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デジタルだけとフィルムのモチーフを忘れない - Nikon Z fc編

Nikonのフィルム機を使っていたらAI Nikkor 50mm f/1.4Sの開放で撮った写真のとろけるようなボケとダイヤル操作で設定する感覚をデジタル機でも実現したいという気持ちが高まってきました。

ヘリテージデザインのZ fがなかないい感じですが執筆時はまだ発売前で購入できません。でも既にAPS-CサイズのZ fcが発売されているじゃないですか。
Z fcとオールドレンズの組み合わせで何とかフィルムのモチーフを実現できないか調べているとなんともドンピシャのアダプターを発見しました。

フォーカルレデューサー マウントアダプター Lens Turbo Ⅱ

Lens Turbo Ⅱ(写真1)はレデューサーレンズで焦点距離を0.726倍に縮小しAPS-C機でもフルサイズで撮影した画角に近い撮影ができるアダプターです。
50mmの焦点距離のレンズであれば54.45mmの焦点距離で撮影されます。

50mm × 1.5(APS-C焦点倍率)×0.726(Lens TurboⅡ焦点倍率)=55.45mm画角相当

写真1 Lens Turbo Ⅱ

さらにレデューサーレンズの集光効果で絞り値が1段分明るくなります。(写真2)
F1.4の絞り値であればF1の明るさになるのでボケの写り方が気になるところです。

写真2

ニコンFマウントのレンズを取り付けますがEFマウントのアダプターにしている理由が2つあります。
理由の1つはFマウントのアダプターにはGタイプ対応のアダプターで絞りリングが付いていてこの絞りリングは今回使用するレンズには不要です。見た目も絞りリングがシルバーなのでカメラのブラックのボディに似合わないからです。
もう1つの理由はEFマウントにしておけばFマウントだけでなくC/YマウントやM42マウント等のレンズもマウントアダプターを追加するだけで使えるようになるからです。

今回はK&F Concept マウントアダプターの KF-NFEFを使用してFマウントからEFマウントに変換します。

写真3 K&F Concept マウントアダプター KF-NFEF

SmallRig Nikon Z fc用エクステンショングリップ

こちらは余談になりますがアルカスイス互換のプレートをZ fc用に必要かなと思い調べていたらデザインが最高過ぎるアイテムを発見しました。

そのアイテムはSmallRig Nikon Z fc用エクステンショングリップです。(写真4)

写真4 SmallRig Nikon Z fc用エクステンショングリップ

購入時にアマゾンにはシルバーしか在庫がなかったのでSmallRigの公式サイトでブラックを購入しました。
ベースプレートがアルカスイス互換のプレートになっていて簡単に三脚に取り付けられてバッテリー部分は穴が開いているのでこのアイテムを付けたままスムーズにバッテリー交換が可能です。
グリップはシリコンガスケットで握った時しっかりホールドされてガタツキはありませんでした。さらにグリップの右側に1/4" 20のネジ穴があるのでカメラを縦置きにして三脚に取り付けることも可能です。
ケージだと無骨なデザインになることが多いですがこのグリップならヘリテージデザインを損ねることなく機能的にもアップするのでとても気に入りました。(写真5)
こういうのは大体純正を買っておけば良かったと思うことが多いのですがこのグリップは正直純正よりいいんじゃないかと感じました。

写真5

レンズアダプターもカメラと調和していい感じです。(写真6)

写真6

作例および SONY α6700 + SIGMA 30mm F1.4 DC DNとの比較

Nikon Z fcはLens Turbo Ⅱ+KF-NFEF+AI Nikkor 50mm f/1.4Sを取り付けて絞りF1.4開放でピクチャーコントロールはFLの設定で撮りました。
SONY α6700はSIGMA 30mm F1.4 DC DNを取り付けて絞りF1.4開放でクリエイティブルックはFLの設定で撮りました。

それぞれ画角は54.45mmと45mmになるので約10mm画角が変わるので同じ立ち位置で撮るとNikonの方が大きく写ります。1歩か2歩くらい下がって撮ると同じ画角になる感じでした。

遠近感が分かる写真でまず確認してみるとNikonの方が1.5段か2段ほどボケがあるように見えます。(写真7)

写真7 左Nikon 右SONY

平面の写真はどちらも端までクッキリ写っていますがNikonの方は多少ビネットが出て樽型に歪んでいます。これはニコンの方はマニュアルレンズ扱いでレンズ補正が効かないからです。
カラーはどちらもFLですがメーカーによって味付けが全く違うのがよく分かります。Nikonは赤みがかってSONYは黄色味が出ています。(写真8)

写真8

ハイライトとシャドウの比較写真ですがNikonの方がどちらも抑え気味の表現になっています。NikonはネガでSONYはポジのフィルム感があるように見えます。(写真9)

写真9

クローズアップの比較写真ですがNikonの方はAPS-C機では体験したことがないボケ感でフルサイズのF1.4の開放でのボケ感でも出ない大きなクリームボケでした。いつもはSONYの方のボケ感位で満足していたので驚きでした。(写真10)

写真10

こちらの写真も手前にピントを合わせて背景ボケを試してみましたがNikonの方は少しだけ奥の葉っぱでさえとろけるボケをしていました。(写真11)

写真11

最後にNikonの方で玉ボケを試してみました。中心部分の正円の玉ボケはとても美しく大きなボケです。周辺に行くに従って若干レモン形になっていますがこれくらいなら問題ないでしょう。

写真15 Nikon

Nikon Z fcでフィルムのモチーフを忘れない

ヘリテージデザインのZ fcにオールドレンズを付けるとほぼフィルム機の気持ちでシャッターを切ることが出来ます。
フィルムのモチーフは内部の機能的なものだけではなく外観も重要な役割を果たすのに気づかされました。
レデューサーレンズの性能が思っていた以上に性能がいいのでAI Nikkor 50mm f/1.4Sだけでなく他のオールドレンズでもぜひ試してみたいです。
次はCONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4かな?・・・これはレンズ沼にハマりそうです。

それとSmallRigのグリップの右側に1/4" 20のネジ穴から撮りたい動画のアイデアが浮かんだのでリールにしてみました。こういう動画をフォトウォークしながらアクションカメラで撮れるので他にも試してみたいと思います。


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