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本から見つけた韓国の心①

韓国に住んでいると、一番最初に覚える鳥の名前は까치だろうと思います。
それだけあちらこちらにいます。
日本語ではカササギというこの鳥は、どうやら韓国では吉兆を運んでくるという縁起の良い鳥なのです。
そんな身近にいるこの鳥は、日本のカラスのように真っ黒でもなく、大きさもそこまで大きくありません。

この本は近くの市立図書館で偶然見つめた新書の絵本でした。
人は何を必要とし生きていくのか悩みながら絵本を描くのだとおっしゃる作家が、食べるというテーマで書いたものです。

食という部分は韓国という国と切り離せない、深い深いものがあります。
ご飯を食べたのかをあいさつ代わりにするのです。
別れる時もしかり。
残さずに食べると満腹ではないと勘違いされるというのは嫁に来る前によく聞いた話でした。

貧しかった時代、義父さんもお米は高くてじゃがいもばかり食べていた歳月を思い出すのか、ゆがいたじゃがいもを食べようとしません。
そのような十分な食事がままならない中でも、自分達(人間)だけが自然の恵みを独占することをしなかったのです。
それが、까치밥です。
柿の木の、枝の先に、残された柿の実。

それは、十分な食事が難しかった時でも知っていたのです。
人間だけがお腹をすかせるのではないことを。
限りあるものを分かち合う心を。

까치밥   -안화수-

한 그루 한 그루마다
감 하나씩 달아놓겠습니다
아버지,
감 열매가 몇백 원, 몇천 원
아무리 비쌀지언정 참 좋은 놈 한 개
따지 않고 그냥 두겠습니다

집 뒤 지나는 까치가 있어
굳이 까치 아니라 까마귀라도
배고프면 잠시 앉아 쉬면서
먹고 갈 높이에 그대로 매달아 놓겠습니다

겨울이 온다는
문자 메시지 한 줄 없이
갑자기 추워진 요즈음
도시에 부모 없이 외롭게 크는 아이에게도
까치밥만 한 탐스러운 어린이 밥 필요하계습니다

詩集『늙은 나무에 묻다』(창연,2021) 105-106頁


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