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「投資家の思考法」を読んで

こんにちは、Jammyです。私は1日1冊ほどのペースで本を読むほどの読書家ですが、私は時々、面白い本に出会うと読んでいる途中に頭にアドレナリンがバッーと湧いてきて本が遠くなっていく感覚に襲われることがあります。ミネルヴィニのグロース株の本や、ギャン理論の本、ジムロジャースの本など。

この本もその感覚に襲われました。夜にとりあえずちょっと読むかと開き、気づいたら読み終わってました。

私も父が元ファンドマネージャーであり、メディアからではなく、事実ベースで物事を考える重要性や物事の付加価値や本質を考えろとよく言われてきました。

この本にはそれら投資家の考え方はもちろん、生きていく上でのヒントになるようなそんな一冊になっています。

これからアウトプットとして要約しますが、本を買って読んだ方がいいです。

ビジネスの3つの要素

この本にはキーワードとして「事業の経済性」という言葉が出てきます。

「事業の経済性」とはその事業の成長性や収益性を決定づける条件のことです。それは一時的なものではなく、構造的なものを指します。

それを形成するのは
1.付加価値
その企業の財・サービスに顧客にとっての価値があるのか、顧客にとって必要なもの、問題解決につながるものか

2.競争優位性
参入障壁と言えるまでの競争優位性があるのか

3.長期朝流
人口動態のような不可逆的な長期潮流はあるのか

です。

株価は利益の影、利益はビジネスの影

投資において毎日チャートを見て株価を追いかけがちですが、株価は所詮、企業が将来的に積み上げてくる利益を反映して揺れ動く影のようなものです。
PERなども相まって短期的に捉えることはできません。

またその企業の利益もその企業が営む事業の経済性、ビジネスの強さの影です。

つまり一番重要視すべきは、その事業が高い経済性を持っているのか、利益の源泉はどこかを特定することです。

株主は企業のオーナー

魅力的な社長なので投資をしようと思うというのは少しばかりナンセンスです。なぜならば社長というのは、魅力的な経済性がある事業であれば誰がやってもいいからです。しかし、株主というのはその企業のオーナーであり、その事業のオーナーになれるからです。つまりインベスターはその企業の事業そのものの経済性をきっちり見極める必要があります。

経営者の本業はキャピタルアロケーション

企業価値の約8割が「どこで戦うのか」で決定されます。キャピタルアロケーションとは経営資源配賦のことで、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を配賦することです。残りの2割は経営資源を配賦すると決めた事業領域の中でどう効率良く運営するかという部分です。投資家は事業の経済性を切り口に資金を投じますから、経営者も投資家も事業の経済性に焦点を当てていることになります。

そのうえで投資家としてのメリットは業種、地域を問わずあらゆる企業に投資できるという点です。

日本電産はこれまで68社のM&Aをし、68勝0敗と述べています。
三協精機製作所を買収したときは赤字続き、債務超過寸前でした。しかし、日本電産はそこですぐに再建に着手し、1年半後に売上高、利益共に過去最高の数字を達成しました。

永森会長曰く、「どうして三協精機が赤字やったかわかるか?それはね、三協精機が日本電産と競合してるからや。日本電産が三協精機を買収すればもう競合しないわな。」
買収によって事業の経済性を根本から変えた好例です。

素晴らしい経営者は100%素晴らしい投資家です。

ウォーレンバフェットは「私は事業家であるゆえに、より良い投資を行うことができる。そして、私は投資家であるゆえに、より良い事業を行うことができる。」と言っています。

インベスターがもつ3つの視点

事業の経済性を見るうえで重要なのは
1.俯瞰的に見る
2.動態的に見る
3.斜めから見る
というものです。

1.俯瞰的に見る
産業構造の中でのポジショニングを把握する上で役に立つフレームワークに「産業バリューチェーン」という考え方があります。これは横軸に原材料→部品製造→組立て→販売というように、財サービスが生産されて顧客に届くまでの位置関係を曲線で結ぶことでプロセス間における付加価値の相対的な位置を考えられるフレームワークです。
このバリューチェーンカーブの川上と川下が高く、川中が沈むこと、付加価値が落ちることをスマイルカーブと言います。
これは部品製造、組立製造は変えが効くことが要因として考えられます。

このスマイルチェーンを見ると近年では川上のコンテンツの付加価値が急激に上がっており、ハードウェアの質にこだわる「ものづくりニッポン」を売りにしていた東芝など会社が経営難になる理由がわかります。

2.動態的に見る

付加価値の源泉は顧客の問題解決です。ただその顧客が抱える問題や解決手段は時代どともに変化します。なので動態的に見ることが大切です。

iphoneが出てきたことにより、思い出を残すことを価値として出していたデジカメ事業は厳しい状態になりました。しかしデジカメメーカーはカメラの画素数にこだわり、顧客が求めている価値に気づくことができませんでした。この30年来の日本企業の典型的な弱点を表しています。

3.斜めから見る
事業の経済性に迫るには企業同士を比較し、アナロジーを意識する必要がある。
アナロジーは大きく分けて2つ。1つ目は一見違って見えるが実は根っこが同じもの。2つ目は一見同じに見えるけれども実は異なるもの。

企業分析のプロセス

1.数値化する、可視化する
想像力を膨らませる

2.比較する
他と比べる、過去と比べる

3.分ける
理解できる要素を分解する、フレームワークを活用する

4.捨てる
大事なことに集中する

5.組み立てる
仮説構築、次の分析へ

ジブンポートフォリオ

ジブンポートフォリオとはインベスターシンキングを土台とし自分資産と金融資産を明確にし、実践することにより、相乗効果を起こすというものである。

自分資産は知識や時間などです。自己投資をし自分資産を膨らませることにより、時間をかけることにより少しずつ金融資産を増やしていきます。このようにジブンポートフォリオを明確にすることにより好循環を作り出していきます。このためにはインベスターシンキングが必要なのです。

そして先ほどより事業の経済性を見抜くために紹介してきた方法を自分に対して行います。自分の付加価値や競争優位性などを分析し、仮説を立て検証することにより自分資産を上げていきます。

まとめ

奥野さんはこの本を通して強く主張していたのはお金は「ありがとう」の対価であること。そして利益は顧客・社会が抱えた問題解決であるということです。
あくまで金銭的な蓄積が自立するということではないということです。みなさんもインベスターシンキングを身につけ、自分のオーナーとして人生を豊かにしていってください

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