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真っ白なキャンバスに何を描こう

キャリアコンサルタントの資格を取得しようと決意して一年と少し。そのために実際に行動に移して一年。時間が過ぎるのが早い。もっと遡ればキャリアチェンジをしようと考えだして10年が経とうとしている。

自分はそれまでは(特に若い頃は)自分のために、いわば自分の自己実現のために生きていたといっても過言ではない。しかし、様々な経験を積むうちに、自分のために生きることの虚しさみたいなものを感じるようになっていったことも事実である。

そのような考えを転換させるきっかけになったのはやはり放送大学である。放送大学で心理学を学ぶうちに、自分のように、自分以上に厳しい環境で生き、辛い思いをしている人が数多くいることを知ることができた。

そのようなことから、しだいに自分は自分のために生きるのではなく、顔も名前も知らない見ず知らずの人のために生きることが結果的に自分のためになるのではないかと思うようになった。それこそが、自分を成長させてくれる源になるのではないかと。

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本日、ン十ん回目の誕生日を迎え、現在の自分の状況を改めて省みたとき、まさかこのような状況になっていることはほんの一年前からしたら思いもしなかったことであると同時に、今さら思い返してみるといずれ来るべきときがやや早めにきたのかもしれない。

今回、初めて自分の個人としての名刺を作り、今日、その新しい名刺が届いた。それはほんのシンプルなものである。自分を形作るものはキャリアコンサルタントという薄っぺらい殻に守られたアイデンティティでしかない。自分には何ができるのだろうか。どういうことをしていかないといけないのか。

いや、そんなことはどうでもいいのかもしれない。自分がどうあるべきかなんてどうでもいいのだ。自分がどういうことをしたいかなんでどこの誰も期待していない。自分よがりはもういい加減にしよう。

この社会には数多くの人々が堪え忍び苦しんでいる。そういう人はほとんど知られていない。多くの人は自分はどう生きよう、どのように働こう、誰かにどういうことができるか、といった自分の立場からの視点をもっている。

でも自分は違う。もちろん、自分の視点で物事を見ている。しかし、それだけではなく、まずはどういう人がどういう環境に置かれ、どのような苦しみを味わい、どういうような支援を必要としているのかを少なくとも自分は見極める眼をもっていると思う。

それまでは自分のために生きていた。しかし、これからは自分のためだけでなく、見ず知らずの数多くの誰かのために生きようと思うようになった。それからもう、10年である。ようやくその夢が実現しようとしている。その前に、ほんとに高く分厚い壁が立ちふさがった。これを乗り越えるためにはどういうことが必要か。そんな風なことをあれこれ考えさせられた何回目かわからない1日を迎えた。

これからの一年、もっといえばこれからの人生というキャンバスにどういうような色を用いてどのような絵を描こうか。不安もあるが楽しみでもある。

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