チェーンソーマンとオナニーおじさん
※チェーンソーマンのネタバレを含みます※
※個人の主観を大きく含みます※
年の瀬、Yahoo!ニュースから送られる極限まで圧縮されたニュース通知をぼんやりと眺めながらふと思った。
毎年の如く、年末年始は奇天烈なニュースが多くなる気がするのは何故だろうか。
具体例を上げろと言われるとすぐには出来ない。
年末年始の忙しさに忙殺された悲しきモンスターが発生するのか、それとも年末年始の連休で自分の頭にヘンテコなフィルターがかかっているのかは定かでは無いが、実感として年末年始は普段より変なニュースが増えると感じている。
年末年始だが、私はチェーンソーマンのアニメをイッキ見した。
ハッキリ言ってめちゃくちゃ面白かった。
内容の詳細は各々Amazonプライムなりユーネクストなりで確認した方が良い。
特にOPは映画のパロディ満載で、音楽も映像もテンポがよくこんなオシャレなOP映像は初めて見た。
初めて見たってワードを使うのに躊躇いを失わせるパワーのある映像だった。
チェーンソーマンのキャラクターはみな魅力的だが特に印象深いキャラクターが1人いる。
姫野先輩めっちゃ好きになった。
もともと
「眼帯女かぁ」
と色眼鏡をかけて見ていたが、回を追うごとにキャラクターの人間的魅力にすごく惹き付けられた。
また第6話で
「依存できるもんがあるといいよねぇ。何かに寄りかかって生きたい人生ですよ」
とセリフがあり、このセリフは色んな考察ができるなぁと感じた。
姫野先輩は仕事上は実力があり、リーダーシップもある。
だが、姫野先輩は多くのバディと死別しており
「どうせ死ぬなら初めから期待しない」
というマインドになっていた。
そこで新たなアキくんという実力もありなかなか死なないバディと組むことになる。
次第に顔もいい新しいバディに依存するようになり、
最終的にアキくんという人間へ縋ることにより生きる目的を見出すようになる。
遂にはアキくんへの依存心故に自己犠牲で死んでしまう。
姫野先輩が死んでしまうまでアキくんは気付いていなかったが2人は共依存関係にあった。
かつて、アキくんは姫野先輩の影響でタバコを吸うようになる。
表面上お互いただのニコチン依存症だが、タバコというツールを通してお互いに依存しあっていたのだ。
人間関係において「良い依存」と「悪い依存」がある。
この2人に関しては後者の依存だったであろう。
極限状態で拵えた自立心は弱く、簡単に折れてしまう。
しかし、人が何かに寄りかかっている様は儚く美しい。
そう感じる。
チェーンソーマンを見ながら
「最近似た感覚をニュースで覚えたなぁ」
と感じた。
Yahoo! ニュースを開きひとつの記事を見つけて
「あ、これのことか」
と自分の中で納得した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a8507b8edba6dbe7907110bdf457a1b494c5a11
記事では以下のように書かれている
TPOは弁えなくてはならない。
風俗店でスカウトをしてはならないように、
職場のデスクでエッチな動画を見てはならないのだ。
しかし、おじさんの主張は面白い。
こういった類の事件の際の当事者の主張は
「性欲が抑えられなかった」
「魔が差した」
というものが大半だろう。
しかしこのおじさんは
「不安なことがよぎった」
である。
彼は救いを求めているだけだ。
人間生きていれば不安なこともよぎるし、何かに寄りかかりたい時もある。
人によってはたばこ
人によっては恋人
このおじさん(59)の普段のことは分からない。
彼にとって、不安なことがよぎった時に寄りかかるものがアダルトサイトだっただけなんだ。
そう考えたらなんだか愛おしさすら芽生えてくる。
彼のアダルトサイト視聴時間は残業時間の約半分に登るという。
その時間で彼の不安が除かれていることを切に願うばかりである。