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子育て、今思えば……。お母さんが、二人いる

今どきのお父さんは、小さな子供に対してとても自然に接しているなあと思います。私の息子が小さかった頃は、ママチャリの前後に子供を乗せているお父さんは今ほど多くなかったし、ファミレスや電車の中でぐずる子供に手をやいているお父さんも結構いて、「がんばれ!」と心の中でエールを送っていました。

でも、今どきのお父さんたちは小さな子供の相手も問題なさそうです。昔は「旦那に任せておくとシンパイ……」なんて会話がお母さん同士であったけど、父親と母親のそんな違いも薄れてきて、よいなと思います。
一方で、前に動物園で見た光景について書いたように、ちょっと細かくて口うるさいお父さんも増えてるのかもと感じ、胸がちくっとしました。というのも、息子が小さい頃、「A君(息子)は、お母さんが二人いるみたいだね」とママ友に言われたことがあったからです。

それはどちらかと言えば褒め言葉でした。夫は良くも悪くもあまり「父親」らしくないタイプで、小さい子供と一緒にいても全然苦にならず、わりと細かい所まで目がいき、ママ友たちからも「心配なくていいね!」的なことをよく言われました。
でも、それって息子にとってはちょっと大変だったのかも、と思うのです。

私から見ると当時のお父さんたちは総じて子供に甘く、お母さんたちに対しては「そんな細かいこと言わなくてもいいじゃない」的なところがありました。子供たちも「パパはママみたいにうるさくない」と思っている節があった。
でもうちの夫は全くそんなふうではなく、なんなら私よりも細かいことに気づく人でした。

しかも我が家はコロナ禍になるずっと前から夫婦とも在宅で仕事をしていたため、息子にとっては両親が一日中家にいて、遊ぶ時も三度の食事も両親の目が届く生活。今思うと、息を抜く暇も、力を抜く暇もない。
昼間はお父さんがいなくて、お母さんの見ていない時は脱力できるわけでもなく、土日はお父さんといればあまり細かいことを言われない、というわけでもない。息子にとってはかなりヘビーな生活だったかもしれません。

のちに、息子の自己肯定感がかなり低めだと感じたとき、「お母さんが二人いる」というママ友の言葉が頭をよぎりました。
父親と母親、どちらがどんな役割を担ってもいいけれど、二人は全然違うタイプのほうが子供は楽だし、のびのびできるだろうと思います。
両親が二人とも同じことで同じように叱ったり、注意したりが続くのは子供にとってしんどい。お母さんが怒っててもお父さんは知らん顔、というときがあってもいい。お父さんがうるさすぎたら、お母さんのところへ逃げてもいい。

いずれにしても、「お母さん二人はいらないよね」と今なら思います。
家族の中にもいろんな人がいて、いろんな考えがある。それが自然だと
感じられることが、子供がのびのびできる環境なのだと思います。




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