英語発音の「日本人なまり」は重宝される。そして好かれる。
英語を勉強されている方で「なまり」についてネガティブに考えてませんか?「なまり」消そうと頑張っていませんか?「なまり」のない発音をしようとしていませんか?
私は日本人の話す英語に「日本人なまり」が必要だと思っています。
もちろん、相手が聞き取れる正しい発音は必要ですが、むやみになまりを消す必要はないし、「なまり」を意識し過ぎて、逆に話せなくなっているように思えます。
日本人なまりの英語で電話対応
私がカナダのバンクーバーで海運の仕事をしていた時の体験から「なまり」は必要だと感じました。なぜなら私の「日本人なまり」が重宝されたのです。
海上輸送コンテナの手配をするフォワーダーの会社で仕事をしていた。上司の最初の指示は、ひたすら電話のやりとりを担当してほしいということでした。
よくある新入りの仕事かと私は思いました。ですが…実際のその通りなので、ひたすら電話対応をしていました。
3週間ほど経って上司とオフィスマネージャーがとてもうれしそうに「作戦がうまくいった!」と喜んでいたのです。
作戦成功
そして、上司はなぜ私を電話担当をさせたのか理由を話してくれました。それは私が話している英語に「日本人なまり」がある。ということです。
私の上司はイラン系カナダ人、オフィスマネージャーはインド系カナダ人、2人とも発音にそれぞれの国のなまりがありました。しかし、聞き取りには全然問題ならないものです。
私が来る以前、彼女らコンテナを積む貨物船を管理する会社に毎日うんざりするくらいの電話をしていたのです。
理由はメール返信が遅い…。
そのために「メールを読んだか?」「返信はいつか?」というのを、ひどいときは5分おきに電話していたのです。
そんな時に私が来て、彼女らは私の「日本人なまり」を使って、うまく仕事をまわす作戦を考えました。
なまり=イメージ
それはイメージです。日本人に対する海外のイメージは「真面目」「ウソをつかない」「時間にうるさい」「間違いがあると指摘してくる」(そんなことはないとは思いますが…)などです。このあたりは簡単に想像ができるかと思います。
貨物船を管理する会社に「日本人なまり」のある私が問い合わせの電話をすると、彼らは「うわ…日本人だよ…時間にうるさい…細かいことを言ってくる」という意識が働き、だんたんとレスポンスが良くなっていく…というのが上司たちが考えた作戦でした。
効果は抜群でした。3週間ほど経つと電話をする回数は激減して、メールを送ると30分ほどで返信がくるようになりました。上司は仕事が上機嫌でできると喜んでいました。彼女らの「イランなまり」「インドなまり」では電話の回数を重ねることでしか、早く仕事を回すことができませんでした。
それは「なまり対するイメージ」です。その国それぞれの人が持つ「なまり」にはイメージが付いています。「イタリア人、フランス人は女好き」というものと同じように。
なまりはアドバンテージ
私たち日本人のもつ「なまり」は簡単に消せません。よっぽど訓練すれば…消せるかもしれません。
でも、それをするくらいなら、「なまり」を武器にしたほうが効果的です。
そして、海外だと「あなたのなまりが好き(I like your accent!)」と言われることもあります。日本ではほぼ無いことですよね。「話し方のイントネーションが好き」って言われたことありますか?
話し方のクセはその人を表すものです。そのうえで相手の聞き取れる正しい発音を学びましょう。
なので、私は「日本人なまり」を持った英語を話すことは良いことだと思っています。
何か参考なる部分があれば幸いです。