My 淡路島 days_part①素敵な宿との出会い, etc.
目が覚めると、もうパートナーが仕事に出かける時間だった。
「気をつけてね~。。」
半分も開いていない目で見送ったあと、私は自分がまだ好きなだけ寝ていられることに小さな幸福を感じた。
それが例え、この社会に生きる人間として最低なのだとしても。
昨夜は、シャワーキャンセル界隈をした。
遮光カーテンを閉め切った寝室は、晴れているのかどうかすらも分からない。
でも、それでいいやと私は再び目を閉じた。
だって今日は、溜まった疲れを取るだけにすると決めた日なのだ。
疲れと言っても、それはストレスフルなものではない。
数日続いた寝不足と、吸収したものが多すぎたことによる疲労である。
わたしはこの疲労を幸福とすら感じている。
一昨日まで、私は5泊6日の小旅行に出かけていた。
というか、もともとは2泊3日で帰ってくるつもりだったのだが、いろいろあって結果的にそうなった。
_____行き先は淡路島。
昔からの友人がそこでお店を開いているので、ぜひ訪れてみたかったし、一緒に泊まりたい素敵な宿もあったし、何より半年ぶりにその友人に会いたかった、話したいことがいろいろあった。
前に淡路島に行ったときは、三ノ宮から一人バスに乗り明石海峡大橋を渡るのは初めてだったから結構ドキドキしていて、
シートベルトを締めて良い姿勢のまま、前の席についている持ち手につかまっていたのを思い出した。
でも、今回は三ノ宮で友人と合流できる予定だったから安心感がちがう。
昔から仲のいい女友達だけど、まるで❝遠距離恋愛中の彼氏に会いに来た❞みたいな感覚だった。
友人と話しながらバスに揺られていたら、あっという間に目的地に到着。
そこからは、友人の車で宿まで移動する。
その友人は素敵なかわいい車に乗っていたのだけど、今はいろいろあって知り合いから借りた軽バンで生活しているらしい。
軽バンで移動するというのもこれまた新鮮でとても良かった。
友人のちょっとファンキーチックな運転も私は大好きである。
宿に到着する前にも、友人のおかげで素敵な空間と人との出会いがあった。
自分らしい場所と服装で、自分らしく働く光景を私はしばらく見守っていた。
その方とさようならをするとき、切り火をやってくれた。
こういう些細な行動の一つひとつが新鮮でおもしろい。
宿泊先は山の上にあって、周りに飲食店などがなかったため夕飯を調達してから宿に向かった。
____『TOTOシーウィンド淡路』。
この宿は友人が教えてくれたのだが、建築家・安藤忠雄氏が設計したリゾートハウスらしい。
建築ももちろん素晴らしいのだが、TOTOのファン、というか日本のトイレ文化ファンである私にとっても大興奮の宿であった。
「わたし、トイレをつくってる会社に就職したい!!!」
そう思って、TOTOやLIXILを第一希望にしていた就活時代が懐かしい。
フロントを抜けると大階段があって、そこには様々な本が置かれていた。
「わ~これも読みたいしあれも読みたい!!あ~こっちもいいな~~~」
友人はそう言いながら、気づけば両手に持ちきれないほどの本を抱えていた。
まるでここはハリーポッターの世界なの?と笑ってしまいそうになったが、そういう無邪気なところは昔から変わらないし、これからも変わらないでいてほしい。
「絶対読み切れないじゃん。。」って思ったけど、その気持ちが大事だし素敵だよねって、一冊も持って行かない自分に現実味を感じながら部屋へと向かった。
広い!綺麗!!なにより、水回りがなんか素敵、さすがTOTO!!!
部屋の感想はこれに尽きた。
お風呂には大きなテレビモニター、明るさを無限に調整できそうな照明、そして肩のあたりからお湯が出てくる、、、これまさに夢に見てたやつだ。
そうか、世の中にはTOTOの素敵なお風呂が当たり前に家に備えられていて、毎日こうやって優雅に風呂に入っている人がいるのか、、と思ったら、羨ましさがダダ漏れしそうだった。
いつかお金持ちになって、この風呂に毎日入ってやりたい。
無職のわたしには無謀すぎる大きな野望がそのとき生まれた。
お風呂に入る前に、まずは買ってきた夕飯たちを並べてお部屋でまったりといただくことにした。
女子の世界ではこの、❝話しながらのんびり食べる時間❞が最高に楽しく、最大の息抜きだと思っている。
お互いのここ最近あった出来事、今あの人なにしてるんだろう話、懐かしい話、それぞれお腹が痛くなるくらいに笑ったと思う。
お互いのダメな話も、お互いになんとなく分かってしまって、否定しきれないところもいい、
私たちって本当に人間してるよねって。
話しぎて日付が回っているあるあるになり、友人は眠りについた。
私もそのまま眠ってしまいたかったけど、翌朝は朝食が待ってるし、私は身支度スーパー遅い人間だし、それにこの時間からお風呂に入ることはそう珍しくないような気もして、
あれは深夜1時か2時頃だっただろうか、私はお風呂にお湯を溜めた。
____ついに、憧れのTOTO風呂に入水。
照明のボタンを押してみると、「え?もう朝ですか?」というくらいの明るさになるホワイトのライトから、「ム、ムーディすぎる。。最高の夜だ」と感じるような暖かな明かりまで、自由自在に変えることができた。
大画面のテレビもすごかったけど、それに付属しているリモコンが、どんなに水に濡れてもびくともしないわけで、コイツすげえ。。ってずっと思ってた。
肩からお湯が出てくる魔法のボタンを押す。
プハーーーーーーーーーーッ
これね、これなんだね私がやってみたかったやつはさ、、。最高でした。
お風呂を上がって、友人を起こさないように就寝準備をした。
もう数時間後には、朝ご飯が私たちを待っている。
翌朝、目の下にクマがやばいことは鏡を見なくてもわかったけど、友人を起こして朝食会場へと向かった。
大人になるほど、ホテルで出てくる朝食の喜びを噛みしめられるようになる。
時々海を眺めながら、ごちそうさま。
友人が「いつかこんな宿を経営したいな~」と言っていて、本当にそうしてほしいと思った。
何度でも泊まりに行くよ。
朝ごはんを食べ終わって部屋に戻る前に、ホテル内を散策することにした。
昨夜チェックインした時には暗くて分からなかったホテルの全貌が見えてきた。
まずはロビー。
昨夜はもう暗くて外が見えていなかったけど、友人が大量に本を抱えていた場所の目の前には、パノラマビュー、海の絶景が広がっていた。
最高すぎる
そして、他にもプールがある場所やテラスなどを散策して、私たちは部屋に戻った。
私は眠い目を無理やり開けながらメイクをしたりパッキングをしたりしていたが、友人はもう少し寝る!!!と夢の中へと消えていった。
彼女のとなりには、昨日両手に抱えてきた本たちが読まれないまま積まれていて、微笑ましく思った。またここに来て読まないとね。
出会いがあれば別れがある。
いよいよチェックアウトの時間。
なぜホテルのチェックアウトって基本10時なんだろう早すぎるぜって思いながらもgood-by。
愛してるぜ、TOTO。
この日は友人がお店で仕事の日だったので、ホテルを出て一緒に向かった。
はじめて訪れる友人のお店に心躍らせた。
それまでにSNSでは何度も見ていたが、
「ここか~」と感動したりして。
友人とのお店番、そして新たな素敵な出会いについては、part②として綴っていこうと思う。
(つづく)