ドイツの鉄道の思い出
欧州の鉄道って、なんかロマンチックです。アムステルダム駅には、オランダ国鉄の列車の他にも、ドイツの新幹線(ICE)やフランスの国際特急(Thalys)がやってきます。鉄道駅の行先表示板に外国地名があるなんて、まるで国際空港みたいで、テンションが上がります。でも、日本とは色々と仕組みが違うので戸惑うこともしばしば。今回はドイツの鉄道の思い出について語ってみたいと思います。
1. ローカル路線 (RE / S-Bahn / U-Bahn)の種類
写真左;U-Bahn(地下鉄 )、写真右;S-Bahn(ローカル電車)
私が住んでいたシュツットガルト地区には、ドイツ国鉄(DE)やシュツットガルト交通局(SSB)が運営する電車(S-Bahn / U-Bahn)があります。
S-Bahnは都市近郊電車で、駅間が長めです。シュツットガルト空港地下にはS-Bahnの駅があり、シュツットガルト中央駅までの移動が便利です。
また、シュツットガルト中央駅を中心にU-Bahn網が郊外まで広がっていて、こちらは駅間が短いので市内の移動に便利です。なお、U-Bahnは通常地下鉄を意味しますが、路面電車になったり地上を走ったりすることもあります。
2. 改札がない!
ドイツの鉄道で特徴的だと思うのが、駅に改札がないことです。
基本的にドイツではルールを守るのが当たり前、きちんと切符を購入して乗る、ということになっています。
同僚に聞いたら、改札業務にかかるコストと、無賃乗車者による損害を比較して、後者を選んだのだろうとのこと。さすがドイツ、合理的です。
3. 券売機はハードルが高い -> スマホアプリ が便利
券売機は、コンコースにポツンと置いてあることが多いです。ドイツ語の他、英語表示もできるのですが、とにかくわかりづらいのが欠点です。路線図なんてものはなく、駅名とその駅までの料金が小さな字で表になっているので、目的地の駅を探さなければなりません。支払いは現金の他にクレジットカードが使えます。赴任当初、発券でモタモタしている間に電車を乗り過ごしてしまうことが何度もありました。
ちなみに私は、クレジットカード決済のスマホアプリを利用していました。乗車前に出発駅->到着駅を指定してチケットを購入すると、そのチケットの有効期間内だけスマホ画面にチケットが表示される仕組みです。よく使う区間は登録できますし、慣れない街角でも、最寄駅を地図上に表示してくれます。S-Bahnのみならず、U-Bahnやバスにも利用できますし、乗り換え案内、更には同一区間を利用する複数人利用にも対応してくれる優れものです。(*利用可能地区が限定されるので注意してください。)
2. 新幹線(ICE)
乗り心地はよいのですが、時間通りに来ない/乗り場が変わる/運休するなんていうのはよくあることで、なかなか手強い印象です。
到着ホーム自体が直前に変更されるのはよくあることです。隣のホームだった場合は大変です。私の経験上、列車到着間際に周りの乗客が一斉に動き出したら、何かあったと思ってすぐに行動を起こさないと、乗り遅れることになります。
列車の号車の順番が変わることもあります。これはどういうことかと言いますと、例えば東海道新幹線なら1号車は新大阪側で16号車が東京側と固定ですが、先頭車両が何号車なのかが駅の案内とは逆になることがあるということです。つまり、私が座席指定しておいた16号車に乗るべく、駅の案内板に従って待っていたら、目の前に1号車が止まったため、16号車までホームを走るか、途中の車両から乗車して16号車まで移動しなければならない、といった感じです。こうなったときにはホーム上はたくさんの乗客が走り回っています。それで誰も文句をいうこともなく従っているのは、文化なんでしょうね。感心します。
列車の中は快適です。テーブル付き座席や、個室になっている席もあります。面倒なのは、日本の新幹線のように指定席車と自由席車が分かれていなくて、座席毎/区間毎に指定席になったり自由席になったりすることです。自分の指定席を誰かが占領していることもあるので、チケットを見せて退いてもらうことになります。逆に、自由席を利用していると、いつ指定券を持った他の客が来るか分からないので落ち着かないと思います。ネット予約だと数ユーロの差しかないので、座席指定付けるのがお勧めです。
そういえば、ドイツからオランダへ赴任するときにもICEを利用しました。
列車に乗って降りて、改札を出たら普通にオランダ入国って、島国育ちの私には、とても不思議な経験でした。
(シュツットガルト中央駅の建屋の上には、
この街の誇り、メルセデスベンツの紋章が輝いていました。)
次回は、オランダの鉄道について、語りたいと思います。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
これまでの収益は全て、それを必要としておられる方々へ、支援機関を通して寄付させていただきました。この活動は今後も継続したいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。