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【コーチング】トーチングで心に火を灯す
トーチング…こんな言葉があるのを初めて知りました。
コーチングとも違うトーチング
先日、FOOTxBRAINという番組を観ていたら、トーチングについて特集されていました。
ちなみに私は特にサッカーが好きなわけではなく、妻が海外サッカーが好きでたまに会話としてするくらいやワールドカップの日本戦を観るくらいの興味範囲です。
ただ、FOOT×BRAINは単なるサッカー番組ではなく、サッカーやその周辺のビジネス、組織論、監督やコーチ、審判に注目したりと幅広く扱っており、自分の仕事や教養の幅を広げてくれるので、比較的よく観ていたりします。
番組に登場されていた神保さんはファーストリテイリングの人事採用部門に在籍していたことがあり、上席執行役員までされて、今は株式会社トーチングリレーという会社を立ちあげ、「無料で」トーチングを行っています。
(どこでマネタイズしているの?と思うかも知れませんが、無料であるからくりは、「私たちができること トーチング」のページを見るとわかります)
何がコーチングと違うのか?
それはトーチングの説明のところにあります。
山を見つけるための「松明」。
山に登るための「松明」。
それは、悩みに向き合い、心に火を灯すための「松明」です。
松明は英語でtorch(トーチ)と訳され、
torchには「松明の火で照らす」という動詞の意味もあります。
だから「悩みの渦中にいる人に、『松明』を手渡すこと」を、
私は「トーチング(torching)」と呼ぶことにしたのです。
そして、
「教えること」に主眼を置いたティーチング(teaching)や、
「引き出すこと」に主眼を置いたコーチング(coaching)ではなく、
私は「心に火を灯すこと」に主眼を置いたトーチング(torching)をやっていきたい。
コーチングの「引き出すこと」とトーチングの「心に火を灯すこと」との間にどのような差があるのか、正直触りだけでは私はよく分かりませんでした。
暗闇の中にいる人を松明(トーチ)で照らして導く
最初はよくわかりませんでしたが、この一文を読んで気づいたことがあります。
私たちは、相談にいらっしゃった、まるで暗闇の中にいるような思いをされている人に、「松明(トーチ)」を手渡し、心に火を灯して帰ってもらう。この活動を、ティーチングでもなく、コーチングでもなく、「トーチング」と呼び、まったく新しい産業として確立することで「心の火が消えている」という目に見えない社会問題を解決したいと考えています。
なるほど、火が消えている人というのがポイントのようです。
確かに、コーチングによる「引き出す」ということが効いてくるのは、
まだ心に灯が灯っている人
漠然とはしていても、なりたい姿・目指す目標が見いだせそうな人
コーチングによって自らより良くなろうとしている人
コーチャブル(謙虚)な人
だと理解しています。
トーチングについては文面からすると、
そもそも心の火が消えて真っ暗闇の中にいる人
何をすれば良いかわからない、何からはじめればよいかわからない人
自分の進むべき道が自分では見いだせない人
に効いてくるのかなと理解しました。
トーチングの紹介には「山の登り方を一緒に考えます」「登る山を見つけるためのお手伝いをします」とあるので、一見コーチングとさほど変わらないようには見えるのですが、コーチングとトーチングでは対象ユーザが実は異なっているように感じます。
コーチングよりもトーチングは、キャリアや目標といった話に絞らず、漠然とした悩みを一緒に解決するというコーチングの手前にあるプロセスのように感じます。
実際、トーチングとはどういうものか?
トーチングを無料で受けるにしても審査があるようですし、審査が通っても数ヶ月以上待ちだそうです。(そしてここが「無料」であるからくりなのですが)待ち行列の優先度を上げる方法として、エグゼクティブトーチングがあり、それなりのお金(10万円/90分)を払うと早く受けることができるようです。
いきなり10万円払って体験してもいいのかもしれませんが、それでもすぐできるとは限りませんし、深く入り込む前に、ここはリーンな自分として、安く早く学びを得るスタイルを取ることにしました。
1本500円売り切り(ただし2週間の閲覧期間)のコーチング日記というのがあるので、まずそれを自腹を切って読んでみることから始めてみました。
(これもまんまとマネタイズポイントに引っかかったのかもしれません・笑)
このトーチング日記は、トーチングを受けているある人と神保さんのトーチングの会話内容が文字に起こされています。
もちろん詳しい内容は書けないのですが、私が感じた印象は、神保さんの洞察力の凄さという点です。
コーチングのように傾聴して多くを相手に話をさせて、自ら気づきを得てもらうというスタイルというより、神保さんはある程度相手の話を聞いた後、「さてここからトーチングの本番。ここからは歯に衣を着せぬ言い方をします」と言って、相手がどんな人か、何故悩んでいるのか、など鋭い突っ込みをし始めます。それもかなり長文で一気にたたみ込む感じですし、信頼関係がかなりできている相手だとしてもコーチングでは絶対使わないような、言われた側はカチンと来るような言い回しもしていたりします。
(少なくとも私が読んだトーチング日記では)あまりに図星過ぎて相手の人が何も返す言葉がなくて黙ってしまい、そのうち泣き出してしまいます。
そして結果的に、相手の人も「ここまで言ってくれる人なんていなかった!ありがとうございます!」となり、まず始めにどういうところからやってみるのか?という話につながり、消えていた心の火が少し灯されたような印象を受けました。
コーチングで物足りないと思っていたものがトーチングにあるかも?
コーチングのプロフェッショナル資格は取ったものの、これまでコーチングをやってきた人達の中では、習ってきたコーチングのコアコンピタンスを守ってやっていく中でちゃんと機能した人もいれば、なかなか機能しなかった場面もありました。
コーチングは、イメージとしてクライアントになる相手の横にコーチが座って一緒に目標の絵を描いて行く、そしてその目標に向かっていくためのアクションを決めて行動変容を自ら起こしてもらって、目標達成に近づいていくものです。
しかし、コーチングはこの絵を描くために筆を持つというモチベーションがあることが前提と感じています。なので、そもそも持つ気のない人には絵を描かせられないのです。
トーチングは、その筆を持たせるために心に火を灯すというプロセスのように感じました。相手にまず持たせるのは筆ではなく、松明(トーチ)であり、まず一緒に松明を持って世界を照らし、行きたいところがどこかも照らしてあげる。
これによって、見えた世界と目的地から、ようやく筆を持って絵を描き出せるのです。
今の世の中は変化も多く、目標も立てにくい時代です。
大きな課題もなく、何者になるか?もそこまで真剣に考えていない人も多いと思います。(私もかつてはそうでした)
そんな時代には、もしかするとコーチングより、まずトーチングが必要なのかもしれません。そして、トーチングで心に灯が灯った人は、コーチングでより具体的にアクションとして動き、成りたい姿や目標達成に向かっていけるのだと思います。
トーチングとコーチング。この両方あることで、キャリアに迷う人を救える受け皿が大きくなると感じました。
(ということで、月1000円でまずトーチング日記を読みあさってみようかな…ってこれもマネタイズポイントにまんまと・笑)