大谷翔平さんの機会損失4割の根拠を計算してみた
最近のお昼の番組は、アメリカ大リーグの大谷翔平さんの異次元の契約金額(7億ドル)の話題で持ちきりらしい。彼が自分の所属するチームがリーグ優勝することに拘って、球団のキャッシュフローを維持して必要な投資をしてもらうため、自らの契約金の97%を10年後払い、しかも無利子を選択したことで、彼が将来、受け取ることができたかもしれないお金が4割減ったという話が出ていたと娘から聞いた。
TVの情報番組ではその詳細をコメンテーターが細かく説明していたそうなんだけれども、娘はあんまり理解できなかったという。
「とにかく、あの契約のせいで、彼が米国にいる限り、4割も損したんだって!」
どゆこと?
、、、ということで、自分なりに検証してみました。
【前提条件】
a = 大谷さんが受け取る契約金
b = 上記aに利子(r)をつけた場合の、大谷さんが将来受け取る契約金
お預け期間は10年間
損失は4割
【計算】
b = a * (1 + r) ^ 10
もし、後払いの契約金に利子(r)がついていた場合、毎年、利子(r)をかけた利息が加算されていくので、(1 + r)すなわち(元金+利子)を10回掛ける(10乗する)と、大谷さんが受け取れたかも知れない金額(b)が求められます。ちなみに^はベキ乗の演算子です。
b = a * 1.4
4割も損しているそうですから、bはaの1.4倍です。
a * 1.4 = a * (1 + r) ^ 10
両辺にaを掛けていますので、それをとりますね。
(1 + r) ^ 10 = 1.4
10乗して1.4になる数字を求めます。
Excelの式で計算してみます。
// EXCEL式
= 1.4 ^ (1 / 10)
1.03421969
ベキ乗の演算子は、2乗するなら ^ 2とします。
2乗する前の値を求めるなら ^ (1 / 2)とします。
10乗する前の値を求めるので ^ (1 / 10)としましょう。
(※括弧は必須です。括弧がないと、演算子の優先順位のせいで期待する結果は得られませんのでご注意ください。)
(1 + r) = 1.03421969
r = 0.03421969
r = 0.03421969
なるほど、年3.4%ですか、、、
預金金利でいうなら日本では考えられない利率なんですが、ネットで検索してみますと、、、
、、、最近の米国消費者物価指数(CPI)の上昇率は、3〜4%のようですね。
【結論】
米国の消費者物価指数が、年3〜4%程度上昇している。
このまま10年間続くとなると、現在保有しているお金で買えるものが、10年後には4割値上げしている。
10年間持っているお金の額が変わらないなら、4割ほど損をしている。
成程、コメンテーターの先生が仰ることはこういうことだったのかも知れません。
日本の消費者物価指数は米国と同じくらいだけど、預金金利は絶望的なくらい低い。米国なら金利が高いので、大谷さんはお金を銀行に預けておくだけで購買力を10年後まで維持できたかも知れない。
まぁ、大谷さんの契約金の総額がとてつもなく高額なので、さらに彼が欲を出して損失金額を云々するより、もっと価値のあるものを彼は得たのかも知れない。でも、今後10年間に彼が受け取るのは2,000万ドル、月平均2,367万円(142円/USD換算)。リビングコストが高い米国カリフォルニア州で果たして彼は超一流野球選手に求められるものを実現するのに必要充分な自分への投資ができるのか、ちょっと心配。広告収入とかの副収入が別途あるんでしょうけどね。
他人のお財布事情はどうでもいいけど、なんとなく理屈がわかってスッキリ。
計算があってるかどうか、知らんけど!
以上、捕らぬ狸の皮算用でした。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
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