『「書くこと」で星座を作る』という感覚。
この記事の主張
2023年の6月。昼下がり。外にはさんさんと雨が降っている。
さんさんと降る雨を眺めながら、ふと考えごとをしていました。
発信活動をしよう!
となったときに、みんなが最初に選ぶ手段はなんでしょう?
現時点で何かしらの手段を使って発信をしている人は、
一瞬手を止めて考えてみてください。
今、発信をしていないよ〜〜って方は、
発信をするとしたら、
どういうテーマで発信をしたいのか考えてみてほしいです。
どうでしょう?
何か思いつきましたか?
パッと考えただけでもいろんな手段が思い浮かびます。
オフライン、オンライン様々ありますね。
他にも発信の手段はあると思いますが、ひとまずこの辺で。
僕が一番最初に情報発信を始めた手段はブログでした。
書くことには「話す」「聞く」ということとは違った魅力や効果があり、それらが自分というものを積み上げていく上で重要になっていくことだという話を、以前の記事で書きました。
前回記事はこちら!
短期的に見れば「書く」ということは「個人」の行為ということができます。なぜなら「書く」ということをしている最中は、個人で行動が完結しているからです。
一方で、「話す」「聞く」ことは2人以上の存在がないと成立しません。
独り言や音声配信など、細かいことを言えば1人でも完結しますが、一般的なオフラインで人と会って会話することを考えると、個人で完結する行為ではありませんよね。
「短期的」とあえて限定したのには理由があります。
「書く」という行為の先にも読み手がいるからです。
こうして現在記事を読みにきてくれているあなたは、まさに「読み手」。
つまり、長期的に見たら「書き手」と「読み手」両方が存在するという意味で、「書く」という行為は厳密には「対人」の行為ということになります。
なので、あえて「短期的」という表現をしたということです。
「書く」とは自分に向き合うこと。
「個人」で完結する行為であるという特性上、「書く」ということは、否応なく自分と向き合う行為です。
書き手が理解していないことを文字として言語化して記事などの形に起こすのは不可能ですし、それ以前に自分自身の思考や考えを理解しようとしていないと、言葉を紡ぎ出すのはなかなか難しい。
ブログや物書きを始める人は多いですが、
ほとんどの人が挫折してしまう理由はここにあります。
2009年・特定非営利活動法人である「アフィリエイトマーケティング協会」の調査によると、開設後に12ヶ月記事の更新を維持しているブログは約40%と言われています。
ブログの維持率は年々減少しているので、もしかしたら2023年現在は30%を切っているかもしれません。
ちなみに、かくいう僕自身も何度もブログを始めては挫折しました。
現在はNoteという形で記事を書くことは続けていますが、ブログという形で執筆をしていくのには、今の所は気が向いていません。
元も子もないことを言うと、そんなもんなんです。
誰しも、最初から文章を書くことができるわけじゃないんです。
だからこそ、「書く」ことで段々と自分というものを理解していくこと。
いや、正確には自分の中にあるけれども、気づくことができていなかった一つ一つの点に記事を書くことで一つ一つ気づいていくと言う感じでしょうか。
点として独立していたものが繋がって、繋がって。
やがて、線になっていくような感覚と言い換えることができるかもしれません。
まるで星座のように。
本来は見えないはずのいくつもの線が長い時間をかけて組み上がり、
なにか意味のある、不思議な形を縁取っていく。
そうして線が集まってできた形が「自分」というものではないでしょうか。
確かに自分というものができるのには時間がかかるでしょうが、「書き続けることの一番の魅力」はここにあるのでは、と思います。
しかも、できて終わりではありません。
自分を知り、変わっていく旅は永遠に続きます。
一度は形が出来上がっても、少しずつそれは崩れていき、
別の形に変容を遂げるでしょう。
僕の好きなBackNumberの「青い春」という曲の中に、
こんな一説があります。
それくらい、自分のことを知るのは難しいんです。
自分のことを理解するのは難しい。
人はあらゆることを理解・把握し、細かくして噛み砕く、
そんな頭脳と知恵を有していますが、他ならぬ自分自身のことを理解するのは容易ではありません。
事実、漫画やアニメ、ドラマや映画といったあらゆるメディアにおいて、その難解さと壮絶さのプロセスが描かれています。
僕はメディアの中でも、群像劇やスポーツものを見る機会が多いのですが、
やはり最終的に乗り越えないといけない壁は自分なのだ、ということをまじまじと思い知らされることが多々あります。
成長しようと自分を高めることは確かに大切ですが、成長するのはあくまで自分であり、自分を知らないことにはある程度のレベルまでしか到達できない、と自分の経験からも強く感じています。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず
という言葉もありますしね。
自分のことを知るというのはそのくらい難しくて。
でも、大切なことなんです。
とはいえ、「そんなことはわかっている。でもできないんだ。」と思っている人もいるでしょう。実は僕が考える「書く」ことの魅力はもう一つあります。
一つ目の魅力を感じるためにも重要なことです。
前回の記事で、「書く」ということがそれほど重要なことだと認識されていないのでは?と問題提起をしました。
もしかしたら、現代ではスピードのあるコミュニケーションが求められているのではないか、と。
まだ記事を読んでいない人はぜひこちらから読んでください。
スピード感が求められているからこそ。
スピードが重視されている現代だからこそ、意図的にスピードを緩める時間を取る必要があると僕は考えています。
「書く」という行為は考えるスピード = 生きるスピードを落とすことができる、という効果があるんです。
人生とはマラソンだ、とよくたとえられますが、本記事でもこの例えを採用することにします。
マラソンランナーはトップスピードで42.195kmを走るでしょうか?
もちろん、違いますよね。
普段は体力を維持しつつ確実に歩を進めるために、スピードを抑えています(それでも車やバイクより速いこともあるので、驚きの速度ですが)。
相手を抜く際やゴール手前になってようやくスパートをかけて、だんだんと加速していくんです。
トップスピードは普段のローペースがあってこそ発揮できるし、効果を発揮できる。もしランナー全員がトップスピードで走り続けていたら、ゴールに辿り着ける選手は一気に少なくなるでしょう。
仮にゴールできたとしても、その様子はノーガードの殴り合いのような悲惨なものになるでしょう。
闇があるからこそ、光が輝くように、「遅い」ことがあるからこそ「速い」が効果を発揮するんです。
ですが、現代では人々は「速い」ことが正義であるかのような価値観が大多数を占めています。
「速い」ことは不安を低減する効果は一定数あるし、むしろ安心する要素の一つではあることは確かです。
ただし、先述のように、「速い」だけでは疲れてしまうし、どこでも競争に巻き込まれてしまいます。
「安かろう、悪かろう」と同じように「速かろう、悪かろう」。
つまり、「速いんだから、多少の質の悪さには目をつむれ」ということにもなりかねません。
だからと言って、仕事で行動を遅くするのはいかがなものか・・・?
ようやく話は最初に戻ります。
生活の中に「遅さ」を設けることこそ、
「書く」という行為ではないでしょうか?
「書く」に没頭する習慣を作る
普段とっているコミュニケーションから1段階ギアを落として、「書く」という行為そのものに没頭してみる。
まずは1週間、いや3日でいいので、日記を書いてみることから始めるとちょうどいいと思います。
日記に書く内容も、深く考えなくていい。
「その日にあった嬉しかったこと」を3つとか、「面白いと思ったこと」を3つ書くだけでも十分。この方法は、精神科医の樺沢紫苑さんという先生も推奨されている方法です。
大切なのは「日常の中にスピードの遅い時間帯を意図的に設けること」。
最初のうちは手段にとらわれる必要はありません。
ちなみに、筆者である僕は「株式会社ほぼ日」という会社が販売している「ほぼ日手帳」に日々感じたことや考えたことをメモ書きとして記しています。
コラムを書くにあたっても自らが「書く」ということにたいして、何を思っているかをアイデア出ししているんです。
クリエイティブをするにおいてもやはり「書く」というのは有効ですね。
本記事はもっぱら「書く」について話してきましたが、
絵が好きな人や得意な人は「書く」と同様に「描く」を試してみるのも一つの手です。
イラストやミニ漫画などを描いてみるのもいいかもしれません。
そうこうしているうちにいい長さになったので、この記事はここで終了にしたいと思います。
記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
読んでくださった皆さんがそれぞれの「書く」を見つけられることを祈っています。
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