見出し画像

子育て、今思えば……。話しやすいことは大事、でも面倒くさいのも大事

Webマガジン「ミモレ」の連載『今日のモヤモヤ話』で梅津奏さんが、管理職の方に向けたアドバイスとして、部下と良い関係でいるには「コミュニケーションコストを下げることが大事」と書かれていました。

コミュニケーションコスト、とは関わったときの〝面倒くささ〟とのこと。「この人に言うと怒られそうだ」「この人に相談すると何度も報告を求められて面倒くさいことになりそうだ」と思われると、部下は適切に連絡や報告をしてくれなくなる……というのです。

これを読んで、子供に対しても同じだなと思いました。私も同じ失敗を何度も繰り返しました。
「なんで嘘つくの?」と聞くと、「……怒られると思って言わなかった」
「なんでちゃんと話さなかったの?」と聞くと、「……そのあとでもっといろいろ言われるのがいやだったから」
まさに息子にとっては「コミュニケーションコストが高かった」わけです。

その後は息子の成長&私の反省とカイゼンによっておそらくコミュニケーションコストが少し下がり、話をしてくれることが少しずつ増えました。よかった。

ですが一方で、部下に対してではなく子供に対しては、一定の「面倒くささ」を保つことが親の役目かなとも思います。
ふだんは思っていることを気楽に話せるのはとてもいいことだけれど、ある問題や状況については、「こういうことをすると、母親はかなり面倒くさい」「父親にこの話を通すのは結構面倒だ」という基準があってもいい。それをどうクリアするか、子供は試行錯誤するでしょう。面倒だから避けて通るのか、こっそり自分だけでやってみるのか、どうにか説得を試みるのか……

そういう〝あがき〟があった方が子供もいろいろ経験できそうです。だから親としては、我が子には「そういうことは絶対にしてほしくない」「私は君とは違うこういう考えを持っている」と伝えることも大事ではないかと思います。
別に高尚なことでなくても、「うちの親は箸の持ち方だけはうるさかった」「○○という言葉だけは使うなと言われた」とかでもいい。
些細なことでもその人、その親のこだわりポイントが後から笑える思い出になったりするし、ひょんなところで自分を律してくれたりするなあと、もう両親のいない私は今思っています。


いいなと思ったら応援しよう!