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【書評】新 コーチングが人を活かす

私がコーチングの勉強をしていた、コーチ・エィの代表取締役社長の鈴木さんの著書です。

読みっぱなしで(失礼…)感想も書いてなかったので書いてみます。

中に書かれていることは、まさに私がコーチ・エィで学んできたコーチングのことを、とても簡潔にまとめていて、わかりやすくて読みやすいです。コーチングのことを知らない人でもサクサク短時間で読み切れます。

私はもちろんコーチ・エィではもっと深く濃く学んでいますし、やはり実際にコーチングの実践があってこそ身につく、そして新たな学びがあるものなので、この本の表面だけなぞっても、コーチになれるかというとそれは違うかなと思います。(大事なのは実践を積んで、自分のコーチングスタイルをものにしていること)

しかしこの本は基礎的なところが整理されてポイントは押さえてあるので、自分のコーチングをふりかえったり、思い出すときには手軽に見返すことができます。

マネジャーやリーダーの人が、まずちょっとでも会社の組織やチームの中でコミュニケーションを改善しようとか、ちょっと気になることがあるからやってみようとか、部分的でもよいので試すのは良いかなと思います。

本の構成・流れ的は以下のようになっています。

  • 相手と自分の発見をうながす

  • 相手と信頼関係を築く

  • 目標設定に目を向ける

  • 視点・切り口を変える

  • 主体的な行動をうながす

  • コーチングの達人に向けて

  • チーム・組織に対話を引き起こす

「相手と自分の発見をうながす」から「主体的な行動をうながす」あたりまでは、ほとんどが自分がコーチ・エィの授業の中で習ってきたことでした。

ただ、この本を改めて読んでいくと、いくつか「そういえば自分ではまだできていないな」と思う項目がありました。

その中でも「視点・切り口を変える」のところのテクニックとして、「クライアントにコーチになってもらう」というものがあります。これは文字通り、コーチングのセッションの中でクライアントにコーチになってもらって、コーチがコーチングを受けるというものです。

自分(クライアント)がコーチ役としてコーチングを行うことにより、自分以外に関心を持つことができ、新たな角度や異なる視野で考える機会を与えることができます。

これは自分の実践の中ではまだ試したことがありませんでした。
そしてよくよく考えてみると、コーチ・エィで自分に1on1のコーチがついていたとき、あるセッションの会はコーチとクライアントを入れ替えて行ったときがありました。

実践の場が少なかったのもありましたが、コーチのプロ相手に自分のコーチングを行うことはなかなかありませんでしたし、確かに自分も相手のクライアント役になっていたコーチの方も「新しい気づきがありました!」とそれぞれ何か少し前に進んだような感触を感じたのを思い出しました。

なのでどこかで自分も「クライアントにコーチをやってもらう」を実際に試してみたいと思います。

本の内容に戻りますが、「コーチングの達人に向けて」のところは、より高いレベルのコーチを目指すためのポイントが書かれていました。

クライアントの目標達成と成長を支援していくコーチ自身がエネルギッシュでフラットで高い視座から物事を見られる人であること。かつ「この人にコーチングしてもらいたい!期待したい!」とクライアントに思ってもらえるように自信を持つことが大事であることが必要であることを改めて気づかされました。

実際は自分はまだまだなところがあるな、まだ勉強しなきゃな、と思うところはありますし、それを謙虚に思い続けることは必要です。しかし、クライアントの前に立ったときに不安げな雰囲気や自信のなさは、相手にしても「この人にコーチングしてもらって大丈夫かな?」と思わせてしまうかもしれません。
失敗を恐れず、誰かうまくやっている人の真似でも良いので、自分の理想を抱きつつ自信ありげにコーチングをやっていくことで、相手からの信頼されて、結果的に自分自身のものになっていくものだと思います。

最後の「チーム・組織に対話を引き起こす」はコーチングというより、組織コミュニケーションの設計や開発に近い印象です。むしろこれが何故できてない組織やチームが多いのか?まずここから変えていかないといけないのでは?と思わされるところでした。(もちろん、なかなか難しいお題目ではあるのですが…)

クライアントを持つコーチも、コーチ以外で組織マネジメントをしているマネジャーやリーダーにも手に取って欲しい本でした。

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