約束
「はい」
僕が渡したクローバーを
「だめだよこれ三つ葉じゃん。」
投げ捨てて、君は言う。
「三つ葉でも四つ葉でも、クローバーはクローバーだよ」
僕はそう言うが
「四つ葉でなきゃダメなの!」
君は聞かない。
「なんで」
知ってるけど聞く。
「先輩にあげるんだから!」
僕は仕方なく、
「ほら、あったよ」
隠し持っていたクローバ-を手渡す。四つ葉の。
「あったの?ありがとう!」
確かめる。信じているけど
「約束、覚えてる?」
笑顔でうなずく君は
「もちろん!」
知っているのだろうか。
「一つだけ、何でもお願い聞いてあげる!」
シロツメクサの花言葉。
約束だよ。