進捗がおもわしくないのは、どうしても他の人の協力が得られなかったのかもしれません。
このような思い込みや固定観念が、本来見るべきところをスキップしてしまい、マネジャーとの関係性が悪くなり、職場の心理的安全性も低くなってしまいます。
はしごをゆっくり登る
失敗や想定外が起きると、瞬間的に動揺したり、怒りを感じてしまったりして、冷静さを失ってしまうかもしれませんが、起きていることを捉え直しましょう。
相手を責めるのではなく、問いかけにより「推論のはしご」をゆっくり登ります。
事実を確認し、事実に意味づけをして(解釈して)、何故そのようになったかを、解釈と自分の経験から仮説を立てて推論することで、起きていることの本質を捉え、あるべき対応が取れるようになります。
このように感情任せではなく問いかけること、ちゃんと納得できるようなロジックで状況を捉え、対応していことで、マネジャーとメンバーの間に信頼関係も生まれ、職場の心理的安全性も高まります。
「推論のはしご」をゆっくり登るアプローチは、コーチングの対話にも通じるところがあると感じます。
思い込みや一般化、レッテルは一旦横に置き、対話することで事実を把握し、解釈をすり合わせ、クライアントの価値観や経験、強みを棚卸して、次にやるべき・やりたい行動を決めていくことで、目標達成に向かうことができます。
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