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マリファナフレンズに囲まれ大演説Junky┃ヤスデ丸の裁判傍聴ファイル #14

【罪状】
大麻取締法違反(審理)
「大麻由来成分のまがいもんが流行ってるけど、やっぱりホンモノが最高だぜ!」という若者も増えつつある昨今、もはや法廷に立つことも勲章になる時代?

開廷される裁判のスケジュールは、基本的にネットなどで確認することはできない。ニュースで報道されていたり、注目が集まっている裁判は傍聴券が交付されるため、裁判所のHPに開廷日時が記載されている。裁判員裁判や、最高裁判所で開かれる裁判もHPに掲載される。

しかしそうでない裁判の場合、裁判所内に設置されている専用モニターで当日のスケジュールを確認するしかない。殺人、強盗、強姦──果たして今日はどれに出会えるか……。そんななかでも、開廷していない日はないと言ってもいいほどポピュラーなのが大麻取締法違反の裁判。

以前傍聴した際には、「そもそも法律がおかしい」と法廷で発言する被告人(美容師、25歳男性)に出会えたが、近年の大麻ブームも後押ししてか、こういったオン・マイ・ウェイな被告人とエンカウントできる率が高いのも大麻取締法違反の裁判の特徴の一つである気がする。
今回は、特にエキセントリックだった被告人をちょろっとご紹介。

その法廷の傍聴席は、裁判所であまり見ないタイプの洒落た若い男性たちで埋まっていた。アメカジ系(死語?)のファッションに身を包んだ男性たちは、見るからに被告人の友人たちである。なかなか友達思いな若者たちじゃないか(ジーン)。

証言台に立つ自称アーティスト(27)の男性は、被告人質問が始まるとこう言った。

「みなさん、マリファナ見たことあります?  めっちゃキレイなんすよ!」

傍聴席を除いて凍りつく法廷にも構うことなく大麻の魅力を語る被告人。証言台が演説台に早変わりした瞬間である。
「僕のことは嫌いになってもウィードのことは嫌いにならないでください!」なマインドで大麻草自体の美しさを雄弁に語る一連のシーンは、もしTikTokで流せれば、きっと全国の熱心なグロワーたちの心を射止めたんじゃないかなと思う。被告人の希望制でいいだろうけど、アメリカみたいに裁判の中継制度が確立されたら新しいムーブが生まれそうだな〜。

「ほら、ご覧の通り更生の余地はありませんよ!」

と声を荒げる検察官と、友人の勇姿に沸くマリファナフレンズ。
その傍らで、死んだ魚の眼をした弁護人には同情する気持ちもあるけども、今回は被告人とその友人に私の心の軍配は上がった(なんの勝負だったんだ……)。

<著者プロフィール>
ヤスデ丸(やすでまる)
「実話ナックルズ」の女編集部員。埼玉生まれ中東ハーフ。いよいよアラサー。ついにYZF-R3を手放して、浮いた車庫代でフラメンコを習いに行くか検討中。「1万逃歩日記」「裁判傍聴ファイル」など不定期で掲載中


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