朝のアトリエ活動はじめました。
8時40分。
子どもたちは登園すると、アトリエに向かいます。
アトリエに入ると、そこは別世界。
自由に使うことのできる素材が置かれ、子どもたちと世界の対話がはじまります。約45分間のアトリエ活動の始まりです。
「子どもたちが自由に世界を渡り歩き、自由に世界と対話する。そして美的感覚を育てる素材との出会いの中で、子どもたち自身が生きる世界を認知し、自分らしく生きる術の種が蒔かれること」
私たちJO BLANCOの、朝のアトリエ活動の願いです。
私たちが生きる世界には、どれだけの制約があるでしょうか。
人それぞれの人生には、それぞれの経験があり、そこからそれぞれの価値観が生まれます。
当然のことながら、個々の経験から生まれる多様性は、集団を形成する際にルールが必要であることを示し、皆が過ごしやすい環境が構築されていくものです。
しかし、恐れなく言えば、それらは大人の世界のルールです。
子どもたちの世界には子どもたちのルールがあり、その世界に私たち大人が踏み入れていることを、つい忘れがちです。
もちろん、保育園の1日を過ごす中では、社会の一員としての責任が求められることもありますが、子どもたちだけの世界が保障された時間や場所があっても良いのではないか、いやあるべきではないかと、私たちは考えています。
アトリエには、その日単位で絵の具とその他素材が配置されています。それらをどのように使い、遊びを広げるかは子どもたち次第です。また自由な感性を育むために、アトリエの部屋には使用上ルールはありません。
良い意味で、無法地帯です。
それは子どもたちの心を解放し、思いのままの世界を描いていけることを意味します。アトリエ活動後の部屋は、それを証明しています。
活動中の子どもの姿は様々です。
壁や、紙に筆を走らせる子ども。
自分の手や顔で、絵の具を感じる子ども。
遊び方は、それぞれであり無限です。
ただ、どんな遊び方であれ共通して言えるのは、”夢中”になっていること。目は輝き、心は踊り、世界に命が吹き込まれていく。そんな美しい世界を目の当たりにできます。
活動の中に、制限がないという単純な仕組みで、これほどまで伸び伸びと自分を表現できるのかと驚くばかりです。同時に、恐れのない姿勢と素材との対話の力は、もはや大人には失われているものなのかもしれないと気付かされるほどです。
彼らが生きる未来に、少しでもこの経験が灯火を与えんことを、願わずにはいられません。
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